今回の来日は、ブランシェットがグローバルブランドアンバサダーを務めるユニクロが創設パートナーとして支援する「ディスプレイスメント・フィルム・ファンド」(Displacement Film Fund / DFF)によって制作された5本の短編映画の日本初上映に合わせたもの。同ファンドは、ブランシェットが『ロッテルダム国際映画祭』の「ヒューバート・バルス基金」と共同で創設し、避難を余儀なくされた映画制作者や避難民としての経験を描く制作者の活動を支援している。『東京国際映画祭』は同基金の「映画の力で難民の声を世界へ」という趣旨に賛同し、上映を通じて難民問題への理解と関心を深めるきっかけを創出するという。
『ウィスパーズ・オブ・ア・バーニング・セント/残り香のささやき』 (原題:Whispers of a Burning Scent)(28分 / ソマリア、オーストリア、ドイツ) 監督:モ・ハラウェ 裁判で重要な審理が行われるその日、結婚式での大切な演奏を控えた寡黙な男は、自身の私生活が衆目にさらされる事態に陥ります。結婚生活を利用していると非難された彼は、裁きや忠誠心、そして胸の奥に秘めた罪悪感の重さを抱えながら、法廷と街、そしてステージのあいだを行き来します。本作は、慎ましくも一度下せば後戻りのできない選択を迫られた男の内面に深く分け入り、献身と尊厳、そして喪失の狭間で揺れ動く、つかみどころのないその本心を見つめます。