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プロジェクト始動の経緯。着想は13年ほど前
今日は3rdソロアルバムという名のもと動き出した、この壮大な実験プロジェクトについて語って行こうと思います。
総勢13組、17アーティスト。各組3曲ずつ、計39曲を毎週配信リリースし続けて最後にアルバムにまとめてフィジカルでもリリースしてツアーをやり続け、1年間まるっと掛けて音楽、写真、映像、文章、対談とSHIN KOKAWAという表現活動全てを総動員して全力で表現し続けるという前代未聞の試みです。
このギネス記録並みの誰もやった事が無い量のコラボを行うという企画には2軸のテーマがありまして、高い身体値を獲得し、強いアートの本質を突き詰めたい実験的な部分と、SHIN KOKAWAというアーティストを世に広めていくための影響力を獲得し、その影響力で持続可能なアート活動や心地良いビジネスモデルを生み出すという装置としての部分。アートとビジネス両方を内包して動き出しました。
どちらかに振り切ってしまえば案外楽なものですが、この二点を両立するには相当な知識と行動と哲学が必要となりますし、アーティストにとって大きなジレンマでもあると思います。
どうやったらそこを突破出来るのかは、みんなが悩んでいるポイントだと思うので人生を賭けて挑戦する価値のある面白いテーマだと思います。強いアートと、心地よいビジネス。この2つを手に入れた時こそ気持ち良く大きな事ができるとわかっているなら目指さない手は無いなと。
解像度は今ほど高くありませんが、13年ほど前からずっとこの問題を考え続けてきました。
自分の武器を最大化し、自分に出来る一番大きな社会的な運動は何なのかと。その日もいつものように考え込んでいた時、長年の思考の蓄積からハッと無意識のひらめきが繋がって今回のアイデアが出てきました。
思いついた時にはこれだ! と、とても腑に落ちた感覚があり、数年に一度起きるこの腹落ちした時のアイデアの感触は、従ってみて今まで外したことが無かったのでついに降りてきた! と大歓喜した事をよく覚えています。

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今の時代にあえて「質より量」に真正面から取り組む意義
腹落ちした感覚を少し言語化してみますと、まず「身体値」という概念が最近のトピックであり、自分自身の限界突破的な成長の為の修行がしたいというのが大きなテーマの一つです。どんどん身体を使わない方向に進む世の中で、成長のために、身体に死ぬほどの負荷を掛けてみたいという事を考え、質より量に着目しました。もちろん負荷を欲しているので高い質は保ちながらの量となります。
「質より量」は一般的にはネガティブな印象を受ける言葉ですが、民藝などにおける表現は日々の圧倒的な量と時間をこなす事でしか辿り着けないアートの領域があると感じますし、ピカソや岡本太郎など多作で知られた巨匠も沢山いたり、自分自身もライブの数と濃度は成長と比例するなという体感があり、質の為には間違いなく量が大切だなと実感しています。
便利な時代だからこそ、あえて不器用に不便さを選び、量を取ることの意義は大きいだろうという確信があったので、とにかく「量をやる」はとてもしっくり来ました。
他にアイデアの基盤になったのは比叡山延暦寺の千日回峰行です。
調べていくうちに、ひたすら高い質の同じ修行の量に向き合い、身体の限界に達した時にしか得られない精神の開き方にとても興味が湧きました。
1日でも大変な修行を、とんでもない量をやる苦行を経て大阿闍梨になり、新たな人間としての超能力を得る。
このような苦行をなんとか出家はせずに、音楽やアートの活動の中でいかに獲得していくか、いかに死ぬ寸前まで行けるのか、これらを実行する為に今回の膨大なコラボアルバム制作をしたあと、膨大な国内ツアーと、ワールドソロツアーをバックパッカースタイルで決行したいなと思っています。
制作やツアーの過程で程よく死にかけられたら良いなと。死に近づかないと生の本質が見えないのではないかと良く考えますし、今こうして記事を書いている時も、やはり生ぬるく普通に生きられてしまってるなぁと思います。死にわざわざ近づきたいなんて言うのは人間だけが持つ贅沢な感情なのだろうなと思いつつ。アートを強くするためにどのように自分に負荷をかけてどのように成長するか。これがアート側の思いです。

