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暁美ほむら担当声優が語る『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』

2026.9.10

#MOVIE

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』より ©Magica Quartet/Aniplex,Madoka Project

なぜ、暁美ほむらは「悪魔」となってまで、鹿目まどかを「取り戻したい」と願うのか

―TVシリーズから斎藤さん自身は年齢や経験を重ねてきた一方、ほむらは思春期の少女のままです。現在は、どのようにしてその感覚へ近づけているのでしょうか?

斎藤:最初にほむらを演じたとき、私はまだ20代で、まどか役の碧ちゃんは10代でした。碧ちゃんのまどかには、10代が持つ潔癖さのようなものが乗っていて、「そうだよね、この年代はこういう感じだよね」と思いながら演じていました。いま、娘がちょうど思春期に差しかかるくらいの年齢になってきたので娘を参考にしたということではないのですが、見ていると「そうか、このくらいまっすぐなんだ」と改めて感じます。

暁美ほむら / 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語』(2012年)より ©Magica Quartet/Aniplex,Madoka Project

斎藤:私は年齢とともに、世界をもう少し俯瞰して見られるようになりました。でも思春期の頃は、自分に見えている範囲がすごく狭い。その狭さは、大人からすると苦しく見える一方で、羨ましくもあるし、とてもきらきらして見えます。

だから、ほむらを演じるときは、意識して視野を狭くします。彼女には、まどかしか見えていない。すごく悪魔的に振る舞っているようでも、実はそれほど広く世界を見ているわけではないから、すぐに不意を突かれることもある。そこも彼女の魅力だと思います。

―大人であれば、自分で環境を変えたり、諦めたりすることもできます。でも子どもにとっては、与えられた環境が世界のすべてでもありますよね。

斎藤:そうなんです。大人は、自分で選んだ場所だと思えば、その責任を背負うこともできるし、別の場所へ逃げることもできる。でも子どもは与えられた世界のなかで、もがきます。「ここが世界のすべて」だと思っているから、どうにかそこから抜け出そうとする。

苦しそうだと感じることもあります。でも同時に、大人が見守っている範囲でのもがきだから、ある意味では安全でもあるんですよね。それは、『叛逆の物語』でほむらがまどかを閉じ込めた世界の構図にも、少し近いのかもしれません。

暁美ほむら / 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』より ©Magica Quartet/Aniplex,Madoka Project

―斎藤さん自身は、年齢を重ねて世界を俯瞰できるようになったとおっしゃる一方で、ほむらを演じるときには、意識して視野を狭くする。そのほむらが『叛逆の物語』で「愛」と呼んだ感情を、斎藤さんはどのように捉えていますか?

斎藤:執着が一番大きいのかなと思います。ほむらにとっては、「まどかとの約束」「まどかへの執着」という言葉が、一番近いのではないでしょうか。まどかが、ほむらの生きる意味になっている。最初に自分を見つけ、頼ってくれたまどかを救うことが、ほむらの原動力です。それは、ある種の執着ですよね。

―その一方で、ほむらの「まどかを取り戻したい」という願いは、まどか本人の願いとすれ違っているようにも見えます。ほむらの愛には、相手を思う気持ちだけでなく、支配的な面も含まれているのでしょうか?

斎藤:それが「執着」という言葉に表れているんだと思います。まどかは、それを望んでいないようにも見える。でもほむらは、「まどかの幸せのため」という地点にいる。それをやめたら、ほむらは生きていけなくなってしまうんじゃないでしょうか。まどかが自分を頼ってくれたことが、彼女にとってものすごく大きかった。だから、まどかとの約束を破れないのだと思います。

鹿目まどか / 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』より ©Magica Quartet/Aniplex,Madoka Project

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