羊文学の新曲”tears”が2月28日(水)に配信リリースされた。
同作は6月7日(金)から全国公開される映画『かくしごと』の主題歌。羊文学が映画のために書き下ろした楽曲で、予告編にも一部が使用されている。
また、リリースに合わせ、各メンバーのコメントも公開された。
作中に流れる、ヒリヒリとした感情や、歪で深い「親子」の愛を掬い取るようなイメージで曲を作りました。
塩塚モエカ(Vo, G)
物語の世界のその後、涙の理由もわからなくなったその先で、まっすぐな瞳で幸せを追い求めている姿を思いながら、音に魂を置いていくような気持ちで、丁寧に丁寧に、歌いました。
今回、羊文学としては初めてメンバー三人以外の楽器パートとしてチェロを取り入れ、不安定な心のように震えながら、未来に向かって渦巻いている春風のようなフレーズが加わりました。
静かで力強い、本当に大好きな曲ができました!
何が正しくて何が正しくないのか
河西ゆりか(B)
わからなくなることも多い世の中ですが、
生きていて感じる、自分の中のピュアな想いや願いは、
存在自体がとても価値のあるものだと感じました。
音が身体の芯に沁み込んで、細胞が芽吹くような感覚、
純粋な曲と音の美しさを引き出せるように作りました。
関根光才監督の作品は、芥川賞受賞作家・本谷有希子の傑作小説「生きてるだけで、愛。」を映画館で観たのが出会いでした。登場人物の言葉選びが非常にアクチュアルで口数が最小限の静寂感が印象的で、関根光才監督の感覚、感性に心を奪われました。
フクダヒロア(Dr)
「かくしごと」は 虚構且つ刹那的な偽りの時間を過ごす主人公、千紗子(杏さん)の母性溢れる演技が秀逸で、記憶に残る様な作品です。楽曲の制作面では、悲しみ、後悔、哀愁、静寂等をテーマに映画の相性と照らし合わせて、ブラシ、ロッド、チェロ等を用いて演奏させて頂きました。是非劇場に足を運んで頂けたら幸いです。
『かくしごと』は映像クリエイター・関根光才の長編2作目となる監督作品で、ミステリー作家・北國浩二の小説『嘘』が原作のヒューマンミステリー。長年確執のあった父親の認知症の介護のため田舎へ戻った主人公・千紗子は、事故で記憶を失った少年に虐待の痕を見つけ、少年を守るために自分が母親だと噓をつき、疑似親子の関係を築いていく。キャストには杏、奥田瑛二、中須翔真、安藤政信、佐津川愛美、酒向芳らが名を連ねる。
映画『かくしごと』
監督:関根光才
原作:北國浩二「噓」(PHP文芸文庫刊)
出演:杏、中須翔真、佐津川愛美、酒向芳、木竜麻生、和田聰宏、丸山智己、河井青葉、安藤政信、奥田瑛二
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024「かくしごと」製作委員会
2024年6月7日(金) TOHOシネマズ 日比谷、テアトル新宿他全国ロードショー
公式サイト happinet-phantom.com/kakushigoto
<ストーリー>
絵本作家の千紗子は、長年絶縁状態にあった父・孝蔵の認知症の介護のため、渋々田舎に戻る。他人のような父親との同居に辟易する日々を送っていたある日、事故で記憶を失ってしまった少年を助けた千紗子は彼の身体に虐待の痕を見つける。少年を守るため、千紗子は自分が母親だと嘘をつき、少年と暮らし始める。
ひとつの嘘からはじまった千紗子と少年、そして認知症が進行する父親の3人の生活。最初はぎこちなかった3人だが、次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく。しかし、その幸せな生活は長くは続かなかった‥‥。