7月5日(金)より公開される映画『フェラーリ』の先行上映イベントが6月24日(月)にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、「宣伝コメンダトーレ」の堂本光一が登壇した。
元レーサー / カーデザイナーであり、イタリア屈指の自動車メーカー創業者としても名を残すエンツォ・フェラーリ。同作は1957年、59歳で会社の経営危機と家庭破綻に直面する彼が再起をかけ、イタリア全土1000マイルを走る過酷なロードレース「ミッレミリア」に挑む様子を描いた内容となっている。なお、「コメンダトーレ」(Commendatore)とは、レーサーやエンジニアがエンツォ・フェラーリに対し、親しみと敬意を込めて呼んでいた愛称で、イタリア語で「社長 / 騎士団長」などの意味を持つ。
フェラーリ好きの堂本は、エンツォ・フェラーリに次ぐ「コメンダトーレ」という称号に「滅相も無い! 荷が重いという気持ちと嬉しい気持ちと」と恐縮しつつも「でも自分が魅力を話すことで『フェラーリ』の素晴らしさが伝わればいいなと思います」と意気込んでいた。
この日の会場は満員御礼。劇場を見回すと堂本ファンも多く「(同作の凄さについて)たぶん、お前らにはわからん!」と堂本が毒舌を吐くと、ファンは何故か大喜びの拍手喝采。これには堂本も「拍手じゃないよ! だってフェラーリに興味ないだろう?」と大笑いだった。
先んじて同作を鑑賞した堂本は「ワクワクして見たけれど、想像とは違った内容で驚いた。フェラーリというと、煌びやかでレースにも強くて……という世界観をイメージしがちだけれど、決してそれだけではないことを実話として描いている。見たらビックリするはず」と重厚なストーリーに言及した。
イベントでは宣伝コメンダトーレとして出演した映画の15秒テレビCMも上映。堂本は「ホンマに感想を言っているだけ……」と苦笑いしつつも、「アダム・ドライバーがエンツォ・フェラーリに似ているし、役者の皆さんが素晴らしくて、マイケル・マン監督が描きたかったことも色々な角度から見られる。車の美しさもさることながら、人間模様を大事にした映画」と見どころをPRした。
堂本自身はフェラーリ430スクーデリアを所有しているが「鉄板剥き出しでエンジンの振動も響くし、乗るには気合のいる車です。乗るたびに『お前、乗れんのか?』と試されているようで、でもそれが心地よい。どちらかと言うと僕はM気質なので」と熱弁。フェラーリの特色として「レースに勝つために乗用車を売っている会社」だとし、「そんなことをしているのはフェラーリのみ。だから僕も頑張って乗っている。わけのわからないところがしょっちゅう壊れたりするけれど、それでもいい。F1でフェラーリが勝つと『俺の資金がそこにいってるやん!』と、そんな気持ちになれるから」とフェラーリへの愛を語っていた。
劇中でエンツォ・フェラーリは、全てを投げうってレースに挑むなど、仕事・勝負にその「情熱」を捧げている。これにちなんで「情熱を捧げている事」を聞かれた堂本は、作 / 構成 / 演出 / 主演を担当する舞台『Endless SHOCK』を挙げて「そこに命を捧げてきたのは間違いない」と自負。2024年に終幕が決まっているが「いつも通りやるのが大事。いつも通り稽古に情熱を注いで、本番もいつも通りやる。でもいつも通りは難しい。ミスは毎日起こるのでどこをどう修正していくのか、そこが大事」と実感を込めていた。
同作には、エンツォ・フェラーリの波乱と激動の1年、フェラーリにとってのまさに「転換期」が描かれている。これにちなんで、自身のキャリアにおいてのターニングポイントを聞かれると「この仕事を始めたこともそうだし、デビューした事も、帝劇(帝国劇場)に初めて立ったこともそう。ある意味、帝劇ラストイヤーでやっている今もターニングポイントなのかもしれない」とエンターテイナーとしての心境を吐露した。
最後に堂本は「人間的な部分も描かれていて、そんな部分も含めて情熱を捧げる事などに視点を置いて見るのもいい。車の素晴らしさ、美しさ、音の良さも伝わるだろうし、レースシーンでフェラーリが連なって走る場面はとにかくシビれます」とアピールし、「そこでシビれない人は僕とは共感できません! それこそ圧巻! 衝撃シーンもあるので楽しんで」と最後まで圧倒的な熱量でフェラーリ愛を放っていた。
『フェラーリ』
監督:マイケル・マン(『ヒート』)
脚本:トロイ・ケネディ・マーティン
原作:ブロック・イェイツ著「エンツォ・フェラーリ 跳ね馬の肖像」
出演:アダム・ドライバー、ペネロペ・クルス、シャイリーン・ウッドリー、パトリック・デンプシー
2023年|アメリカ|英語・イタリア語|カラー・モノクロ|スコープサイズ|132分|原題:FERRARI|字幕翻訳:松崎広幸|PG12
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
© 2023 MOTO PICTURES, LLC. STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:https://www.ferrari-movie.jp 公式Twitter(@FerrariMovieJP)