グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
1月30日は、バンド「Limited Express (has gone?)」のギターで、京都のDIYフェス『ボロフェスタ』の代表、そして音楽情報、音源配信サイト『OTOTOY』の取締役、さらにリアル脱出ゲームイベントで有名な株式会社SCRAPの取締役を務める飯田仁一郎さんが登場。飯田さんが手掛ける4つのコンテンツにこめた思いや、長年続けるコツなどについてお伺いしました。
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20年近くバンド活動を続けられたのは、素直に変化を受け入れたから
Celeina(MC):昨日のゲストの麻生さんから「掴みどころのない変な人」と聞いていましたが、活動が多岐に渡っていて、掴みどころしかない方だと思いました(笑)。まずは、バンドのLimited Express (has gone?)のお話から伺いたいです。立命館大学のサークル、ロックコミューンで結成されたそうですね。
飯田:25年前ぐらいになりますが、立命館大学へ入学して、ロックコミューンというサークルに入った時に、ちょうど2つ上にくるりが在籍していました。その時はすでに、くるりが日本で売れることや大きくなることを意識して、学外に出てライブをしている姿を見ていたので、自分たちも頑張らないと、と思い、自然とオリジナル曲を作ったり、外のライブハウスでやったりするようになりました。だから、そういう意味では、他のバンドに比べると環境が良かったかもしれないです。
Celeina:20年近くバンド活動をされていますが、長く続けるコツは何ですか?
飯田:Limited Express (has gone?)で言うと、やりたいことが変わっていった時に、素直に変えたらいいと思えるように、自分たちで自分たちの枠を作らないことが大きいかなと思っています。僕たちもすごく売れたかった時期はありましたが、それがなくなったとしても、自分たちがやりたい音楽を追求するやり方もあると気づきました。そうやって、変化できることが大事だと思います。
Celeina:自分自身と向き合い話し合って、軌道修正しながら続けているんですね。
飯田:そうですね。売れたいだけだったら、絶対に続いていなかったです。
タカノ(MC):バンド活動に限らず、ものづくりをされている方や色んな方に言えることですね。
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京都だからこそ自分たちにできるフェスがある
Celeina:バンド活動と並行して、2002年からは京都でDIYフェス『ボロフェスタ』を開催されています。こちらは、どんな思いで始められたんですか?
飯田:ちょうど『フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)』が始まって5年目の頃、『フジロック』は規模がすごく大きいけど、自分たちの住んでいる京都でもこういうことができるんじゃないかと考えたんです。もう1つの理由が、くるりの登場です。メジャーのレコード会社の人が色んなバンドをわざわざスカウトしに来るぐらい、京都ムーブメントが起こっていました。
でも京都ムーブメント=青田買いのようになって、どんどんメジャーデビューしたり、東京へ行ったりして、焼け野原みたいになったんですね。バンドも残っていなくて、誰も注目してくれないみたいな状態を肌で感じて、これはまずいと思っていた時に、自分たちにも『フジロック』がやれるんじゃないかと思ったんです。その思いが合わさって、「自分たちで、京都でフェスをやってみよう」と言って始めました。もう1度、自分たちのいる京都を見てほしいという気持ちがすごく強かったですね。
タカノ:その『ボロフェスタ』も、20年以上続いていますよね。
飯田:はい。『ボロフェスタ』も長く続いている理由は同じです。昔は京都大学の西部講堂という場所でやっていましたが、今はKBSホールに場所を変えて続けています。このフェスを大きくしようと考えたこともありましたが、大きくする=リスクが上がっていくんです。
近い友人に、「大きくしようと思ったらできるけど、偉い人たちが出てきたりして、今運営などをやっている周りの友達が変わっちゃうよ」と言われて。『ボロフェスタ』は、京都という地場で、しっかり地に足をつけてやるものだから、1日1500~2000人の規模でやろうと決めてからは、 続けることが楽になりました。大きくなることを目指さなかったのは、ボロフェスタの特徴の1つです。
タカノ:皆さんの思いが乗っていて、心が通っていることが伝わります。
飯田:人口も少ない京都という特性でもあるかもしれないですね。ボロフェスタだけで食べていくことはなかなか難しいので。
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将来を見据えて、音楽情報&音源配信サイトを立ち上げ
タカノ:僕が気になったのは、飯田さんが『OTOTOY』の取締役もされているというところです。実は僕、プレスリリースをお送りしたりして、お世話になっているんですよ。こちらはどういう思いで始めたんですか?
飯田: Limited Express (has gone?)が2ndアルバムをリリースしたレーベルのオーナーで、高橋健太郎という音楽ライターがいるんですが、その方が『OTOTOY』の前身となる『recommuni』をされていたんです。『recommuni』は、いわゆる『mixi』の音楽版みたいなサイトで、そこのスタッフをやらないかと誘われたのがきっかけです。
でも『recommuni』は、ビジネス的にあまりうまくいかなかったんです。なので変革するタイミングで、僕が社長たちと企画を出して、現在の『ナタリー』や『CINRA』みたいに情報も知ることができて、タワーレコードみたいに楽曲も買えるようなサイトを目指そうと言って、始まったのが『OTOTOY』というサイトです。
タカノ:いつ頃、立ち上げられたんですか?
飯田:今年で15周年になります。
Celeina:当時はまだ音源配信があまり主流ではなかったですよね。
飯田:そうですね。でも皆、次は音源配信だということは分かっていました。ただ想像以上にCD販売が主流の期間が長かったので、そういう意味では、少し時間がかかりましたね。でも現在のようにサブスクや音源配信がメインになってからは、より軌道に乗ってきたので、『OTOTOY』を頑張って続けてよかったなと思います。