メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

ずぶ濡れフェス『S2O JAPAN』主催インタビュー。由来はタイのお祭りソンクラーン

2024.7.19

S2O JAPAN

#PR #MUSIC

今年もまたやってきた夏本番の暑さからの逃げ場はなく、汗対策のはずのタンクトップは最寄り駅に着くころにはもはや役立たず。電車の中吊り広告からこちらを見つめる売り出し中の若手イケメン俳優の清涼感には到底及ばず、いっそのこと頭から水を被ってどうでもよくなりたいとさえ思う。

8月2日(金)から4日(日)に開催される『S2O JAPAN』は、タイの『ソンクラーン』と呼ばれる水掛け祭りに由来する、「世界で最もずぶ濡れになる音楽フェス」。EDMを基調とした音楽で踊りながら、1日あたり100万ℓ放水される水を浴びて「ずぶ濡れになる」正当性が与えられているフェスだ。

5年ぶりの開催となる今回は、初日にCreepy Nutsのスペシャル初野外ワンマンが開催されるほか、前回も出演したKSHMRとYellow Clawなどの豪華DJ陣もカムバック。久しぶりのオーディエンスはもちろん、初めてのオーディエンスも受け入れる。

一見、「ずぶ濡れ」にどこまでもストイックなフェスの内実は、タイと日本の関係性向上と日本のアーティストの海外発信、さらには全年齢に開かれた場所作りを目指す意欲的なものだった。5年ぶりの開催を前に『ウォーターラン』などのイベントを手がけ、『S2O』を日本に持ち込んだKIUCHIに話を聞いた。

タイのお祭りが由来。大人も童心に帰れる水遊びフェス

―2015年にタイで初開催された『S2O』とは、どんなフェスなのでしょうか?

KIUCHI:『S2O』は、タイで毎年4月に行われる『ソンクラーン』という水掛け祭りと音楽をコラボレーションさせた「世界で最もずぶ濡れになる音楽フェス」と称されるダンスミュージックフェスティバルです。『ソンクラーン』はタイの代表的なお祭りで、新年を祝い、目上の人の手や仏像 / 仏塔に水を掛けてお清めをするものでした。タイの最も暑い季節に行われることから「水掛け」が現地の若者を中心にお祭りへ発展し、今ではアジア最大級の動員を誇る世界的なフェスティバルとなっています。

―KIUCHIさんが初めて『S2O』に参加したときのことは覚えていますか?

KIUCHI:『S2O』が開催された2年目から参加していますが、童心に帰ったような気持ちになりました。友達と遊園地のプールに行った日のことや、海で家族と過ごした時間。子どものように「本気で遊ぶ」不思議な感覚に魅力を感じたことを覚えています。

前回開催時の様子
屋内, 人, テーブル, コンピュータ が含まれている画像

自動的に生成された説明
前回開催時の様子

―その後、『S2O JAPAN』が開催されるまでにどういった経緯があったのですか?

KIUCHI:10年ほど前、日本でティーン向けのマラソン拡張型イベント『カラーラン』や『カラーミーラッド』が流行った時、知り合いの企業が『ウォーターラン』をやることになったんです。それが『S2O JAPAN』の前身的なイベントなのですが、その企業がエンタメ音楽に明るい人を探していて。そこで、音楽の会社をずっとやってる自分が総合演出とキャスティングで参加することになりました。『ウォーターラン』は『ソンクラーン』をコンセプトにしていたものの、ウェブ上の映像や知識を参考にしているだけだったので「実際に行ってみよう」と調べているうちに、『S2O』にも辿り着きました。

日本で前例のないフェスを一から作り上げた経験

―『S2O JAPAN』以前にも、既に水を使ったイベントを開催されていたんですね。

KIUCHI:『S2O』は特殊なイベントで、通常の「特効」と言われる炎や水の演出の範囲でできる内容ではないんです。なので、日本で『S2O』を開催できるのは『ウォーターラン』の知見を持っている自分たちしかいないのでは、と思いました。日本の『ウォーターラン』が2年目を迎えた頃、知り合いのDJでタイに移住した人がいたので、『ウォーターラン』の企画書を翻訳してもらって本国の『S2O』の主催者にDMで送ったのが最初のアクションでした。

