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『EASTEAST_TOKYO2023』の熱狂。2020年代の「文化的エコシステム」を考える

2023.4.7

#ART

次なる目標はアジア圏との連携

ー最後に、このプロジェクトは今後どう展開していく予定でしょう?

松下:明確に決まっていることはまだ何もありませんが、実は最初に『EAST EAST_Tokyo』を立ち上げた時の目標の一つが、海外のギャラリーとの連携なんです。今回はコロナ禍もあって海外勢の出展は映像プログラムのみでしたが、次は海外のギャラリーにたくさん入ってもらいたいですね。特に『EASTEAST_TOKYO2023』がコミットしていきたいのはアジア圏。近しい価値観を持っているアジアのアーティストやギャラリーと交流できればなと。もちろん、ただ交わればいい、みんなが仲良くなればいいとは思わないんです。同じ場所を共有して新しい価値観を作っているから、お互い影響されてはいるんだけど……。

ー影響し合っているけど、決して同調する必要はない?

松下:そうそう、同調する必要はない。このプロジェクトで一つの団体を作っていこうという気は全くないんです。その上で、別にアジアに固執しているわけではないけど、『EASTEAST_TOKYO2023』の文脈として、韓国、東南アジア、中国といったアジア圏の人たちとコミュニケーションを取っていきたいですね。

写真:相澤有紀

武田:アジア圏の参加ということで言えば、今回はトークイベントにGudskul(グッドスクル)のメンバーがゲスト参加してくれました。グッドスクルは、昨年の『ドクメンタ15』(ドイツの都市カッセルで開催される国際美術展)で芸術監督を務めたインドネシアのアートコレクティブであるruangrupa(ルアンルパ)が共同運営するコレクティブです。彼らとコンタクトを取るために、僕らのスタッフは実際にジャカルタまで足を運んでいます。そういう人間同士のつながりをこのプロジェクトを機会に作っていきたいんです。カギカッコつきの「ルアンルパ」「ドクメンタ」みたいな記号的消費ではない状態ですね。そうやってコミュニティをアジアにまで広げられたらいい。

黒瀧:僕としては、小さな『EASTEAST_TOKYO2023』みたいなものが出てきてもいいと思うんです。今回一緒にやったチームやギャラリーで、自分たちの連動企画を立ち上げようという話も出ています。僕らもどこまでできるかまだわからないけど、そんな小さいプロジェクトがいくつも立ち上がっていって、日本のコミュニティに還元できればいいなと考えていますね。

写真:相澤有紀

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