北村匠海主演の映画『しびれ』が、6月26日(金)より開催される第28回台北映画祭にて上映。あわせて、同映画祭にて内山拓也監督特集上映が開催される。
同特集は、世界で最も注目すべき映像作家に焦点を当て、その監督の作品群が上映される『Filmmakers in Focus』に内山拓也監督が選定され開催される。日本人が特集されるのは、濱口竜介監督、大林宣彦監督に続く選出となる。期間中は、9月25日(金)より日本で全国公開される最新作『しびれ』のほか、『ヴァニタス』『佐々木、イン、マイマイン』『若き見知らぬ者たち』の4本が上映される。
特集上映の決定にあたり、内山監督をはじめ、各作品で主演を務めてきた細川岳、藤原季節、磯村勇斗、北村匠海の4名からコメントが公開された。
細川岳
異国の地で自分の特集上映が組まれるとはどういう気持ちなのだろう。
内山とはたくさん一緒に映画を作ってきたし、それはこれからも続くと思う。
『しびれ』を初めて観た時、あまりにも良くてその場で感想を伝えた。
翌日の夜にまだ伝えきれてないような気がしてまた電話。感想を浴びせると彼は笑っていた。
真摯に映画に向き合っている姿を側で見てきたから、これは偶然ではないのだと僕は知っている。
おめでとう。またいつかの立ち飲み屋でビール奢るよ。『ヴァニタス』 ©VANITAS
藤原季節
内山拓也の新作『しびれ』がとにかく傑作で、鑑賞して数ヶ月経っても景色が頭から離れない。
『しびれ』は内山拓也の源流なのかもしれないが『佐々木、イン、マイマイン』を撮っていなければ『しびれ』を撮れることはなかったかもしれないと思うと誇らしい。
台北の皆さまには、ぜひ内山拓也の川を辿って源流まで辿り着いていただきたい。謝謝。『佐々木、イン、マイマイン』 ©「佐々木、イン、マイマイン」
磯村勇斗
内山拓也監督、台北映画祭での特集開催、おめでとうございます。
監督の作品を通して、彼の眼差しや作家性が台湾、そして海外の皆さまへ届いていくことを、僕自身とても嬉しく感じています。
『若き見知らぬ者たち』も上映されるとのことで、現地の皆さまがどのように作品を受け取ってくださるのか、今からとても楽しみです。
キャスト、スタッフ、そして作品に関わる人たちから深く愛される内山監督の魅力が、この特集を通してさらに広がっていくことを願っています。『若き見知らぬ者たち』 ©2024 The Young Strangers Film Partners
北村匠海
『内山拓也』という監督は、映画に愛されています。
そして映画を通して世の中を見ているのです。
現在から未来へ残せる映像を追い求めているのです。
僕ら役者は彼のシナリオの中で共に生きて共に悩んで共に笑い共に泣く。
その日々がたまらなく愛しいのです。
そんな時間が何よりも映画でした。『しびれ』 ©2025「しびれ」製作委員会
内山拓也監督
世界各国の多様な映画を紹介しながら、アジア映画の発展にも大きく寄与してきた台北映画祭にて、特集上映を開催していただけることを、大変光栄に思っています。
自主制作の『ヴァニタス』から、劇場デビュー作の『佐々木、イン、マイマイン』、商業デビュー作の『若き見知らぬ者ち』、そして最新作『しびれ』に至るまで、これまでの長編作品をすべて振り返っていただけることは、映画監督として、本当に名誉ある出来事です。
台北映画祭は長年にわたり、世界的な巨匠から新しい才能まで、数多くの映画作家を紹介し、国や地域を越えて、多角的な視点から映画文化を発信し続けてきました。そのような映画祭が、自分の作品の中に映画作家としての輪郭や、創作における表現への視点や執着などを見出してくださったことを、とても嬉しく感じています。
映画づくりを始めた頃から自分は、感情や人と人との距離感のようなものを、映画という形でどう掬い上げ、可視化できるかを考え続けてきました。
その中で、自分の拠り所になってきたのは、強い物語や技巧というより、「生の強度」に触れた記憶です。衝動として立ち上がる一瞬、時間の中で持続していく感覚、そして言葉にならないけど残り続けるものを、これからも追い求めていきたいです。
そんな自分の映画づくりを共にしてくれた、すべてのスタッフ・キャストに感謝しています。そして、これから暗闇の映画館で作品に触れてくれる、まだ見ぬ友人たちへ。本当にありがとうございます。
まだまだ道半ばではありますが、これからも一本一本、誠実に映画と向き合っていきたいと思います。
台北映画祭 ※特定の個人からではなく、映画祭全体からのコメントとなります。
初めて内山拓也監督の『しびれ』を観たとき、私たちは一瞬にして、彼の緻密な画面設計と、その映像表現に宿る言葉にできないほど繊細なテクスチャーに惹きつけられました。この出会いをきっかけに、私たちは内山拓也という映画作家のこれまでの軌跡を、より深く辿ることにしました。
世界各国の新たな才能を紹介してきた私たちは、内山監督の 4 本の長編作品に、確固たる創作意志とビジョン、そして極めて私的な経験や感覚への深い眼差しを見出しました。
それらの作品は、内山監督の代えがたい作家性を確立すると同時に、現代を生きる若者たちの孤独、不安、葛藤を、豊かな映画的表現によって浮かび上がらせています。大規模かつ商業性の強い映像作品が産業の中心となる現代において、内山監督は芸術的な洗練と、観客との感情の接続を高い次元で両立させている、稀有な才能です。
私たちは、内山拓也という映画作家が、今後、日本映画の現在地を語るうえで欠かせない存在になっていくと確信しています。
映画『しびれ』

9月25日(金)
TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国公開
監督・原案・脚本:内山拓也
出演:北村匠海 宮沢りえ
榎本 司 加藤庵次 穐本陽月
奥野瑛太 赤堀雅秋 赤間麻里子 / 永瀬正敏
企画・制作:カラーバード
製作幹事・制作プロダクション:RIKIプロジェクト
配給:NAKACHIKA
<ストーリー>
日本海沿いの町に暮らす少年、大地は、幼少期に暴君のようだった父の影響から言葉を発しない。今は母の亜樹と暮らしているが、夜の仕事で生計を立てざるを得ない亜樹はほとんど家に帰らず、生活は苦しい。やがて亜樹と共に叔母の家に身を寄せるが、どこにも居場所はなく、ひとりで過ごしては内気になっていった。大地は父の行方を求めて生家を訪ねることを決意。これを境に、彼の運命は大きく揺らいでいくーーー。心のよるべなき貧困、誰にも見つからぬように生きる孤独の中のささやかな救い、母への複雑な感情。流されるままに生きているようで、歩みを止めない大地。そんな彼がかすかな光を手繰り寄せ、息をのむような大きな愛を知るまでの20年間が、少年の姿を追い続け、リアリズムに根ざした視点で綴られていく。