―日本で実現するにあたり、ハードルとなったのはどんな部分でしょうか。

KIUCHI:イベント作りの経験はあるものの、『S2O』ほどの規模のイベントを開催する知見は全く持ち合わせていなかったので、毎日壁にぶち当たっていたように思います。当たり前ですが、準備期間は収益が0円なんですよね(笑)。でも、やらないと一銭にもならないので、とにかく試行錯誤しながら前に進める努力をしてました。

後からわかったことなのですが、中小企業が一から企画を作ってライセンスを取ること自体が珍しいケースなんです。『ULTRA JAPAN』を日本に持ち込んだ小橋(賢児)さん以外だと日本では自分が最年少らしくて。やり方を教えてくれる先生もいないのと、エンタメ音楽って結構特殊な業界なので、よほどお金がない限りやりたくてやれるものでもないんです。ドラクエみたいに壁にあたっては少し進んで……を繰り返していました。

―『ULTRA JAPAN』のお話がありましたが、『S2O』を日本に上陸させるにあたり、参考にしたイベントはありますか?

KIUCHI:本国タイの『S2O』だけにフォーカスしてました。見本があるものは真似できるので。『ウォーターラン』の時は見本がなかったので、イベントで使う3000人分の水風船をどうやって調達するのかといったことから考えなければいけませんでした。

『S2O』が日本に海外初上陸した理由。日本との親和性

―『S2O』のターゲットはどういった人に設定しましたか?

KIUCHI:『S2O』は「おしゃれでかっこいい」イベントというのが根底にあるので、トレンドに敏感な18歳から35歳がメインターゲットです。加えて、今は訪日観光客も多いので、そういったお客さんにも来てもらえたら嬉しいです。日本はタイ以外で『S2O』が初めて開催された国でもあるので、ぜひ『S2O JAPAN』の雰囲気を楽しんでもらえたらと思います。

Ticket for Overseas

―日本が「海外初上陸国」となった特別な理由は何かあるのでしょうか?

KIUCHI:タイの『S2O』代表のプリンが「2カ国目は絶対日本が良い」と言っていたんです。『SUMMER SONIC』や『FUJI ROCK FESTIVAL』は海外でも知られているので、日本にフェス文化が根付いていることが理由のようでした。自分が『S2O』に連絡した時にも、既に日本から3社ほどの企業が『S2O』を誘致しようとアタックしていたらしいのですが、『S2O』を日本で開催したい気持ちを作文にして提出したら無事に自分が開催できることになりました。

―日本以外にも香港、ソウル、台湾、ベトナム、ニューヨークでも開催されていますが、ローカライズしている演出などありますか?

KIUCHI:契約上、『S2O』はEDMさえあれば、他ジャンルも取り入れていい仕組みになっているんです。タイの『ソンクラーン』や『水掛け祭り』の習慣を日本にもっと普及させたい気持ちが一番にありますが、『S2O JAPAN』独自の狙いとしては、世界から注目される日本のアーティストのブッキングも増やして、将来的には『サマソニ』や『フジロック』のようなイベントに育てたいと思っています。それで前回はWANIMAに出演してもらいましたが、今回はCreepy Nutsに出演してもらうことになりました。

テキスト

低い精度で自動的に生成された説明
初日はCreepy Nutsの初野外ワンマンライブ
2日目、3日目はEDMやテクノを基調としたラインナップ

―プレスリリースにもある通り、「四方から水が降り注ぐ」演出が『S2O JAPAN』の特徴かと思いますが、今年の『S2O JAPAN』の特徴を教えてください。

KIUCHI:水掛け祭りのアイデンティティとして1日100万リットルの放水は維持しつつ、都市型のフェスとして、会場を幕張からアクセスの良いお台場に戻しました。音楽に関しては、今回新たにテクノのDJも取り入れつつ、純粋に音楽が好きな人にも楽しんでもらえるラインナップを意識しました。派手なステージ演出を「見る」のではなく、「体験型」のアトラクションとして楽しんでもらえると思います。

