グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
5月1日は、映像ディレクターの、代田栄介(しろた えいすけ)さんが出演。MVやTVCMの他、漫画PVも手掛ける代田さんに、CMやMVを作るときに心がけていることや漫画PVならではのこだわり、「広告」について物申したいことなどを伺いました。
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『チェンソーマン』の漫画PVが世界的バズに
Celeina(MC):まずは簡単なプロフィールをご紹介させていただきます。多摩美術大学卒業後、CM制作会社勤務を経て2018年からフリーランスで活動をスタートされています。実写に限らずモーショングラフィックやアニメーションなどの映像技法を掛け合わせた表現をされていて、音楽の魅力を引き出す演出を得意とし、様々な企業のテレビCMの他、『チェンソーマン』『ワンピース』『HUNTER×HUNTER』などの漫画PV、さらにはKIRINJI、トクマルシューゴ、シャムキャッツ、王舟、優河、そして更に、タカノさんのFrascoのMVも担当されているとお伺いしております。
タカノ(MC):そうなんです。めちゃめちゃ仲いいんですよ、実は。
代田:マイメンですから。
タカノ:FrascoのMVを作ってくれて。「yorocine(ヨロシネ)」っていう週末クリエイターユニット……。
代田:元々は、そう。土日しか働かないっていうユニットでやって。
タカノ:もう1人、米ちゃん(アートディレクター・米村俊)っていう人がいるんですけれども、代ちゃんと米ちゃんで「yorocine」。で、Frascoの“Viewtiful”って曲のMVを作ってくれて。
Celeina:これ可愛かったです。コラージュみたいな、広告の写真みたいなのがたくさん出てくるような感覚というか。すごく惹きつけられました。
タカノ:センスの塊だから。もうセンスの鎌足だから。藤原鎌足みたいな(笑)。
Celeina:代田さん、現在、CMやMVを中心に活動されてはいると思うんですけど、「漫画PV」も多く作られてると。この漫画PVってどういったものなのか、お聞かせいただけますか。
代田:漫画PVは、厳密な定義があるわけではないんですけど、基本的に、漫画の単行本の販促用のPVです。原画を切り抜いて動かすっていうのが主流になっていて、僕自身は漫画PV職人というよりは、あくまで広告のディレクターとして、どうしたらその作品が読みたくなるかってことを第一に考えて作っているんですけど、需要があるみたいで、度々オーダーがあって、作ってますね。
タカノ:『チェンソーマン』の漫画PVとか、めちゃくちゃバズってて。南米の人もコメントしてたりしますよね。
代田:『チェンソーマン』9巻のPVなんですけど、海外からも人気があって、何語かわからない言語でYouTubeのコメント欄が埋まってたり。「ジャンプチャンネル」では1位をキープし続けているようです。
Celeina:音楽、BPMに合わせて映像が動いていく感じがあって、見てて引き込まれましたね。
代田:僕は、映像を始めるきっかけになったのが、The Chemical Brothersの“Star Guitar”のMVで、ミシェル・ゴンドリーというディレクターが作ってるんです。町並みを電車が通り過ぎていくのが、実は全部BPMに合ってるっていう映像なんですけど、それに憧れて映像を始めたっていうのが大きくて。とにかく音とリンクさせる、シンクロさせることに使命感を覚えてます(笑)。
タカノ:気持ち良いもんね。タイミングとか。
Celeina:BPMの話もそうですけど、それ以外にも映像を作るときに心がけていることとかってありますか?
代田:漫画PVに関しては、細かい動きをつけ過ぎないように心がけてます。まばたきさせたり、髪を揺らしたり、いくらでもクオリティは高く見せられるんですけど、あくまで漫画は漫画として完成されているし、アニメ化すると、もっと良いアニメーションがつくだろうなっていうのもあって、そこで無理にやってもしょうがないなって諦めを抱えていて。それで、原画を素材とした映像としてのベストを尽くすことに注力してます。
タカノ:なるほど。だから、ちょっと二次元感というか本当に漫画が動いてる感じがするのか。
代田:漫画ってすごいですよね。あんなものを1人で。ものすごい芸術だなと思って、尊敬してます。