6月5日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国で順次公開される映画『アダムの原罪』のポスタービジュアル、予告編、場面写真、著名人によるコメントが解禁された。
同作は、2021年に発表された長編デビュー作『Playground/校庭』でカンヌ国際映画祭の「国際批評家連盟賞」を受賞した、ローラ・ワンデル監督による最新作。小児科病棟を舞台に、骨折して運ばれてきた4歳の少年とその母親の処遇をめぐって繰り広げられる人間模様が、ひとりの献身的な女性看護師の視点から映し出される。製作はベルギーのジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が手掛けている。
容易に答えの出ない道徳的ジレンマに直面する看護師・ルシーを演じるのは、『CLOSE/クロース』『あやまち』などのレア・ドリュッケール。孤立したシングルマザー・レベッカ役は、『あのこと』『モンテ・クリスト伯』などのアナマリア・ヴァルトロメイが務めた。
解禁されたポスタービジュアルには、4歳のアダムが母のレベッカにしがみつき、看護師長のルシーが心配そうにアダムの顔を覗き込むシーンを使用。さらに「守るべきは社会のルールか それとも尊い命か?」というキャッチコピーが添えられた。予告編では、骨折と栄養失調を抱えるアダムが、養育不能と判断を下されたレベッカと引き離される緊迫した様子が映し出されている。
また、呉美保、森達也、想田和弘、池田香代子の4名による同作へのコメントも公開された。
呉美保(映画監督) コメント
人の後ろ姿を、どこへ向かうのか、何をしようとしているのか、
固唾を呑みながら追い続ける79分。
誰もがそれぞれの事情を抱えながら、ただ「今」を必死に生きている。
無情な不条理に、思わず叫びたくなる。
前作『Playground/校庭』に続き、ローラ・ワンデル監督の、
極限まで研ぎ澄まされたリアリズムに、圧倒された。
森達也(映画監督/作家) コメント
これが監督第二作となるローラ・ワンデルの手法は今回も健在だ。
まさしく映画の極北。あるいはドラマの最終形。
看護をめぐる倫理的コンフリクト。制度と命のジレンマ。
二本の軸が軋みながら向かうラストの解釈も問題提起だ。
想田和弘(映画作家) コメント
デビュー作『Playground/校庭』から、その卓越した描写力、演出力、世界観において、すでに名匠の風格を感じさせたワンデル監督だが、2作目となる本作で、1作目の成功が偶然ではなかったことが証明された。
凄い作家が現れたものだ。
池田香代子(ドイツ文学翻訳家) コメント
カオスのような夜の小児病棟を駆け回る看護師長。
その背中を追う手持ちカメラは、もがく社会を映し出す。
観る者に媚びず、しかし飽きさせない、完成度高い稀有なサスペンス。
『アダムの原罪』

6月5日(金) 新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督・脚本:ローラ・ワンデル(『Playground/校庭』)
製作:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟
出演:レア・ドリュッケール(『CLOSE クロース』) 、アナマリア・ヴァルトロメイ(『あのこと』『モンテ・クリスト伯』)
2025年/ベルギー、フランス/フランス語/79分/16:9/5.1ch/原題: L’intérêt d‘Adam /英題: Adam‘s Sake /日本語字幕:岩辺いずみ/提供:ニューセレクト/配給:スターキャットアルバトロス・フィルム/後援:駐日ベルギー大使館、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
ⓒDRAGONS FILMS – LES FILMS DU FLEUVE – LES FILMS DE PIERRE – LUNANIME – FRANCE 3 CINÉMA – BE TV & ORANGE – PROXIMUS – RTBF (TÉLÉVISION BELGE) – SHELTER PROD
<ストーリー>
とある病院の小児科センターに、左腕を骨折したアダムという4歳の男の子が入院した。栄養失調で痩せこけたアダムは発育が遅れ、骨が脆くなっている。移民のシングルマザー、レベッカ(アナマリア・ヴァルトロメイ)が彼に適切な食事を与えていないと見なした裁判所は、彼女の面会を制限する命令を下した。自らもシングルマザーである看護師長のルシー(レア・ドリュッケール)は、息子と引き離され、親権を失うことを恐れるレベッカに寄り添おうとする。しかしレベッカの軽率な行動、上司や同僚からのプレッシャーによって追いつめられたルシーは、母子を救いたい気持ちと病院が従うべき司法制度との間で板挟みになっていく……。