メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

『新宿歌舞伎町春画展WA』へ。ホストに春画を解説してもらったら最高に元気が出た

2026.11.4

『歌川国貞・歌川国芳 ー新宿歌舞伎町春画展WA』

#PR #ART

浮世絵木版画の最高峰といわれる国貞「三源氏」。1mmに3本を彫り分ける職人の執念

肝心要の作品も、とても見応えがある。本展の監修者は、古美術商であり世界有数の春画コレクターである浦上満。展示されている作品の数々は、どれも滅多にお目にかかれない貴重なものばかりだそうで、重厚なオーラが漂いまくりだ。中でも歌川国貞が手がけた『艶紫娯拾余帖』『花鳥余情 吾妻源氏』『正写 相生源氏』から成る通称「三源氏」は本展のハイライトのひとつといえるだろう。

歌川国貞 色摺大本『艶紫娯拾余帖』月 / 天保6年頃(1835年) / 浦上蒼穹堂蔵
歌川国貞 色摺大本『花鳥余情 吾妻源氏』天 / 天保8年(1837年) / 浦上蒼穹堂蔵
歌川国貞 色摺大本『正写相生源氏』天 / 嘉永4年(1851年)頃 / 浦上蒼穹堂蔵

恋愛文学の大クラシック『源氏物語』の舞台を室町時代に置き換えて翻案し、江戸に一大源氏ブームを巻き起こしたベストセラー『偐紫田舎源氏』(本文:柳亭種彦 / 挿絵:歌川国貞)を下敷きにして制作された3部作であるが、つまりこれは孫サンプリング、サンプリングのサンプリングだ。音楽にたとえるなら、ザ・フォーク・クルセダーズの“悲しくてやりきれない”を矢野顕子がカバーし、さらにLIBROがそれをサンプリングして“対話”を制作したのに近いだろうか。こうした連鎖的なサンプリングによる制作が、江戸時代から既に存在していたというのは大変オモシロイ。

浮世絵木版画の最高峰とも称される本作は、当時の版画職人の匠っぷりがヒシヒシとつたわる大変強烈なものだ。1mmに3本の極細線を彫り分ける「毛彫り」や、版木に絵の具をつけず紙に凹凸をつける「空摺(からずり)」、光沢を出して文様や質感を浮かび上がらせる「艶摺(つやずり)」など、アンダーグラウンドシーンで極められた木版技術の粋たるや、感嘆を遥かに通り越して気が遠くなるほどである。「この時代にもうこんな色あったんだ」と驚くようなビビッドな色彩も素晴らしいし、陰毛の先端の縮れ具合までリアルに再現しているところなどはなんかもう観ていて変な汗が出てくる。

春画というと火消しの若いイケメンと美しい花魁がまぐわうみたいなイメージがあったが、滑稽な男と美女の取り合わせがあったり、動物と人が絡んだり、『源氏物語』のパロディがあったり、マンガ的な誇張表現があったり、その切り口は実に多種多様だ。春画というのは基本的に一枚絵でなく、艶本とよばれる多色刷り木版を活用した冊子、つまり現代でいうところの週刊漫画雑誌のような感じだったらしいのだが、昔のジャンプやマガジンが希少であるように、これほど状態の良いものが一堂に会するというのはとてもめずらしいそうだ。

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS