12月8日(金)より全国順次公開となる映画『Winter boy』の本編冒頭映像、著名人コメント、イラストが解禁された。
同作は『愛のあしあと』『今宵、212号室で』などで知られるクリストフ・オノレ監督が、自身の自伝的な物語を映画化したもの。家族を亡くす痛みと、心の再生を描いた感動作となっている。すでに解禁されている予告映像では、1980年代に活躍したイギリスのシンセポップデュオ・Orchestral Manoeuvres In The Darkによる名曲”Electricity”が流れる中、突然の父の死により心が砕けてしまった17歳のリュカが、初めて訪れたパリで様々な青春を経験する様子が映し出されている。
主人公リュカを演じたポール・キルシェは『第70回サン・セバスティアン国際映画祭』で主演男優賞を最年少で受賞した。その他ジュリエット・ビノシュがリュカの母役で出演、ヴァンサン・ラコスト、エルヴァン・ケポア・ファレが主要キャストに名を連ねている。劇中音楽は『娼年』『窮鼠はチーズの夢を見る』の半野喜弘が担当した。
初解禁となった映画本編の冒頭映像では、寮に住む平凡な17歳の高校生だったリュカが、父を亡くす2週間前を振り返り、語り始める様子が映し出されている。
合わせて、『モアザンワーズ/More Than Words』で知られる漫画家の絵津鼓、『蛇にピアス』で芥川賞を受賞した小説家の金原ひとみ、精神科医の藤野智哉など、映画を鑑賞した著名人6名によるコメントも発表された。
自分とまったく同じ感情を誰かと分かち合えることはないという孤独に凍え、
ふと共にある音楽はさりげない人生のよすがだと実感し、心が暖まる。
絵津鼓(漫画家)
ときどきティーンの自分を振り返る。未熟なままで厳しい社会と向き合わざるを得なくなったときの、自分自身の衝動の得体の知れなさ、危うさを思い出し未だにギュッと目をつぶってしまう。主人公リュカは私ではない。同じ経験をしたわけでもない。けれど、ここにある痛みを確実に知っている。古傷を誰かと見せ合ったような親密さに、包まれるようなあたたかさを感じた。
奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)
派手な話ではない。しかしこんなにも共に生きたと思える映画はない。
行き場のない、彷徨う魂と共に、パリを徘徊した。
金原ひとみ(小説家)
まっさらなキャンバスを塗りつぶしては彩りまた塗りつぶしを繰り返した少年時代を、この映画が思い出させてくれた。
鈴掛真(歌人)
希望はどこでもいつからでも得ることも失うこともできるもの、自分ならどうするか考えながら見て欲しい物語。
藤野智哉(精神科医)
セクシュアリティにまつわる苦悩と受容。
絶望と希望の間にいたリュカ世代の監督に思いを馳せる。
よしひろまさみち(映画ライター)
また、アーティスト・カナイフユキによるイラストも公開。リュカの悲しそうな表情、それを救い出した年上のアーティストのリリオ、そしてギターを弾きながら心を癒すリュカという、同作のエッセンスを凝縮した1枚となっている。
『Winter boy』(原題:Le lycéen)(R15+指定作品)
監督・脚本:クリストフ・オノレ『美しい人』『愛のあしあと』
音楽:半野喜弘『娼年』『窮鼠はチーズの夢を見る』
出演:ポール・キルシェ、ジュリエット・ビノシュ『トリコロール/青の愛』『真実』、ヴァンサン・ラコスト『アマンダと僕』、エルヴァン・ケポア・ファレ
配給:セテラ・インターナショナル
協力:Uni France/French Film Season in Japan 2023
【原題:Le lycéen/2022年/フランス/仏語/2.39:1 /5.1ch/122分/日本語字幕:横井和子】
公式HP:https://www.winterboy-jp.com/
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