9月25日(金)に公開される映画『undo 4Kリマスター』と『PiCNiC 4Kリマスター』より、岩井俊二監督のオフィシャルインタビューとグッズ情報が解禁された。
『undo』と『PiCNiC』は、それぞれ1994年と1996年に初公開された岩井監督の初期を代表する異色作。9月4日(金)から公開中の『スワロウテイル 4Kリマスター』に続き、岩井監督による完全監修のもと4Kリマスター版としてスクリーンで上映される。
解禁されたグッズは、公開日の9月25日(金)午前9時より公式ECサイト「円都市場」と「ムビきゃん」にて販売スタート。各作品のデザインを施したTシャツや2WAYトートバッグ、ポストカード3枚セット、ポスターなど計10アイテムが用意されている。また、これらのグッズは一部を除く上映劇場でも販売予定。

さらに両作の上映劇場では、2作品を1冊にまとめた両A面仕様のパンフレットも発売。同パンフレットは92ページにおよび、岩井監督の新録インタビューや台本が収録されている。なお、『undo』は1994年の公開時にパンフレットが発売されておらず、今回が初のパンフレット化となった。
あわせて公開された岩井監督へのオフィシャルインタビューでは、企画が立ち上がった経緯や撮影時のエピソードなど、知られざる逸話が語られている。
岩井俊二 インタビュー
■『undo』 インタビュー
Q、そもそも『undo』という異色の企画が立ち上がった経緯はどんなものだったのですか。
93年にテレビドラマの『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』が評判になって、94年からは映画の撮影に入ることになるのですが、撮影順は『undo』『PiCNiC』『Love Letter』の順番なんですね。その『undo』が出来たきっかけは主演の山口智子さんからの依頼で雑誌「ザ・テレビジョン」で対談したことでした。何やらユニークなテレビドラマを撮る監督がいると豊川悦司さんから聞きつけたらしくて、「気になる人物と対談する」テーマの対談に僕が指名されたんです。豊川さんとはその年の年始に放映された『世にも奇妙な物語』の一篇『ルナティック・ラヴ』で仕事をしていました。山口さんとは対談の後、「何か仕事が出来るといいですね」と言って別れたんですが、ちょうどその後雑誌の「BRUTUS」から見開き二ページを使って官能的でフェティシズム的な世界観を表現してほしいという依頼があった。そういう縛りだったので、特に自分はSM的なものに関心はなかったんですが、たとえば緊縛かなと思ったんですね。別のページでは久世光彦さんが「瓶詰め」みたいなことをやっていました。それを山口智子さんにオファーしたら面白がってくれて、泥だらけになった山口さんを縛って撮影しました。カメラはサザンオールスターズやMr.Childrenのジャケ写を撮っていた野村浩司さんで、この後『undo』『PiCNiC』のスチールも担当してくれました。
Q、そのグラビアページがどうやって映画化に結びついたのですか。
その見開きにはモエミ(萌実)という女性をめぐるショートストーリーを書いていたんですが、掲載後に山口智子さん、豊川悦司さんと一緒に三軒茶屋の「赤鬼」という店で飲んでたら、「あれを映像にしたら面白いよね」という話で盛り上がったんです。それでフジテレビに相談してみたら、ちょうどビデオ部がテレビでは流せないソフトアダルト的なオリジナルビデオを出そうとしていた。そこで『undo』のほかさらに二本の作品を創ってオムニバスの『アンテナ』という総タイトルの二時間くらいのパッケージにして売り出そうということになった。ただ制作会社から予算が足りないと言われたので、三本めに考えていた『夏の円盤』という子どもたちが墜落した円盤を発見する話を諦めて、『undo』と『PiCNiC』でやろうということになったんです。それが結局話が進むうちに二本独立した作品として仕上げようという方針に変わっていった。
Q、そんな『undo』はどんな場所でどのくらいの期間で撮影されたのでしょう。
メインセットは東宝ビルト(2008年に閉鎖)。実景もその周辺ですね。山口さんと豊川さんがキスするところに子どもたちが押し寄せるシーンも成城の坂道。『undo』『PiCNiC』ともに16mm作品ですが、『undo』の撮影期間は6日ぐらいだったかな。もう皆さん寝る時間もないくらいのハードスケジュールで気の毒でした。それに撮影所が大きな送風機も入れているのに全く冷房がきかなくて大変でした。この暑い7月に『undo』、続けて8月に『PiCNiC』を撮った。『PiCNiC』の撮影期間は『undo』の倍の二週間ぐらいでしたが、よくもまあこのハードスケジュールで撮影していたものだと思います。
■『PiCNiC』 インタビュー
Q、『PiCNiC』は特異な作品だけにマニアックなファンがいるのではないですか。
確かにマニアックなファンは多いかもしれません。Charaの効果なのか?そこはわかりませんが、岩井作品のなかで一番好きという声も案外聞きます。
Q、『PiCNiC』の企画はどういう形で始まったのですか。
ある時あまりにも鮮烈な、ストーリーのある夢を見てしまって、すぐメモをとっておいたんです。それを『オニヒトデのクッキーとヘビイチゴのパン』という企画にして、『FRIED DRAGON FISH』のプロデューサーだったフジテレビの小川晋一さんに見てもらったのですが、「これはちょっと無理だなあ」と(笑)。海幸彦と山幸彦という男子が娼婦の豊玉姫を好きになって、彼女をさらって来て一緒に暮らし出す。やがて女の子は重い病気になって、男子二人は手に負えなくなって彼女を娼館の前に棄てる。後で気になって見に行くと、彼女は虫の息で、そこへ押しかけてきた村人たちによって男子二人は殺される。海幸彦、山幸彦が姫を殺してしまう、という背徳的なお話で、最初『神々の誤算』というタイトルをつけたんですが、『PiCNiC』はこの設定だけ活かしたんですね。ちなみにこの夢の話は、今撮っている映画で学生の自主映画というかたちでちょっと出て来る予定です(笑)。
Q、塀の上を歩くというアイディアもその夢の物語にあったのですか。
さすがにそれはなくて男女3人がセットというところだけ活かしたんです。彼らが精神病院に閉じ込められている、という設定から塀の上を逃れるということを思いついた。塀の上のロード・ムービーって面白いんじゃないかと。
Q、Charaさんは『PiCNiC』撮影の時点ですでに『スワロウテイル』の主演候補だったんですか。
そうなんです。『スワロウテイル』は93年の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の後に小説として出来ていて、その時すでに三上博史さんとCharaには会っているんです。そのまま『スワロウテイル』にとりかかろうとしたら『Love Letter』を先に撮ることになったんですが、『PiCNiC』はCharaに合いそうだし、予行演習になるかもしれないと思って出てもらったんです。これはやってもらって本当によかったという感じですね。何しろココという役にいきなりハマっていましたからね。一方のツムジ役の浅野(忠信)くんは『FRIED DRAGON FISH』からの流れです。
『undo』『PiCNiC』グッズ情報


【円都市場】
★2026年9月25日(金)AM9:00発売
・undo Tシャツ(F):9,900円(税込)
・PiCNiC Tシャツ(F):9,900円(税込)


【ムビきゃん】
★2026年9月25日(金)AM9:00発売(商品お届けは10月上旬~)、公開劇場販売予定(劇場により異なる)
・Tシャツ(映画『undo 4Kリマスター』):男女兼用Lサイズ:4,000円(税込)
・2WAY トートバッグ(映画『undo 4Kリマスター』):4,000円(税込)
・ポストカード3枚セット(映画『undo 4Kリマスター』):1,500円(税込)
・ポスター(映画『undo 4Kリマスター』):1,500円(税込)
・Tシャツ(映画『PiCNiC 4Kリマスター』):男女兼用Lサイズ:4,000円(税込)
・2WAY トートバッグ(映画『PiCNiC 4Kリマスター』):4,000円(税込)
・ポストカード3枚セット(映画『PiCNiC 4Kリマスター』):1,500円(税込)
・ポスター(映画『PiCNiC 4Kリマスター』):1,500円(税込)


<『undo』『PiCNiC』パンフレット情報>
『undo+PiCNiC 4Kリマスター』劇場用プログラム
92p(表紙込)
価格:2400円(税込)
サイズ:A5
※『PiCNiC』パートは1996年発行のプログラムをもとに、内容を一部改訂・再編成しています。
『undo + PiCNiC 4K リマスター』

9月25日(金)より TOHO シネマズ日比谷他 全国公開 (※2本立て上映)
『undo 4Kリマスター』
アトリエのような住まいで暮らす萌実(山口智子)と由起夫(豊川悦司)。
ある時、萌実は身の回りの物をヒモで縛りつけるという不可解な行動をとるようになる。ペットの亀を縛り、編み物をする自らの手を縛る萌実を危惧し、萌実を精神科医(田口トモロヲ)のもとへ連れて行く由起夫。診察を受けたところ“強迫性緊縛症候群”の診断を下された。症状は進行し、萌実はついに目に見えないものまで縛り始めるのだった。
脚本・監督:岩井俊二
撮影:篠田昇
美術:細石照美
音楽:REMEDIOS
出演:山口智子、豊川悦司
1994年 / 日本 / カラー / 47分
©FUJI TELEVISION/PONY CANYON
『PiCNiC 4Kリマスター』
どんよりとした街にたたずむ精神病院で出会ったココとツムジとサトル。
施設を取り囲む塀の外に出ることを禁じられていた三人だったが、「塀の外に出なきゃいいんでしょ。塀の上なら、いいのよ」というココの提案に、塀の上をつたい街中へと歩き始めるのだった。
地球の最後を見届けるために―。
脚本・監督:岩井俊二
撮影:篠田昇
照明:隅田浩行
美術:細石照美
音楽:REMEDIOS
出演:Chara、浅野忠信、橋爪浩一
1996年 / 日本 / カラー / 72分
©FUJI TELEVISION/PONY CANYON
