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ドラマ『団地のふたり』が描く「喪失と共に生きること」

2026.9.8

#MOVIE

©NHK
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美味しそうなごはんと日常の機微を感じさせるひとひねり

野枝(小泉今日子)と奈津子(小林聡美)が食べるごはんは美味しそう©NHK
野枝(小泉今日子)と奈津子(小林聡美)が食べるごはんは美味しそう©NHK

大学の非常勤講師をしている野枝はバスに乗って往復4時間かけて大学に行く。帰りは「ほとんど毎日」奈津子の家に行き、奈津子の作った晩ごはんを食べる。この晩ごはんがたまらなく美味しそうだ。フリーのイラストレーターである奈津子の得意料理は、団地を離れ一人暮らしをしていた時代に、自由業仲間に喜ばれていた「坊さんめし」である。土鍋ごはんに、取り寄せた野菜の美味しさをそのまま活かした野菜焼きと手軽に作った野菜炒めを添える。フリマアプリの収入でお財布が潤った時は、ちょっと贅沢なお取り寄せグルメを満喫したり、暑い日はかき氷機を買って特製抹茶シロップとあんこで絶品宇治金時を作ってみたりする。

最近では、団地ドラマ『しあわせは食べて寝て待て』や平屋ドラマ『ひらやすみ』においても、主人公たちが作って食べるごはんの数々が、単に美味しそうなだけでなく、自分でも実践できそうな身近な食材と調理法でできていることに心が沸き立ったが、本作ではもうひとひねり加えられている。それは、各回の終わりに映される奈津子手描きの「今週のお買い物」と「今週の売上」。「家庭用かき氷機1,150円」や「<まつ>のホットケーキ 割引券使用」、「やえしろのフルーツサンド ノエチのおごり」など、単に奈津子の暮らしぶりを可視化する家計簿としての役割を持つだけでなく、割引券がもたらした小さな喜びや、疲れた日に「マーフィーの法則」を打ち破った野枝の差し入れがもたらした多幸感の実感が滲む。そこからは日常の機微を感じさせ、しみじみと共感せずにはいられなくなる。

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