朝ドラや大河ドラマなどドラマだけでなく映画でも大活躍中の上白石萌音と高杉真宙がバディを組んだことでも話題のドラマ『法廷のドラゴン』。
第1話の見逃し配信再生数がテレ東のゴールデン帯のドラマ史上最速で100万回再生を突破するなど、テレ東のドラマとしては異例の広がりを見せている本作は、将棋×リーガルドラマという組み合わせも異例。
『季節のない街』や『闇バイト家族』などの濱谷晃一プロデューサーが、チェスの天才を描いたNetflixドラマ『クイーンズ・ギャンビット』に着想を得て企画し、戸田山雅司がオリジナル脚本で描いた本作の第1話~第5話について、ドラマ・映画とジャンルを横断して執筆するライター・藤原奈緒がレビューする。
※本記事にはドラマの内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。
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弁護士と依頼人の「次の一手」が交じり合うリーガルドラマ

ドラマ『法廷のドラゴン』(テレ東系)は実に良質なリーガルドラマだ。女性初のプロ棋士誕生を期待されながらも弁護士に転向した主人公・天童竜美(上白石萌音)が、存続の危機に瀕する弁護士事務所のお人よし所長・歩田虎太郎(高杉真宙)とともに、依頼人の笑顔のために奔走する。18年間、奨励会という「勝つことしか求められない世界」で生きてきた竜美は、第2の戦いの場を「自分のため」ではなく「誰かのために」戦う場所・法廷に変えた。第2の人生、いわば人生の「次の一手」と懸命に向き合う新米弁護士の奔走と、彼女が向き合う依頼人の人生の「次の一手」が絶妙に交じり合う本作は、なんとも素敵なリーガルドラマの新・王道になりそうである。