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一生懸命に物事と向き合う。身体的な事が大切になる時代
もう一つのビジネスの視点では、いかに世の中から外れて、人が出来ない事をするのかというコンテンツは、シンプルだけどいつの時代も普遍的に強いと思うし、振り切れば振り切るほど面白いという構造であり、今回この運動自体が面白いコンテンツになり得るなと考えました。
見たことのない物が見たいというのは、人間の根源的な欲求として自分からも強く感じるところであり、小手先のアイデアや便利なAIなんかよりも、一生懸命に物事と向き合う。そういう身体的な事が大切になる時代だなと感じています。
今回多くのコラボをする事で得られる事としては、それぞれのアーティストのファンへのアクセスも良くなりますし、作品を大量に保持することも出来るので、ソロライブや今後の展開の仕方としても自身の大きな財産になります。
今回コラボでお声がけした中には、付き合いも浅く一緒に音を出した事のない人、会った事もない人、仲は良いけど作品作りは初めての人、憧れの人、無茶苦茶な注文が気軽に言える人、など本当に多種多様な人たちで、音楽制作を通してしか得られなかった感情の繋がりや、経験が出来たことはプライスレスな価値でした。
お互いこんな機会だからと、実験的でやった事のないスタイルでの創作活動は凄く楽しい時間でした。もちろん産みの苦しみや、全く上手く進まない苦行も沢山経験出来た事で、想像以上の修行期間となってくれました。
そのような沢山の経験の中で自身が大きくなった先に、自分がこんなにも成長出来て嬉しい! という事ではなく、大きくならないと起こせない運動を起こし、大きくならないと関われない人と繋がり、文化の中心にできるだけ近づけば社会貢献できる力も大きくなるだろうし、その分、世界を僕の感じる面白い方向に綱引きする力を大きくする事が出来る。そういう動きが出来る所まで辿り着きたいという想いが強くあります。
人を喜ばせた数が稼げるお金の数。みたいなシンプルな方程式を信じていたいなと。
本来影響力を得るための普通の道としては色々な制約を我慢して、成功を得るために長いものに巻かれて、なんとか成功して、力を得てから社会貢献するという手段が早いと思うのですが、それは残念な事に性格的にもっとも向かない事でありまして、凄く辛いことは知っているのでそのレールからは降りて、あえて草木をかき分けるような大冒険をして進む人生でありたいなと。回り道を沢山楽しんで、少しずつ着実に力を蓄えながら。

遊びの力こそが純粋でとても大きなパワーだと信じてしまっているので、たくさんのご迷惑を周りの方々にはおかけしつつ、それでも誰に迷惑を掛けようとも、怒られようとも、呆れられようとも、あいつの音良いし仕方ないか! と何とか五分五分の関係性を築きつつ進めたらと。
この真っ直ぐに遊び切る人生を見て、少しでも楽しんでくれる人が居たら良いなと思うし、強く遊び抜いてちゃんと成功という場所まで辿り着いて自分に余剰が出来たら、その時は全力で社会に還元して心地よい場所を一つでも増やせたらと思っております。
難易度の高いアートとビジネスのジレンマを何とか突破出来るよう今回のプロジェクトを含め何処までも突き抜けたいと思いますので今後ともどうぞ宜しくお願い致します!
粉川心
| 次回は粉川からzezecoへの手紙を4月28日(火)に公開予定。 |
粉川心(SHIN KOKAWA)長期プロジェクト「13artists×3works」

■プロジェクトコンセプト:身体的負荷の先にある「強いアート」の本質 この途方もない量の制作と連続リリースの背景には、粉川自身の「身体値の限界突破」というテーマがあります。比叡山延暦寺の極限の修行「千日回峰行」から着想を得ており、便利な時代にあえて「質より量」という過酷なアプローチを選択。圧倒的な制作量とライブの継続を通じて、身体 的な負荷の先に見える「強いアート」の本質を突き詰める試みです。また、13週間にわたる活動 そのものをひとつの表現とし、アーティストとしての影響力を拡大しながら、持続可能で心地よいビ ジネスモデルを構築・実証していくという「アートとビジネスの両立」も重要なテーマとして掲げています。
■参加アーティスト(全13組 / 順不同・敬称略)
・zezeco (青木ロビン / manukan)
・ermhoi
・類家心平
・魚返明未
・Noriyuki Inoue (jizue)
・THE BED ROOM TAPE (景山奏 / NABOWA)
・オオヤユウスケ (Polaris)
・高橋佑成
・早雲
・Momose Yasunaga
・伊藤えり
・八幡亜樹
・Yasutaka Okada (kott)
■第一弾リリース:SHIN KOKAWA & zezeco 『collaborate#1』
記念すべき初回の共作者は、演奏とプログラミングの組み合わせに主眼が置かれたミニマルなタッチで複雑な音像を描き出すメランコリックなエレクトロニック・ワールドを探求するユニット、zezeco。粉川のドラミングと、zezecoの緻密に構築された電子音像が一つの有機的なアンサンブルへと昇華された3曲が収録されています。

【作品情報】
アーティスト名: SHIN KOKAWA & zezeco
タイトル: collaborate#1
収録曲:1. Iron Blooms / 2. The ways the bonedance / 3. Retina
配信開始日:2026年4月28日(火)
レーベル:Penguinmarket Records
配信リンク:※LinkCore
https://linkco.re/5N3P8HUS
■粉川心コメント:高い身体値を獲得し、強いアートの本質を突き詰めたい実験的な部分と、持続可能なアート活動や心地良いビジネスモデルを生み出す装置としての部分。アートとビジネス両方を内包して動き出 しました。便利な時代だからこそ、あえて不器用に『量をやる』。負荷を掛けた先にしか見えない景色を、このプロジェクトを通じて探求します。
各種リンク
HP:shin0203.wixsite.com/drum-lesson/profeel
Instagram:https://www.instagram.com/drum_shinkokawa/
X(旧Twitter):https://twitter.com/Drum_ShinKokawa
SPOTIFY:https://open.spotify.com/intl-ja/artist/3Vg6ZWLfFLXKgHoE4xbE3k
APPLE MUSIC:https://music.apple.com/jp/artist/shin-kokawa/1575903464
Podcast:open.spotify.com/show/37moIeyMhl4HLwzNJy2wGw?si=Vz8Xzd7HQUi5z35RCjDjJg