企画展『未来のかけら: 科学とデザインの実験室』が3月29日(金)から東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催される。
同展は、未来に対する可能性に思いを馳せた研究者とクリエイターたちによるプロトタイプやロボットなどを「未来のかけら」として紹介し、まだ見ぬ未来の世界へ向かうデザインの楽しさを提示するもの。展覧会ディレクターにデザインエンジニアの山中俊治を迎え、山中が大学の研究室でさまざまな人々と協働し制作してきたプロトタイプやロボット、スケッチの紹介とともに、7組のデザイナー・クリエイターと科学者・技術者のコラボレーションによる作品が展示される。
ディレクターズ・メッセージ
いつの時代も、 最先端の科学技術とデザインはすぐそばにありました。科学者が生み出す新しい知 識や技術はデザインを通じて人々の元へ届けられました。デザイナーたちによって開かれた新しいラ イフスタイルは、次の研究のトリガーであり続けました。しかしながら、科学者たちの本当の関心は 大いなる真理を探究することにあり、デザイナーたちの目標は人々の幸福な体験や豊かな社会の実現にあるので、両者は必ずしも同じ道を歩むことはできません。科学とデザインは近くにいながら、その間には越えがたい溝もあるのです。そのような緊張感をはらんだ科学とデザインの関わりには、初めてかのような新鮮な出会いがあり、 葛藤があり、ドラマがありました。そして時代ごとに、自動車や家電、コンピュータ、スマートフォン、SNSなど、私たちの生活が一変するようなイノベーションを生み出してきました。
本展は、今まさに起こっている科学とデザインの邂逅により芽生えつつある「未来のかけら」を探る ものです。本展ディレクターである山中は2001年以降、先端技術の研究者たちとともにちょっと未来を感じさせるさまざまなプロトタイプをつくってきました。2013年に東京大学に教授として着任してからは、まだ実用化されていない先端技術に形を与え、研究者と共に未来を探る「Design-Led X (価値創造デザインプロジェクト)」をスタートさせました。
企画展「未来のかけら」では山中のそうした活動をコアに、研究者とクリエイターたちの新たな「出会い」を集めます。最先端のロボティクス、積層造形、構造形態学、身体拡張、バイオエンジニアリングなどの研究者たちと、デザイナー、アーティストたちがタッグを組んで未来のかけらを錬成します。サイエンスフィクションのようなプロットにとどまらず、質感や動きを伴った体験を共有できるリアルな物語の断片です。実験室で生まれたばかりのピースを繋ぎ合わせてまだ見ぬ世界を描くのは、ご来場いただく皆さんです。
山中俊治
企画展「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」
会期:2024年3月29日(金)- 8月12日(月・休)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
休館日:火曜日
開館時間:10:00 – 19:00(入場は18:30まで)
入場料:一般1,400円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
各種割引についてはウェブサイトをご覧ください
展覧会ディレクター:山中俊治
<参加作家>
●荒牧 悠+舘 知宏
●稲見自在化身体プロジェクト+遠藤麻衣子
●A-POC ABLE ISSEY MIYAKE+Nature Architects
●千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター(fuRo)+山中俊治
●東京大学 DLX Design Lab+東京大学 池内与志穂研究室
●nomena+郡司芽久
●村松 充(Takram)+Dr. Muramatsu
●山中研究室+今仙技術研究所・稲見自在化身体プロジェクト・臼井二美男・宇宙航空研究開発機構(JAXA)・岡部 徹・河島則天・斉藤一哉・SPLINE DESIGN HUB・鉄道弘済会義肢装具サポートセンター・新野俊樹・Manfred Hild・吉川雅博
主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
後援:文化庁、経済産業省、港区教育委員会
特別協賛:三井不動産株式会社
展覧会ディレクター:山中俊治
企画:野村 緑(fuRo)、村松 充、阪本 真
グラフィックデザイン:岡本 健(岡本健デザイン事務所)
会場構成:萬代基介(萬代基介建築設計事務所)
テキスト/企画協力:角尾 舞
テクニカルディレクション:古田貴之(fuRo)、杉原 寛