うさぎの喘ギの舞台『なみだ、となり』が12月25日(金)から27日(日)までロームシアター京都 ノースホールにて上演される。
うさぎの喘ギは、泉宗良が主宰し関西を拠点に活動する劇団。2017年に旗揚げし、「現代人の実感の喪失」をテーマに、実験的、前衛的でありながら、どこかノスタルジックな作品の創作、発表を行っている。代表作『いみいみ』で第23回AAF戯曲賞大賞を受賞後、初の新作公演となる。
同作は、ロームシアター京都×京都芸術センターU35創造支援プログラム“KIPPU”の一環として制作された。作家自身の祖父が植物状態を経て亡くなった経験を出発点に、他者への無関心が広がる現代社会が問い直される。舞台上で睡眠を行うレクチャーパフォーマンス『睡眠のパフォーマンス(実演)』の創作経験を生かし、舞台上で祖父のことを考えながら眠りにつく主人公の姿が、病床の祖父と重なっていくという演出に挑戦する。
また、メタファー(隠喩)とメトニミー(換喩)の違いにも着目。メタファーを支える類似性と、メトニミーを支える隣接性には、それぞれ異なる分断を乗り越える力があると同時に、分断を生み出してしまう力もあると考え、その両方を意識的に用いることで、観客が分断を再び「私たちの課題」として捉え直す契機を生み、他者への実感を取り戻す新たな対話を拓くことが目指される。
チケットは9月20日(日)から先行発売、9月27日(日)から一般発売される。
作・演出 泉宗良 コメント
私が中学生の時に祖父は3ヶ月の植物状態を経て亡くなりました。表紙の絵は、当時中学生だった私が美術の課題で描いたものです。うさぎの喘ギはこれまで、「現代人の実感の喪失」をテーマに創作を行ってきました。『実感の喪失』とは、分かりやすくいえば、リアリティのなさとそれに伴う感情の動かなさだと思います。今回、そもそも、私にそのような感覚が生まれた瞬間はいつだっただろうかということを考えた時、自然に祖父のことを思い出しました。本作では、うさぎの喘ギが描いてきた、震災、戦争といった大きな出来事とは対極の、最もミニマルで個人的な『実感の喪失』を描きます。それが分断の激化するこの世界で、『他者への実感』を取り戻すヒントになることを期待して。
ロームシアター京都×京都芸術センター U35 創造支援プログラム “KIPPU” うさぎの喘ギ『なみだ、となり』

日程
2026年12月25日(金)~27日(日)
12月25日(金) 19:30
12月26日(土) 13:00★/17:00
12月27日(日) 13:00/16:30
※受付開始は開演40分前、開場は開演30分前を予定。日時指定、全自由席。
★アフタートーク実施。未就学児のご来場はご遠慮ください。
会場
ロームシアター京都 ノースホール
〒606-8342 京都市左京区岡崎最勝寺町13
作・演出:泉宗良
出演:黒木陽子、蛭田絵里香、保井岳太、吉田凪詐
演出助手:渡辺嵩宗
舞台監督:村田瞳子
照明:魚森理恵
音響:佐藤武紀
宣伝美術:泉宗良
当日運営:渡邉裕史
制作:阪田愛子
料金
一般(前売)3,500円/学生(前売)2,500円(要証明)
当日券は各+500円。全席自由。
チケット 発売日程
先行発売:2026年9月20日(日) ※京都コンサートホール・ロームシアター京都Club、京響友の会、サポーター・パートナー会員対象/料金:一般前売3,150円(学生は通常価格)
一般発売:2026年9月27日(日)
チケット 取扱窓口
CoRich舞台芸術!(当日精算のみ)
ロームシアター京都チケットカウンター(TEL 075-746-3201)
京都コンサートホールチケットカウンター(TEL 075-711-3231)
ロームシアター京都オンラインチケット(24時間購入可・要事前登録)
英語オンラインチケット
主催
うさぎの喘ギ
共催
ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)、京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)、京都市
協力
劇団衛星、ユニット美人、白いタンポポ、ペイント・タレント、青少年の煮干し、合同会社nochi、ソノノチ
あらすじ
植物状態になった祖父。僕は祖父のことを考えながら、毎晩眠りにつく。そして月日は流れ、祖父が亡くなる。お葬式で僕は泣くことが出来なかった。涙が、流れない。目の端に留まって、ずっと。帰宅してベッドに横になったとき、祖父の身体の形を思い出す。植物状態の祖父の目の端に水滴が浮かんでいた。医者は生理的な反射だという。僕は、祖父だから、家族だから、血縁だからといった理由とは違う何かで、祖父と繋がろうと考え始める。