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安部勇磨が振り返る自身初のアメリカツアー。バカなことに挑戦し続ける理由

2024.5.1

#MUSIC

アメリカの空気に触れて感じた「ロックンローラー」という偶像

ー演者としてアメリカの空気や音楽文化に触れて感じたことは他にもありますか?

安部:アメリカのアーティストに対して、ルーズでかっこいい「ロックンローラー」なイメージを持っているなら、鵜呑みにすべきではないです。初めての海外ツアーを終えたばかりですが、彼らは上手く見せてるだけで、実はものすごく考えてビジネスしてる。

これから海外に出ようとしているバンドマンは、何に執着して、どんなビジョンを持ってやっていくか常に考えた方がいい。一概には言えないですが、スタッフをはじめいろんな人と一緒に考えないと、どこかで頭打ちになってモチベーションがなくなってしまう。海外ツアーはめちゃくちゃお金がかかるので、現実的なところはバンドマンと言えど考えないといけない。日本には給料制という優しい仕組みもある代わりに、気づいたら自分で行動することが難しい状況になっているのも否定できない。自分で決めることが少ないから、選択することをバカにする人もいる。「そんなことやんなくていいじゃん」とか横槍も入ってくる。お金とか採算も当然大事だけど、自分がやりたいことにはバカになって一度採算とか度外視するくらいの行動力も必要なんです。バカと真面目を都合よく使った方がいい。

アメリカツアーの4公演目、ミシシッピの会場Mississippi Studiosにて。後段左から巽 啓伍、嘉本康平、下中洋介、安部、岡田拓郎
Photo by Asami Nobuoka

ー自身でレーベルをやられている経験がそういった気づきにも繋がったのではと思います。

安部:国内のシーンは売れるものが決まっているような気がします。どこの国にもそういうものはありますよね。そういったものの良さもあるけど、なんだか自分はそれになれる気がしなくて。どうやっても僕には作れない。だから絶対に地道に海外でライブをしていかないといけないと思うんです。リスナーが増えないとサブスクの良さも享受できないし、国内でCDだけを売って生活することはもはや不可能。簡単な話ではないけど、一つの選択肢として、海外でのライブ活動は当たり前な時代になってきてると思います。

ーバンド / ソロを問わず国内でのライブはファンが多く集まる「アットホーム」な空間ですが、今回のツアーはデビュー当時のように目の前のお客さんをイチから魅了する必要もあるライブだったのではと思います。今回のツアーで難しかったことや新鮮な経験だったことはありますか?

安部:初対面のお客さんを相手にライブをするのはすごく嬉しかったです。ネバヤンを知ってくれてるありがたさももちろんあるんですけど、それには無い緊張感もあるので。僕のことを全然知らない人が音楽だけで評価してくれる緊張感にすごい興奮しました。評価への緊張感から生まれる自信も僕にとっては重要なんですよね。

アメリカツアー1公演目、サンディエゴの会場Soda Barにて
Photo by Asami Nobuoka

ー今回のツアーは、以前お話しされていた「欧米の模倣だけではグローバルシーンでは目立てない。日本のアーティストとしてのアイデンティティーを取り入れることが強みになる」という仮説を実証する場でもあったと思います。収穫や改善点はありましたか?

安部:曲のクオリティが高ければ歌う言語は関係ないことを再確認できました。アメリカのオーディエンスは単純にいいものを求めてる。今回で完全に通用したとは思ってないですが、自分次第だと感じました。

反省は演奏向きではない曲が多かったこと。『Fantasia』はミドルテンポ中心のアルバムなので、日本でやってもきっと間延びしてしまう。でもこのアルバムがあったからこその気づきであって、今後もっとライブを楽しむためにも、次は違うアルバムを作ってアメリカにもファンを増やせるような作品を作っていきたいです。

ー日本以外を「海外」と一括りにしてしまいがちですが、実際にはロサンゼルスもシカゴも全く異なる街だと思います。ツアー前後で、海外のオーディエンスに対する印象の変化はありましたか?

安部:どこのライブハウスも個性的で面白かったですが、特にロサンゼルスやニューヨークのお客さんの盛り上がりはすごかったです。都市の方が文化的な土壌があって音楽が近いのは日本と似てるのかなと思いました。西海岸の方はおおらかで、聴こえてくる音楽もインディっぽくて下北沢のBasement BarとかThreeみたいな雰囲気と言えるかもしれない。

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