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キャラクタービジネスのシビアな現実をポップに描く

そう、本作は勉強になるドラマなのだ。というのも、ハローキティやマイメロディなど、世界的人気キャラクターを生み出したあの株式会社サンリオが取材協力に入り、「好き」の誕生の背景を、物語をとおしてかなり赤裸々に伝えてくれているのだ。
人々に広く長く愛されるキャラクターは、当然ながら一朝一夕で生まれるものではない。「かわいい」は作れるが、それが人気を獲得し、売れるかはまた別の話。それがいかに困難で、途方もない道のりか、ここまでの物語の展開で明らかになってきた。
瀬尾の「かわいい」にかける想いは強く、キャラクターを生み出す才能もある。しかし「好き」を誕生させるには、そのキャラクターが社会に受容されなければならない。そこで腕を振るうのが、超大手の経営コンサル会社の第一線でバリバリ活躍した経験を持つ草壁の存在。私たちが愛するさまざまなキャラクターの誕生の背景にも、こうした才能の掛け算があったのだろう。

人々が何を求め、必要としているか。そこに作り手たちは何を差し出せるか。需要と供給のバランスに意識を向けながら、キャラクターが身を置く世界観も含めて構築していかなければならない。いくら作り手からの猛烈な「好き」があっても、それが受け手のニーズに合っていなければ成立しない。言い換えれば、需要と供給さえ合えば、そこにビジネスチャンスがあるということだ。
高い人気を持つキャラクターの背景には、徹底した分析があり、さまざまな思惑が交錯している。そして、私たちの無邪気な「好き」も、そうしたものの上に成り立っている。本作はかなりハイテンションでポップなテイストだが、キャラクタービジネスにおけるシビアな現実を丹念に描き重ねている点が、挑戦的で革新的だといえるだろう。