https://youtu.be/z3UUNrN_Qps?feature=shared

アーティストからも人気の『S2O JAPAN』、ラインナップの見どころ

―具体的に5年ぶりに開催される今年の『S2O JAPAN』ラインナップの見どころについて教えてください。

KIUCHI:Creepy Nutsは初の野外ワンマンライブで、来年には東京ドーム公演を控えているタイミングなので、ぜひ日本のお客さんにも貴重な機会を目撃してもらいたいです。世界的に”Bling-Bang-Bang-Born”がバズったタイミングで、海外のお客さんにも来てもらいたいですね。『S2O JAPAN』は、出演したアーティストからも「楽しかった」という感想をいただきます。

―2日目、3日目のラインナップについてはいかがでしょうか?

KIUCHI:過去に出演したアーティストに再び出演してもらうことで、以前に参加したお客さんに「また行きたい」と思ってもらえるようなラインナップを意識しました。前回は各日のヘッドライナーだったKSHMRとYellow Clawは、どちらも8月3日(土)に出演します。ヘッドライナークラスのDJを1日に集約させながら、Lucas & SteveやRetroVisionといったアーティストが日中の時間を盛り上げる。他にも、近年知名度を高めているアジアにルーツを持つLiuやMASANORI MORITAなど、1日を通して楽しめるラインナップだと思います。一方で、8月4日(日)に出演するMADEONは来日公演があまり多くないので、貴重なパフォーマンスをぜひ見てもらえたらと思います。

https://open.spotify.com/playlist/0JubO6Ip95fp3snZe24FuV?si=a8908ab8b4b24933

―今年はアジア初の取り組みとして17歳以下の中高生向けの「TEENチケット」も販売されています。どういった人に参加して欲しいですか?

KIUCHI:海外の場合、事故が起こりやすいといった懸念事項が多く、10代のお客さんが参加できる環境を実現するハードルがすごく高いんです。日本だと警備やスタッフもしっかりしている上に、放出する水の品質も蛇口の水と変わりない。そうした日本特有の背景もあり、タイ側の合意も取れたので、10代向けのチケットを導入することになりました。もっと多くの人にタイの『ソンクラーン』を知ってもらえたら嬉しいです。

水に濡れるだけじゃない、『S2O JAPAN』が目指すタイと日本の関係

―コロナ禍もあって2019年以来5年ぶりの開催です。前回と違うところや今回の見どころを教えてください。

KIUCHI:アーティストのラインナップはもちろんですが、「タイ日関係向上」を裏テーマに掲げているので、食事やお酒でも存分にタイを楽しめるフェスになっています。代々木公園の『タイフェスティバル東京』で好評だったスイカスムージードリンクも販売が決定しました。五感で感じてもらいながら、「微笑みの国」タイをもう一段階深く知るきっかけにしていただけると思います。

白いバックグラウンドの前に立つ女性たち

低い精度で自動的に生成された説明

KIUCHI:そして、今年のもう1つの目玉として、タイの国民的タレントで『S2O』のファウンダーでもあるウッディーも来てくれることになっています。日本のマツコ・デラックスさんや坂上忍さんのような存在で、タイでは知らない人はいない超有名人です。

―『S2O』がタイと日本の交流のハブになりそうですね。

KIUCHI:今後はさらに「タイと日本の関係向上」にも貢献していけたらと思っています。タイは新日国家であり、横浜アリーナで開催されたタイの人気ドラマのイベントがソールドアウトしたりと、相性がいいと思うんです。さらに、アメリカ・マイアミ発のヒップホップフェス『Rolling Loud』がアジアで初めてタイで開催され、タイという国がアジアのハブになっている。そういった中で、タイとの関係性を改めて築く必要性も感じています。

その第一歩として、今回からタイ大使館やお台場観光局、東京都といった行政にも後援に入ってもらったり、東京ジョイポリスさんやヒルトン東京お台場さんなどのお台場にある施設でCMを流してもらったりと、官民一体となった地域密着型の展開にも取り組んでいます。

そして、『S2O JAPAN』を全年齢の方に来てもらえるようにしていきたいです。現状は対象年齢が限られていますが、会場のある江東区は商業施設の撤退などの影響で、過去10年で動員数が半減している事実もあります。東京で新しいお祭りを作るのはとても大変ですが、実現できれば若い世代にも元気や刺激を与えられるのではないかなと思っています。

2026年には日本のアーティストをアウトバウンドするアジアライブツアーを、その後には、5000人から1万人規模で子ども連れでも参加しやすいキャンプと水掛け祭りを融合した『S2Oジャングル』という企画も準備しています。最終的には、『S2O JAPAN』の開催と同時期に東京の新しいお祭りとして『ソンクラーン』も開催できることを目指していきたいです。

屋外, 人, 男, 民衆 が含まれている画像

自動的に生成された説明

<S2O JAPAN SONGKRAN MUSIC FESTIVAL 2024 開催概要>

■日程:2024年8月3日(土)、4日(日)
■時間:開場 12:00 開演 13:00
■会場:お台場R地区 S2O JAPAN特設会場
■住所:〒135-0064 東京都江東区青海
■主催:S2O JAPAN SONGKRAN MUSIC FESTIVAL 2024実行委員会
■後援:在東京タイ王国大使館
■オフィシャルHP / SNS
HP    :https://s2ojapan.com/
Instagram:https://instagram.com/s2ojapan/
X    :https://twitter.com/s2ojapan
YouTube :https://www.youtube.com/@S2OJAPANofficial

<オフィシャルアドバンスチケットインフォメーション>

■イベント名 S2O JAPAN SONGKRAN MUSIC FESTIVAL 2024
(エス・ツー・オー・ジャパン・ソンクラーン・ミュージック・フェスティバル・2024)
■受付期間 〜8月1日(木)23:59 *なくなり次第受付終了となります。 
■受付URL https://s2ojapan.com/
■オフィシャルアドバンスチケット料金(税込) *全チケットS2Oオリジナル防水携帯ケース付き
2日通し券     30,800円
1日券(各日)  16,800円(定価:17,800円)
VIP 2日通し券  42,800円 VIP特典・・・水に濡れないエリアです。
VIP 1日券(各日) 26,800円(定価:27,800円)
TEEN 1 日券(各日) 9,800円(定価:12,800円) *TEEN・・13歳以上17歳以下

<備考>
※チケット販売サイトには当イベントに関する注意事項、及び参加条件が記載されていますので、必ずお読みください。
※開場 / 開演時刻は変更になる可能性がございます。
※入場時“ID”チェック有り。必ず顔写真付き身分証をご持参ください。
※雨天決行、荒天中止。
※チケットの払い戻しは致しません。
※お一人様各4枚までご購入可能。
※13歳以上入場可能(VIPエリアは20歳未満入場不可)。

<S2O JAPAN 2024 ×Creepy Nuts SPECIAL ONE MAN LIVE開催概要>

■日程:2024年8月2日(金)
■時間:開場 15:00 開演 16:00 ライブ開始 18:30
■会場:お台場R地区 S2O JAPAN 2024特設会場
■住所:〒135-0064 東京都江東区青海
■主催:S2O JAPAN SONGKRAN MUSIC FESTIVAL 2024実行委員会
■後援:タイ王国政府観光庁

<S2O JAPAN 2024 × Creepy Nuts SPECIAL ONE MAN LIVE生配信概要>
■日程:2024年8月2日(金)
■会場:お台場R地区 S2O JAPAN 2024特設会場
■配信プラットフォーム:PIA LIVE STREAM
■配信時間:サイトOPEN 18:00 ライブ開始 18:30
■アーカイブ配信期間:ライブ配信終了後~ 8月9日(金)23:59
■料金:3,800円(税込)
■チケット販売時期: 7月17日(水)18:00〜8月9日(金)18:00
■チケット販売URL
https://w.pia.jp/t/s2ojapan24-creepynuts/

<WOWOW番組概要>
■番組名 Creepy Nuts SPECIAL ONE MAN LIVE ~from S2O JAPAN 2024~
9月放送・配信予定
番組サイト
https://www.wowow.co.jp/music/creepynuts/
※放送・配信終了後~アーカイブ配信あり

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS