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渋谷慶一郎がアンドロイドオペラで示した、人類が消滅しても鳴り響く音楽

2024.7.2

#MUSIC

©︎ATAK Photo by Kenji Agata

6月18日、東京・恵比寿ガーデンホールで渋谷慶一郎によるアンドロイドオペラの日本公演が6年ぶりに開催された。日本初演の『MIRROR』を含む2作が上演され、チケットは早々にソールドアウト。一晩限りの貴重な凱旋公演を、ライターの神保勇揮のテキストとオフィシャル提供の写真でお伝えする。

『Super Angels』抜粋版と『MIRROR』の二部構成

6月18日、恵比寿ガーデンホールにて渋谷慶一郎の作曲 / プロデュースによるアンドロイドオペラ『Android Opera TOKYO – MIRROR/Super Angels excerpts. 』が開催された。

©︎ATAK Photo by Kenshu Shintsubo

『MIRROR』は、アンドロイド「オルタ4」の歌声とオーケストラ、1200年の歴史を持つ仏教音楽 / 声明を唱える僧侶、渋谷自身の演奏によるピアノ、電子音楽、映像、照明によって構成される大規模な劇場作品。2022年に『ドバイ万博』にて発表、翌2023年には70分の作品として再制作し、パリ・シャトレ座での初演を経て今回が日本初演となる。出演者 / スタッフの数が総勢180名にも上る大規模なコンサートだ。

アンドロイドオペラの公演は本作が初めてではなく、2017年にオーストラリアでプロトタイプを公開し、翌年2018年に日本科学未来館で発表された『Scary Beauty』に遡る。当時の機種名は「オルタ2」だった。一連の取り組みはロボット学者の石黒浩(大阪大学教授)、人工生命の研究者である池上高志(東京大学教授)らとタッグを組み、世界各地で公演や制作を繰り広げながら機体やプログラムを磨き上げ続けている。『Scary Beauty』ではオルタ2がオーケストラの指揮も執っていたが、オルタ4に進化した今では指揮者を置かず細かなキュー出しは渋谷が行い、オルタ4はほぼ歌手 / パフォーマーに徹するかたちとなっている。

©︎ATAK Photo by Kenshu Shintsubo

本公演は二部構成。第二部での『MIRROR』上演に加えて、第一部では公演日が近づくなかで突如制作された、渋谷とオーケストラ、オルタ4による新曲“この音楽は誰のものか?”に加えて、障がいの有無に関わらず参加できる、子どもを中心としたコーラス隊「ホワイトハンドコーラスNIPPON」とコラボしたオペラ作品『Super Angels』の抜粋版として2曲が披露された。

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