東京国際映画祭が、長年の国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい人々へ贈る「特別功労賞」をチャン・イーモウに授与すると発表した。
チャン・イーモウは、1982年に北京電影学院卒業後、1987年に『紅いコーリャン』で監督デビュー。中国映画界の第5世代を代表する監督として、幅広いジャンルの作品を生み出し、1992年には『秋菊の物語』、1994年には『活きる』、1999年には『あの子を探して』などで、国際的な映画賞を受賞している。2023年1月に中国で公開された『満江紅(マンジャンホン)』は45億元(日本円で約約930億2500万円)の大ヒットを記録。 同作品は、今年の東京国際映画祭の「ガラ・セレクション部門」作品に選ばれている。
受賞に際し、チャン・イーモウからのコメントも到着した。
今回「特別功労賞」をいただき、とても光栄です。「映画」は世界各国の人々を結びつける懸け橋となり、民族や文化を超える交流と相互理解を促進することができます。 私には忘れられないことがあります。それは1990年に黒澤明監督がアカデミー名誉賞を受賞した時のことです。当時私はまだ駆け出しの映画監督として客席にいました。黒澤監督はそのスピーチの中で、「映画というものをまだしっかり掴んでいない」と話されました。この言葉は今でも記憶に刻まれています。この賞を贈ってくださった東京国際映画祭に感謝いたします。また、皆さんからの励ましや応援に感謝申し上げます。これをひとつの起点と考え、今後も映画の本質を理解して、素晴らしい映画を撮る努力を続けてまいります。
チャン・イーモウ
第36回東京国際映画祭は10月23日(月)から11月1日(水)まで日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区で開催。特別功労賞の授賞式は初日のオープニングセレモニーにて行われる。また、会期中には国際交流基金と共催の「交流ラウンジ」でチャン・イーモウを招いたトークセッションも予定されている。