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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

【第0回】粉川心が「質より量」の実験をする理由

2026.4.22

#MUSIC

プロジェクト始動の経緯。着想は13年ほど前

今日は3rdソロアルバムという名のもと動き出した、この壮大な実験プロジェクトについて語って行こうと思います。

総勢13組、17アーティスト。各組3曲ずつ、計39曲を毎週配信リリースし続けて最後にアルバムにまとめてフィジカルでもリリースしてツアーをやり続け、1年間まるっと掛けて音楽、写真、映像、文章、対談とSHIN KOKAWAという表現活動全てを総動員して全力で表現し続けるという前代未聞の試みです。

このギネス記録並みの誰もやった事が無い量のコラボを行うという企画には2軸のテーマがありまして、高い身体値を獲得し、強いアートの本質を突き詰めたい実験的な部分と、SHIN KOKAWAというアーティストを世に広めていくための影響力を獲得し、その影響力で持続可能なアート活動や心地良いビジネスモデルを生み出すという装置としての部分。アートとビジネス両方を内包して動き出しました。

どちらかに振り切ってしまえば案外楽なものですが、この二点を両立するには相当な知識と行動と哲学が必要となりますし、アーティストにとって大きなジレンマでもあると思います。

どうやったらそこを突破出来るのかは、みんなが悩んでいるポイントだと思うので人生を賭けて挑戦する価値のある面白いテーマだと思います。強いアートと、心地よいビジネス。この2つを手に入れた時こそ気持ち良く大きな事ができるとわかっているなら目指さない手は無いなと。

解像度は今ほど高くありませんが、13年ほど前からずっとこの問題を考え続けてきました。

自分の武器を最大化し、自分に出来る一番大きな社会的な運動は何なのかと。その日もいつものように考え込んでいた時、長年の思考の蓄積からハッと無意識のひらめきが繋がって今回のアイデアが出てきました。

思いついた時にはこれだ! と、とても腑に落ちた感覚があり、数年に一度起きるこの腹落ちした時のアイデアの感触は、従ってみて今まで外したことが無かったのでついに降りてきた! と大歓喜した事をよく覚えています。

今の時代にあえて「質より量」に真正面から取り組む意義

腹落ちした感覚を少し言語化してみますと、まず「身体値」という概念が最近のトピックであり、自分自身の限界突破的な成長の為の修行がしたいというのが大きなテーマの一つです。どんどん身体を使わない方向に進む世の中で、成長のために、身体に死ぬほどの負荷を掛けてみたいという事を考え、質より量に着目しました。もちろん負荷を欲しているので高い質は保ちながらの量となります。

「質より量」は一般的にはネガティブな印象を受ける言葉ですが、民藝などにおける表現は日々の圧倒的な量と時間をこなす事でしか辿り着けないアートの領域があると感じますし、ピカソや岡本太郎など多作で知られた巨匠も沢山いたり、自分自身もライブの数と濃度は成長と比例するなという体感があり、質の為には間違いなく量が大切だなと実感しています。

便利な時代だからこそ、あえて不器用に不便さを選び、量を取ることの意義は大きいだろうという確信があったので、とにかく「量をやる」はとてもしっくり来ました。

他にアイデアの基盤になったのは比叡山延暦寺の千日回峰行です。

調べていくうちに、ひたすら高い質の同じ修行の量に向き合い、身体の限界に達した時にしか得られない精神の開き方にとても興味が湧きました。

1日でも大変な修行を、とんでもない量をやる苦行を経て大阿闍梨になり、新たな人間としての超能力を得る。

このような苦行をなんとか出家はせずに、音楽やアートの活動の中でいかに獲得していくか、いかに死ぬ寸前まで行けるのか、これらを実行する為に今回の膨大なコラボアルバム制作をしたあと、膨大な国内ツアーと、ワールドソロツアーをバックパッカースタイルで決行したいなと思っています。

制作やツアーの過程で程よく死にかけられたら良いなと。死に近づかないと生の本質が見えないのではないかと良く考えますし、今こうして記事を書いている時も、やはり生ぬるく普通に生きられてしまってるなぁと思います。死にわざわざ近づきたいなんて言うのは人間だけが持つ贅沢な感情なのだろうなと思いつつ。アートを強くするためにどのように自分に負荷をかけてどのように成長するか。これがアート側の思いです。

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