カリ・デウィット(Cali Dewitt)による個展『Unchained Malady』が4月19日(金)から28日(日)まで、東京・神保町のKOMIYAMA TOKYO Gで開催される。
カリ・デウィットはアメリカ・LA在住のアーティスト。モダン・プリミティブ(※)黎明期のLAハードコアシーンを立脚点に、長年言葉を主体とした表現を続け、音楽レーベルからグラフィック、ZINE、アパレル等を展開。IceageやLust For Youthといったインディーズバンドから、ラッパーのカニエ・ウェスト(Kanye West)のマーチャンダイズまで、幅広く作品を手掛けている。2021年からは、Readymadeの創設者・細川雄太とともにファッションブランド「Saint Mxxxxxx」を設立。一通りでは語れないボーダーレスな表現で、自身のリアリティを持った気鋭な表現を続けている。
※モダン・プリミティブ:タトゥーや、ボディーピアスによって肉体を再認識し、自身のオリジナリティを追求する文化。冷戦終結後のテクノロジー社会におけるカウンターカルチャーとして、LAから発祥し、世界各地に広まる。身体改造によって「現代的な原始人を指向する」という意味を持つ。
個展では、エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)の名曲になぞらえた展示名「Unchained Malady=解き放たれた弊害」をテーマに、快楽の自由と生へのエネルギーを放つ新体系のグラフィック作品を展示、販売する。感覚的な言葉をダイレクトに散りばめた新作には、着飾ることのない「純粋な表現の自由」への挑戦が込められている。
同展で描かれるラバーマスクのモチーフは、人々が過剰な清潔さや人生の正解を渇望し、一晩で「自分の本当の人生」が始まることを待ち望む短絡的なウェルネス(健康)意識へのアンチテーゼとして誕生した。「ありのままの自分を受け入れる」という言葉とちぐはぐに並置されるマスクは、ラバーという第三の皮膚をまとうことによって、逆説的な解釈を生み出す。それは、倒錯への愛の表現であり、剥き出しの言葉の重複から無限に広がるスリリングな幸福感をもたらす。
また開催にあたりKOMIYAMA TOKYO Gから徒歩3分の小宮山書店・中3階では『モダン・プリミティブ』展を実施。1990年代に刊行された『BURST』のバックナンバーをはじめ、写真家チャールズ・ゲートウッド(Charles Gatewood)の書籍や、カリ・デウィットがLAで集めたヴィンテージポルノ映画ポスターなどが展示 / 販売される。
Cali Dewitt『Unchained Malady』
会期:4月19日(金)〜4月28日(日)
開廊:12:00〜18:30 (日曜: ~17:30)
休廊:火 水
会場:KOMIYAMA TOKYO G
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3-20-4 第2龍名館ビル 1FD