Kバレエ・オプトによる舞台作品『シンデレラの家』が、4月27日(土)から29日(月・祝)まで東京・池袋の東京芸術劇場プレイハウスで上演される。
『シンデレラ』をベースに、詩人の最果タヒが書き下ろした詩集『シンデレラにはなれない』を原案とする同作。日本の現実を生きるヤングケアラーを主人公に、祖父、母、義妹の世話に明け暮れ、愛するが故に憎まれてしまう少女が見つけた「愛の逆説と希望」を描く内容となっている。公演に際し、最果からのコメントも公開されている。
幸せになりたい、と願えることはそれだけで恵まれていることだと思います。
最果タヒ
自分が幸せを願ってもいい存在だと思えることは、それだけである一つの自由を得ていると思う。
当たり前のことに思えるその願いを、まず「願っている」と言えない人がいて。その人が言葉にするのをやめてしまった気持ちを、言葉にしないで置いてきたからこそ、なんの形にもなれずただ揺らめいている海の中の陽の光のようなその感情を、固めないで、決めつけないで、詩の言葉にできれば、と思いました。
ヤングケアラー、と言っても、一人一人の「私」「ぼく」がいて、「ヤングケアラーの話」ではなく、無数の「私の話」「ぼくの話」がある。踊ることも、詩も、一つの代表としてものを語るのではなくて、ゆらめく無数の「私」と「ぼく」をそのままで表せるものだと私は思います。
だからこそ、届くものがあると信じています。
Kバレエ・オプトは、現代社会に潜む問題をダンス作品に昇華して世界に発信することを目標に、2022年に発足されたBunkamuraとK-BALLET TOKYOによる新プロジェクト。振付 / 演出はマウロ・ビゴンゼッティの弟子であるジュゼッペ・スポッタ、メインビジュアルはヒグチユウコが務める。
公演チケットはBunkamura公式サイト、プレイガイドなどで一般発売中。