グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
4月30日は、イラストレーターの Kanbin Nagataさんからの紹介で、墨田区向島にある喫茶店「HOLLYday」の店主、立山紫野さんが登場。産業保健師から喫茶店のオーナーになったドラマチックなエピソードや、先代の魅力を引き継いだお店の空気感についても伺いました。
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喫茶店の店主から「お店を継がないか」と言われ一念発起
Celeina(MC): 喫茶店「HOLLYday」は今年1月にリニューアルオープンされたばかりなのですが、そのオープンまでの経緯がとてもドラマチックなので、簡単に紹介させてください。
立山さんは産業保健師の傍ら、コーヒー好きが高じて「バリスタ保健師」という肩書きで2019年から墨田区のマーケット「すみだ青空市ヤッチャバ」にポップアップで出店されていました。その後、ヤッチャバの事務局のスタッフとして定期的に墨田区に足を運ぶようになります。そんな中、2023年2月、お目当ての喫茶店に行こうとしたら、その日は臨時で営業時間が短く早仕舞いしていたそう。その時一緒に行った「どすこいドーナツ」の毛柴さんから、べらんめえ口調で話が面白いおじいちゃんがやっているという触れ込みがあり、入ったのが喫茶店「HOLLY」でした。そこで、80歳を超えて1人でお店を営む店主のホリさんと出会います。何度か通ううちに親交を深め、体調を崩したホリさんから「お店を継がないか」と言われ、現在に至ります。
タカノ(MC):本当にドラマみたいなお話ですね。
Celeina:実際に「引き継がないか」と言われた時、どう感じましたか?
立山:病室で言われたので、頭が真っ白で状況が飲み込めませんでした。「HOLLY」に通い始めて半年ほど経った時に、ホリさんが入院されて店が閉まっていたんです。実は、通い始めて3回目の時に、「材料持ってきたら教えてやるよ」と言われて、自家製マヨネーズの作り方も教えてもらっていて。その時はまだ、まさかお店を引き継ぐなんて思ってもいなかったのですが、病室で「まだ店を閉じたくなかったから、やらないか?」と言って頂いたんです。最初は自分のことじゃないような感覚でしたが、お店やそこに集う人たちが好きだったので、なくなるのは寂しいと思い、でも「引き継ぐ」とはどういうことか分からなかったので、「考えさせてください」と答えました。
Celeina:決断までにどれくらいかかりましたか?
立山:1〜2週間くらいです。病室のホリさんから何度も電話があって、「やるなら引っ越さないとダメだろ」と言われたので、9月にお見舞いに行って、10月に物件を探して、11月には神奈川から引っ越してきました。お店の裏にちょうど物件があったのも運命的でしたね。
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地域の人に支えられながらオープンを目指した
Celeina:引っ越してからオープンまで1年ありますが、その間に準備をされていたんですか?
立山:すぐ開けることもできましたが、物が多く、冷蔵庫の中もそのままだったので、片付けから始めました。2階にも大量の物があったんですが、そこを整理しないまま開店すると、2階が開かずの間になる気がしたので、そこも片付けましたね。当時はまだ会社勤めもしていたので、「ゴミの日の前日は必ず片付ける」と決めて、ご近所さんにも手伝ってもらいながら準備していました。
Celeina:素敵なコミュニティですね。
立山:周りの方にたくさん助けてもらいました。
タカノ:コンセプトはどの段階で決めたんですか?
立山:実は、早く開けなきゃという思いで忙しくて、特別に考える時間はなかったんです。でも自分がお店に通っていた時に、ホリさんらしさにすごく癒されていたので、その空気感を残したいなと思い、自然とお店のコンセプトが出来上がっていきました。
例えばサンドイッチを頼んだら「サンドイッチは面倒くさい」と言われたり(笑)。ちょっと言いすぎたなという時は、「生クリーム多めにした」とか言ってみたり。そういう下町気質の人間味というか、肩の力が抜けるような空気が魅力だったので、それを残したいと思いました。そして、ホリさんやお店のことを調べていくと、マヨネーズにも実は長い歴史があって驚きました。
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喫茶店を通じて、地域の歴史やストーリーも伝えていきたい
Celeina:どれくらいの歴史があったのですか?
立山:ホリさんは東京オリンピックが開催された1964年に喫茶店を始められたのですが、それ以前に浅草の老舗の喫茶店「ナガシマ」で下積みをされていたんです。「ナガシマ」の料理長とパンアメリカン航空のコック長が友人同士だったそうなんですが、そこで使われていたレシピが、「HOLLY」の秘伝のマヨネーズなんです。昔からの常連さんたちが教えてくれて知ったのですが、それをきっかけに、ホリさんから聞いたことや地域の歴史やストーリーも伝えていきたいと思うようになりました。
Celeina:そのマヨネーズは気になりますね。どのメニューに使われているんですか?
立山:卵焼きサンドとアメリカンサンドです。どちらもパンの両面にマヨネーズを塗って挟んでいます。
タカノ:行ってみたくなりますね。営業時間を教えてください。
立山:基本は10時〜17時ですが、金曜・土曜は午後から営業で少し不規則なので、Instagramをチェックしてください。
Celeina:お出かけの際はインスタを要チェックですね。そして、立山さんのnoteも読みごたえがあるので、ぜひ見てください。さあ「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、明日スタジオにお越しいただく方を紹介してもらっています。どんなお友達を紹介してくれますか?
立山:墨田区を拠点に活動するデザイナーの毛柴さんこと毛柴有喜さんをご紹介します。「どすこいドーナツ」というキャラクターをデザインされていて、今ドーナツを通じた輪が広がっているので、皆さんにも知っていただきたいです。
Celeina:ありがとうございます。「FIST BUMP」、今日は喫茶店「HOLLYday」の店主の立山紫野さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann