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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

デザイナーの渡辺明日香は、『フジロック』らしい配色を探求してキービジュアルを作る

2025.7.30

#MUSIC

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。7月7日から、7月24日までの3週間は、「『フジロック』でつながる友達の輪」ということで、『フジロック』で出会った! 一緒に行くよ! そんなお友達でつないでいただきます。

7月10日は、キャンドル空間アーティストのミナイマサシさんからの紹介で、『フジロック』のアートディレクションも担当する、デザイナーの渡辺明日香さんが登場。『フジロック』のキービジュアルを任されるようになった経緯や、毎年話題になる入場ゲート、今年の会場の見どころなどについて伺いました。

2025年の『フジロック』のキービジュアルは、色数を絞ったフラットなデザインに

Celeina(MC):渡辺さんはグラフィックデザイナー / イラストレーター / アートディレクターとして活躍されていて、2017年から『フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)』のポスターを手がけるようになったということです。2023年からは、キービジュアルを担当されています。

タカノ(MC):我々も間接的にですが、本当にお世話になっています。

渡辺:ありがとうございます。

Celeina:2025年のこのオレンジと緑のビジュアルも、渡辺さんが担当されているんですよね?

渡辺:はい、作らせていただいております。

タカノ:素敵な色使いですよね。

Celeina:ポスターを担当されるようになったのは、どういったきっかけだったんですか?

渡辺:私が『フジロック』のポスターを作り始めたのは2017年からなんですが、その1年くらい前に「キービジュアルを一新したい」というお話があったんです。その頃までは、クラブイベントのフライヤーなどをいろいろ作っていたんですが、それをたまたま見たSMASHの方がクラブ経由で連絡をくださって。「ちょっとやってみますか?」という形で、『フジロック』とのお仕事を始めさせていただきました。

タカノ:SMASHの目の付け所がさすがですよね!

Celeina:ビジュアルで、毎年こだわられているところはありますか?

渡辺:今年のデザインに関しては、去年と一昨年から少し印象を変えたいという思いがあったんです。去年はグラデーションや花のモチーフを使って祝祭感が出るようなイメージにしていて、その前の年は写真を加工した複雑なデザインだったんですが、今年はもっとシンプルでフラットなデザインにしました。色数も絞って印象付けをしていきたいなというところで、結構思い切ったビジュアルに仕上がっています。

タカノ:言われてみればそうですね。オレンジ、紺色、緑色という感じで、色が絞られています。

Celeina:緑も、ちょっと深い緑が使われていますね。

渡辺:緑は、毎年マストで使っているんです。やっぱり『フジロック』は自然が豊かだし、GREEN STAGEなどもあって、緑のイメージがあると思うので。なので、緑を前提として、それに合う強く見える色で『フジロック』らしさが出るような配色を探して、作っていきました。

Celeina:色の組み合わせは、いろいろ実験して試された結果、この配色になっているんでしょうか?

渡辺:そうですね。試行錯誤を重ねて、SMASHの方たちにも何回も見てもらって選びました。

タカノ:鳥のモチーフや、太陽のモチーフも印象的ですよね。

渡辺:これらのモチーフは、ピースなイメージを出したくて選びました。1969年に開催された『ウッドストック・フェスティバル』の有名なポスターには、ギターの上に鳥が乗っているんですが、そういうところからも影響を受けています。お花も、そのフェスティバルに近いような、印象的な祝祭感がすごく出るので、モチーフとして取り入れることが多いです。

入場ゲートはすべて手塗り。モニュメントや展示作品も制作

タカノ:渡辺さんは、『フジロック』の入場ゲートも制作されています。これは、いつ頃から準備が始まるんですか?

渡辺:明後日の12日からで、私も明後日から苗場入りです。

Celeina:ギリギリでご出演が叶ったんですね! 今も、まさに準備中ですよね? お忙しいところ、ありがとうございます。

渡辺:はい、絶賛準備中です。入場ゲートは全部手塗りで、私は2022年から現地に行って手塗りしています。

Celeina:助けてくださるチームの皆さんは、何名くらいいらっしゃるんですか?

渡辺:塗るのは3人ぐらいです。

Celeina:結構少人数ですね!

タカノ:大変じゃないんですか?

渡辺:そうですね、かなりパワープレイで仕上げています。

タカノ:今言える範囲で、今年のフジロック全体の装飾やアートはどんな感じになっているのか、お伺いできますか?

渡辺:今年はちょっと、やることが増えちゃって(笑)。ゲート以外にも1個モニュメント的な装飾品を作っていて、そこは待ち合わせスポットみたいになるといいなと思っています。他にもYELLOW CLIFFの辺りとか、いろいろと準備しています。

あとは新しい試みで、若手アーティストの作品を会場内に展示する予定なんです。7名のアーティストと私が参加していて、8つの作品が会場内のどこかに展示されているので、ぜひ立ち寄っていただきたいです。

Celeina:それは宝探しみたいに、展示エリアに行くまでどこにあるか分からない感じなんですか?

渡辺:はい、場所は現地に行ってからのお楽しみです。

フジロックは人生。2021年のBEGINが心に沁みた

Celeina:ますます『フジロック』が楽しみになってきましたね。今年も開催まであと15日ということですが、2025年のラインナップで渡辺さんが気になっているアーティストはいらっしゃいますか?

渡辺:私は山下達郎さんに注目しています。

Celeina:皆さん注目されていますね、絶対見たいですよね。

渡辺:山下さんをフェスで見られるのはすごく楽しみです。    

タカノ:さあ、皆さんには『フジロック』でもらった「チャージソング」をお伺いしています。渡辺さんの「チャージソング」は何でしょうか?

渡辺: BEGINの”笑顔のまんま”です。2021年の『フジロック』で、BEGINがFIELD OF HEAVENステージに出演していて。その時のパフォーマンスがとても心に残っていたので、この曲を選びました。

タカノ:HEAVENステージのBEGIN、どうでしたか?

渡辺:私自身、ちょっといろいろあった年だったんですよね。まだコロナ禍を引きずっていた時期だったこともあって、複雑な気持ちで制作に関わっていたんです。でもBIGINのステージはトークとかもすごく良くて、結構心に沁みて。良いステージを見ても、なかなか涙が出るところまではいかないんですけど、涙が出たのは初めてぐらいかもしれない、というぐらい、グッと来ちゃって。その思い出を込めて、この場で選ばせていただきました。

https://www.youtube.com/watch?v=_iQtmeb9A4E

タカノ:歌詞も沁み込みますよね。状況も相まって。最後になりますが、渡辺さんが思う『フジロック』の魅力とは、ズバリ何でしょう?

渡辺:私はもう、「『フジロック』がないと無理」みたいな感じがあります。人生そのものぐらいの勢いですね。

Celeina:『フジロック』 is Lifeですね!

渡辺:それぐらい、私はどっぷりいっちゃっています。

Celeina:いいですね、ありがとうございます。「Jackery FIST BUMP」、今日は『フジロック』のデザインも担当しているデザイナーの渡辺明日香さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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