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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

アートディレクターの佐野みなみは、ロジカルな分析と丁寧な検証を経てプレゼンに臨む

2024.11.12

#ART

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

10月17日は、PRマーケターでミュージシャンの葛西直樹さんからの紹介で、アートディレクターの佐野みなみさんが登場。理系のアートディレクターだからこそできたプレゼン方法や、自身が手がけたパッケージデザインについてお聞きしました。

理系大学での「ロジカルな分析」の経験はアートディレクターとしてのプレゼンに役立つ

タカノ(MC):佐野さんは、Sano Minami Design OfficeのCEO、そしてブランディングデザイン、パッケージ、WEB制作、撮影、ロゴ、イラストなど様々なお仕事をされています。経歴が気になっているのですが、東京理科大学理学部化学科を卒業されているんですか?

佐野:そうです。卒業してその後大学院にも進学したんですが、中退してしまったという変な経歴です。

タカノ:すごいですよね。理系の大学に入学して、どんな研究されていたんですか?

佐野:簡単に言うと無機化学の研究なんですけれども、テーマがプロトン電子伝導系錯体の創出です。

大島(MC):難しいテーマですね。今のお仕事に繋がる部分はあるんですか?

佐野:直接的には繋がらないですが、考え方としてロジカルな分析をするのは、アートディレクターとしてプレゼンする時に役に立っていると思います。

タカノ:全部をクライアントに順序立てて説明していったり、納得感を持たせるというところで、客観的な視点とかも必要だったりしますからね。

佐野:そうですね。よく分析していくというのは、研究と同じかなと思います。

大島:なるほど。クライアントの方とお仕事された時に、佐野さん良いよねとなった結果、理系ってことを後から知られて納得されることはありますか?

佐野:すごくあります。そこをご評価いただくことがとても多いです。代理店さんとかクリエイティブディレクターさんと一緒にお仕事することがあるんですが、「佐野さんの提案というのは、何でこういうデザインになったのか、という部分がすごく納得できていいですね」という評価をよくいただきます。

クライアントによって提案のやり方自体も変えていく

タカノ:そして我々の手元にも佐野さんの資料があるんですが、資料が分厚くて実績の数がすごいんですよ。

大島:パッケージデザインとか、お見かけしたことあるものもたくさんあります。例えばA案B案C案のような形で提案する時に、その方向性を、一般的には直感で決めると思うんですよ。これが1番推しでこれが2番目のように、序列とか優先順位みたいなものも、ロジカルに説明することはできるんですか?

佐野:はい。ロジカルに説明しますし、私たちは、他のデザイン事務所よりもかなりたくさんの案を事前に検証するのが特徴です。だから、たくさん出していいよと言われたら100案ぐらい出すこともあります。特にコンペをやる時は、いろんな案を比較したいという目的がわかっているので、我々のデザイン事務所はできるだけ幅広くデザインを提案できますよ、というアピールにもなるんです。

タカノ:でも100案も出したら選べなくなっちゃいますよね。

大島:そこからの絞り方も、こちらが責任持ってやりますよ、というのは合わせつつやっていくということですか?

佐野:デザインってA案とB案を組み合わせたら、新しいものも生まれたりするんですよね。なので、事前にいっぱい検証した中で、クライアントさんがあまり多く出されても困っちゃうタイプだったら、おすすめのものを絞ってご提案しますし、検証したいなというタイプだったら多めにお出しするという感じにしています。

大島:事前にクライアントのこともしっかりと分析していくと、戦い方も変わってくるということですね。

商品が引き立つ色をベースに、他のブランドとの差別化を図る

タカノ:せっかくなので佐野さんが手がけたデザインを解説していただきたいなと思います。

佐野:こちらはキャラメルを専門とした「CARAMELIFE」というブランドさんです。リブランディングを担当させていただきました。最初はほっこりしたカジュアルなブランドさんだったんですが、もっと高級感のあるデザインにしたいというご依頼をいただいて、パッケージからロゴ、WEBサイトまで全部我々の方でやらせていただきました。

例えば、パッケージの設計図も私自身が図面を引いて、こんな感じで作りましょうと提案したり、キャラメルの茶色やオレンジが一番引き立つ色として補色の緑色をベースに提案しました。スイーツ系のパッケージというと、イチゴ系だったら赤とかピンクとかを使って作るのが王道なんですが、逆転の発想で、商品が一番引き立つ色ということを考えた上で、緑色をベースにしていますね。

タカノ:計算されていますね。キャラメルの既存のイメージとは違うものということで、他のブランドとの差別化ができますね。

大島:小さなプロダクトの中で、大きな革命を起こしているということですね。佐野さんのもとで修行したいという、学生の方とかもいっぱいいらっしゃるんじゃないですか?

佐野:そうですね。インターンもウェルカムなのでぜひ応募いただきたいですね。

大島:30代40代でも大丈夫ですか?

佐野:全然大丈夫です。ホームページの「Wanted」というところで募集しております。

タカノ:SNSで佐野さんをフォローしていただいて、そちらでお仕事などチェックしていただければと思います。今日はアートディレクターの佐野みなみさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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