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雅楽の面白さを石田多朗と三船雅也が解説。認知を変えれば見える「霧」の音楽

2026.5.7

#MUSIC

2026年5月、東京・高輪ゲートウェイシティの文化施設「MoN Takanawa: The Museum of Nattatives」にて新たな音楽フェスティバル『開門音楽祭 KAIMoN Music Festival –Open the MoN–』(企画協力:J-WAVE 81.3FM)が開催される。羊文学、UA、STUTSらが出演し、「現代音楽と日本の伝統芸能・身体表現の交差」をテーマに掲げる本祭。その最終日となる5月22日(金)に共演を果たすのが、ROTH BART BARONと石田多朗だ。

昨年11月に9作目のアルバム『LOST AND FOUND』を発表し、スケールの大きな音楽世界で話題を呼んだ三船雅也。そして、ドラマ『SHOGUN 将軍』の音楽で国際的な評価を獲得し、近年は「雅楽」をテーマとした作品づくりに意欲的に取り組む石田多朗。

今回が初共演となる両者は、「日本の伝統」という一見重すぎる看板にいかに向き合うのか。リハーサル真っ只中の2人に、その奥深い音楽論を聞いた。

「1300年前から日本にあった音楽を“エスニック”と言っている俺は何なんだろう?」(石田)

―お2人が初めて会ったのはいつぐらいですか?

石田:実際お会いしたのは今回のセッションが初めてなんですよ。それが2か月ぐらい前。

三船:その前に僕は雅楽とクラシックを融合した石田さんのライブを観てるんですよ。Floating Pointsのサム・シェパードとBonoboのサイモン・グリーンがちょうど日本にいて、彼らから「今夜、多朗のライブに行くんだけど、一緒に行く?」と誘ってもらったんです。そのライブが素晴らしくて。サムたちも「やばかったね」と言ってました。

―石田さんは三船さんの音楽についてどのように認識されていたのでしょうか。

石田:お名前はもちろん知っていたんですけど、自分自身、日常的にあまり音楽を聴かないんですよ。特に日本のポップスやロックはたまに聴くぐらいで。ROTH BART BARONも今回のお話をいただいてから初めてちゃんと聴いたというのが正直なところです。妻と聴いたんですが、「めっちゃいいじゃん!」「この人たちだったらすごくおもしろいことができそう」という動物的な直感がありましたね。

(左から)石田多朗、三船雅也(ROTH BART BARON)

―今回のコラボレーションはどのようにスタートしたのでしょうか。

三船:昨年、『開門音楽祭』のお話をいただいたんですけど、ナラティブ(物語性)や日本の伝統、現代につながる普遍性をテーマに掲げた音楽祭ということで、「僕らでしかできないことって何だろう?」と考えていたんですね。そのとき真っ先に浮かんだのが石田さんのことだったんですよ。

―石田さんが雅楽に本格的に取り組むようになったのは、2014年に東京藝術大学美術館陳列館で開催された『別品の祈り-法隆寺金堂壁画-』で雅楽の新曲を作ったことがきっかけだったそうですね。雅楽に対してはそれまでどのような意識を持っていたのでしょうか。

石田:おそらく多くの方が抱いているイメージに近くて、「お正月に神社で鳴っているもの」という感じですよね。あまりタッチしてはいけないものであり、自分のなかではガムラン(※)とかと同じエスニックミュージックみたいなゾーンに入っているものという認識でした。

自分が勉強してきたクラシックとか、よく聴くジャズやテクノとも全然ルールが違う音楽というか。ただ、内心では「1300年前から日本にあった音楽を“エスニック”と言ってる俺は何なんだろう?」とは思っていました。

※ガムラン:インドネシアのジャワ島やバリ島に伝わる伝統的な打楽器アンサンブル。青銅製の楽器を中心とし、祭礼や舞踊の伴奏に欠かせない音楽。

―日本人なのに、まるで異国のもののように聴こえていたということですよね。石田さん自身も自分がまさか雅楽に関わるとは考えてもいなかった?

石田:まったく考えていなかったです。偶然の連鎖でこうなったというのが正直なところですね。

『別品の祈り-法隆寺金堂壁画-』の展示空間と映像のために制作された楽曲

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