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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

ズーカラデル×水平線が語り合う、「ロック」を抱えながら生きていくことについて

2026.8.27

水平線企画『潮の⽬-や-』

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ズーカラデルと水平線。世代的にはズーカラデルの方が水平線よりも一回り上だが、根っこにあるロックンロール愛や言葉を紡ぐことに対しての繊細な眼差しには共振する部分も多いロックバンド同士だ。道筋は違えども、水平線も、ズーカラデルも、2組ともが音楽の持つ「無敵感」を追い求めている。

それは彼らが根っからのロマンチストだからでもあるだろうし、人が生きる中で感じる痛みというものを、どこまでも鋭敏に見つめる人たちでもあるからだろう。だから彼らはロックンロールを必要としたのかもしれない。

2026年9月に京都・磔磔で開催される水平線の自主企画『潮の目ーやー』に、ズーカラデルの出演が決まった。そこで今回は、水平線のソングライターでありフロントマンである安東瑞登(Vo/Gt)と田嶋太一(Vo/Gt)、そしてズーカラデルのソングライターでありフロントマンである吉田崇展(Vo/Gt)に集まってもらい、座談会を開催。お互いの歌詞の世界観やバンドでの表現方法、ロックンロールへの愛情について語り合ってもらった。

共通点は「ロックでありながら、優しさを持ち合わせたポップス」(田嶋)

―水平線の自主企画『潮の目』はどんなイベントなんですか? 

田嶋:今回で8回目になるんですけど、これまでも尊敬する方々を対バン形式で招いてきたイベントなんです。まさにタイトルみたいな、海流と海流がぶつかるポイントに魚が集まってくるようなイメージでエネルギーがある場所を作りたくて。そこで、今回はずっと拝聴していたズーカラデルさんにお声がけさせていただきました。受けていただいて本当にありがとうございます。

水平線(すいへいせん) 左から田嶋太一(Vo / Gt)、安東瑞登(Vo / Gt)
京都の叙情、UKロックの衝動。「ゆるやかな希望」を歌い続ける4人組ロックバンド、水平線。田嶋(Vo / Gt)と安東(Vo / Gt)のダブルボーカル兼ソングライティングにより、UKオルタナティブやフォークポップスなど、多彩な影響を感じる楽曲を生み出している。

吉田:こちらこそ。ずっと水平線の曲は聴いていたんです。「かっこいいバンドがいるもんだな」と思って。僕は真っ直ぐにロックンロールをやっているバンドに対して引け目を感じるタチなんですけど、呼んでもらえたからには、自分たちなりにいいものを見せたいなと思っています。

ズーカラデルより吉田崇展(Gt / Vo)
札幌発の3ピースロックバンド。2015年結成、2018年3月に現体制となり、2025年に結成10周年イヤーを迎えた。

―水平線の2人は、ズーカラデルの音楽にどんな魅力を感じてきましたか?

田嶋:僕が大学生の頃に“アニー”(2017年)がリリースされて、周囲でも「めっちゃかっこいいバンドがいる!」って盛り上がったんです。僕はその頃から今に至るまで好きなものは基本的に変わらないんですけど、ズーカラデルの「ロックでありながら、優しさを持ち合わせたポップスである」っていうところが自分にも凄く刺さったんですよね。きっと吉田さんと僕は聴いてきた音楽も近いんじゃないかなって勝手に思っていて。部活では僭越ながらコピバンもさせてもらったことがあるんです。

吉田:本当ですか。嬉しい。

安東:僕がズーカラデルに感じるのは……僭越ながらですけど、自分の感情を周りの風景と合わせながらアウトプットしていく表現の仕方が、僕たち水平線が目指すものと凄く近いところにある気がするんです。だからズーカラデルは僕たちがやりたいことをやっている先輩バンドという感じでシンパシーを感じています。なんというか……感情をドーンッと出そうとしているわけではないと思うんですよね。それよりも絵画を描くように音楽を作っている感じがします。そして、その絵の中で起っていることや、そこにある感情を読み解いていくっていう。

吉田:確かに、水平線と僕らは似た参照元を感じることもあるし、それに安東くんが言ってくれた「感情ドーンッじゃない」というのも、「敢えてやりませんけど」って捻くれているというよりは、「どうしてもそうならない」というところが、僕らと水平線にはあるような気がする。

田嶋:わかります。

吉田:水平線の曲を聴くと、「感情ドーンッ」でやっていない人たちの波動を、歌詞の言葉選び一つひとつから感じるので。そういう意味では確かに、僕らは似ているのかもしれないですね。

(水平線を聴くと)「俺ってこうなりたかったのかもな」って思う瞬間もあるんです」(吉田)

―先ほど吉田さんは「真っ直ぐにロックンロールをやっているバンドに引け目を感じる」と仰いましたが、それはどういうことなのでしょうか?

吉田:吉田:水平線を聴いていると、なんというか……ロックンロールという表現をする自分たちのことを信じている、疑っていないんだ、っていう感じが凄くするんです。これは完全に僕の妄想なんだけど……。

田嶋:めちゃくちゃ聞きたいです(笑)。

吉田:水平線が歌う「ロックンロール」という言葉には鮮度を感じるんです。例えば“ロールオーヴァー”なんて、めちゃくちゃいい曲だと思う。僕はどっちかというと、「俺、ロックンロール! って叫べないかもしれない」と自分で気づいてから、ズーカラデルというバンドが転がり始めた感覚があって。だから水平線を聴くと「俺ってこうなりたかったのかもな」って思う瞬間もあるんです(笑)。

―水平線の中で「ロックンロール!」と叫ぶエネルギーって、どちらかというと恐らく田嶋さんが担っているものなのかな、と思うんですが。

安東:まさにです(笑)。

田嶋:確かに、ロックンロールを疑ったことはないかもしれない……(笑)。

吉田:やっぱり(笑)。

田嶋:僕にとってロックンロールって、「根拠なく信じられるもの」なんです。そこにある無敵感。他のことが全然ダメでも「ロックンロール!」と言えばなんとかなるっていう魔法みたいなもの。人によってロックンロールの定義は違うと思うけど、僕にとってはそういう言葉なんですよね。

吉田:やっぱり音楽の中にありますよね、無敵なものって。

田嶋:そう思います。

吉田:僕はどうしてもそれを理屈で説明したくなっちゃうところがあるんです。「これはこういう理由で、ロックンロールです」みたいな感じで。

「レノン=マッカートニーみたいでかっこいい」(吉田)

―単刀直入に言うのか、順を追って言うのか、という違いはあるかもしれませんが、水平線もズーカラデルも音楽の中にある「無敵なもの」を言い当てようとしている感じは凄くします。今日はお互いに質問を考えてきてもらったので、ここからはその質問を軸にお話ししていただければと思います。まずは安東さんいかがでしょうか?

安東:ズーカラデルは、最初に吉田さんおひとりから始まって、3人になり、3人の音だけでライブをやっていた時期もあったと思うんですけど、そこからピアノが入ったり、ギターがもう1本入ったり、どんどん元々のズーカラデルになかった楽器や音を入れていくようになりましたよね。その変化のきっかけはなんだったんですか?

吉田:実は僕、「バンドを組もう」と思い立った当初は「10人くらいのバンドをやりてえ!」って思ってたんですよ。

安東:そうなんですか!

吉田:最初の衝動はそうだったんです。でも、マジで友達が集まらなかった(笑)。それで3人で始めたんです。

安東・田嶋:(笑)。

吉田:なので、そもそもの音の趣向としても「大人数でやるバンド」というイメージがあったんだけど、それを削ぎ落して3人でやってきたんですよね。そのあと「音源にストリングスを入れるという案があるけど、どうする?」という話になったときには一応、バンド内での話し合いはあって。

でもOasisだってストリングス入れているし、“Whatever”みたいなイメージでやればいいじゃん、っていう話になったんです。自分の中でその音が聴こえているのなら、ドンッとやればかっこよくなるんじゃない? って。そうやって踏ん切りをつけて変化していった感じでしたね。

安東:僕、ズーカラデルの音楽に大団円感を感じていて。それはきっと「大人数でやりたい」という気持ちが吉田さんの中にずっとあったからなんだなって今思いました。

吉田:生まれてこの方、大袈裟なものが好きなんです。映画でも『アルマゲドン』みたいな、地球救ったりするやつが大好きで(笑)。

安東:めちゃくちゃ納得しました(笑)。

―ちなみに編成の部分で言うと、吉田さんから見て水平線のようなソングライターが2人いるバンドってどう見えますか?

吉田:いや、レノン=マッカートニーみたいでかっこいいなあって。2人とも作詞作曲も、歌もギターもやりますよね。それでも取っ散らかったりせず、溶け合っているところが凄くいいなと思う。この対談に向けて、作詞作曲者をちゃんと意識して曲を聴いたんです。「どっちが書いたのかな」って予想しながら聴いてみたんだけど、半分くらい外れていて。

田嶋:ええ! ほんとですか。それは嬉しいです。水平線を始めた頃は「とっ散らかりすぎてる」ってライブハウスの人に言われたりしたこともあったんです。そのくらい僕と安東がバラバラだったんですけど、それからずっと、いかに2人の真ん中にある「水平線」という場所を目指せるか、そのうえで各々の滲むものがあればいいな、と思いながらやってきていたので、間違えてもらえたのは凄く嬉しい(笑)。

https://youtu.be/VPGhkLUvnIM?si=DzLMP7MGVjzOKoBT

吉田:ギスギスしないんですか?

安東:ギスギスはせんかなあ……?

田嶋:ただ、よきライバルではあるので、「次はどっちの曲で行くか?」っていうタイミングでデモを出すときは、燃えます(笑)。

安東:1回、田嶋が作ってきたデモを僕がアレンジしてみよう、っていう話が出たことがあったんですけど、そのときの田嶋の顔は曇ってました(笑)。

吉田:ははは! いい話だなあ。

―田嶋さんは、自作曲を安東さんがアレンジするのは嫌だったんですか?

田嶋:嫌ではないんですけど、「俺の曲がどうなるんやろう?」っていう不安が顔に出たっていう感じですね(笑)。でも、結果的にその曲は安東のエッセンスも散りばめて共作みたいな感じでできたんです。“ロケンロー”って曲なんですけど。初めて2人で交互に歌ってみたり、1曲の中で両方の色を出すことにチャレンジできたので、やってみてよかったなって思います。最初は不安でしたけどね(笑)。

https://youtu.be/HNLhRHS3Zi8?si=qM_sZVlMMwzKjmRu

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