グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
10月25日は、ジュエリーブランド「SIRI SIRI」の代表でデザイナーの岡本菜穂さんからの紹介で、有楽町にある「鮨大前」の寿司職人の大前欽尉さんが出演。今回は、寿司職人になったきっかけや鮨大前の営業スタイルなどの話だけではなく、大好きなラジオへの思いについても伺いました。
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カメラマンから家業の寿司職人への転身
Celeina(MC):大前欽尉さんは、大学を卒業しカメラマンとして働いた後、父である大前守さんが有楽町のガード下にオープンしたカウンター9席のみの寿司屋・鮨大前で働き始めます。鮨大前は光り物に特化したメニュー構成やお酒持ち込みが可能など、自由な発想が人気となっています。また、カウンターに立つ大前さんは大のラジオ好きでもあるそうです。
大前:はい、寿司屋をやっています。よろしくお願いします。
タカノ(MC):ラジオがお好きなのですね。
大前:ラジオはもう生活の一部です。
Celeina:どんな時間に聴きますか?
大前:家を出た瞬間から聴いていて、仕入れや仕込み中にももちろん聴いています。お店では流してないですが、お客さんの会話がラジオみたいなものなので、常に会話が頭の中に流れていますね。
タカノ:大前さんのプロフィールが気になっていたのですが、最初にカメラマンとして働かれていたのですか?
大前:大学卒業後はカメラマンとして働いていました。学生の頃はカルチャーがすごく好きで、カルチャー系のスクールにも通っていたんです。ただ曽祖父が明治時代に店を開けてから、寿司屋の家業を代々やっていまして、僕は4代目にあたるんです。青山に大きな正統派の寿司屋があったんですが、バブルの時になくなってしまい、父親が有楽町で今の店を始めて。自然な流れだったのか、手伝いながら客商売を面白いなと思うようになりましたね。
Celeina:なるほど。大きなきっかけがあったというよりは、自然な流れでカメラマンからお寿司の道に進まれたのですね。
大前:そうですね。今でもカルチャーが大好きなので、ラジオを聴いたり、色んなイベントに行ったりしています。
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光り物限定メニューとお酒の持ち込みはお店のデメリットから生まれた
タカノ:寿司職人さんになるまでには修行があったりして、大変なこともあるのではないですか?
大前:修行は一般的にはよその店に行って習ったりするものなんですが、僕は父親から習ったものをベース、よその店で道具の使い方や所作、どんなお寿司を出しているかも見させてもらいました。あとは自分でも調べて、色んな知識を得ながら形にしていきました。
Celeina:どちらかというとフリースタイルで、自由な形でお寿司を握られるようになったんですね。最高ですよ。
タカノ:すごい技術ですよね。お寿司を握る時に測ったりしないで、目分量でされていますよね?
大前:そこは試行錯誤で、教えてもらってからすぐに「やってみて」という感じでした。
Celeina:それは一番厳しいですね。そして鮨大前は鯖など光り物に限定したメニューを展開されていて、さらにお酒の持ち込みも可能というすごく独特なスタイルですけれども、いつから始められたのでしょうか?
大前:僕が店に入ってからです。店の周りにいっぱいお寿司屋さんがありますので、何か差別化できる特徴を作りたいと思うようになりました。うちのお店は9席しかないくらい、すごく狭いんですよ。それに、たくさん仕込んだネタをしまっておける冷蔵庫も、それを並べるネタケースも小さいことがまずデメリットでした。それを逆に生かすメリットを考えた時に、市場が近いということがありました。今の市場は豊洲ですけど、当時は築地市場だったので、すぐ歩いていける距離だったんです。なので、その日に全国から入った新鮮な魚を、その日に出してしまえばいいんじゃないかと思いつきました。
さらに、魚の中でも一番傷みが早い光り物を武器にしたら面白いんじゃないかと思って始めました。あと、鯖は産地や季節を変えると、肉質の変化が色々あるんですよ。そういう食べ比べも面白いかなということで、鯖や光り物を主役にしました。
タカノ:お酒の持ち込みも保管する場所がないということからですか?
大前:それもありますし、父親がお酒を飲めない人で、お店を始めた時に「分からないから買ってきて」というところからスタートしちゃったんです。それでお店を成り立たせる方法を考えた時に、お任せスタイルに変えました。席数も少ないというデメリットが、逆にギリギリの仕入れで、無駄なく回せるというメリットになりました。発想を変え、常に席が埋まっていればいいかなと。
Celeina:鮨大前だからこそできるスタイルですよね。
タカノ:きちんと弱みを強みに変換していますよね。お客さんは自分の好きなお酒を飲めるのも嬉しいですね。
Celeina:お客さんはどのような形でお酒の持ち込みを活用していらっしゃいますか?
大前:来る時から持ち込みされています。そこから楽しんでもらえればいいかなと。そのシステムを面白がって来てくれる人が多いので、逆に集客の1つの武器にもなりました。
Celeina:現在は予約が困難になっていて、2カ月ぐらい先まで埋まっていると伺っています。
大前:年内は埋まっていて、来年の予約は受け付けています。
Celeina:来年以降にリスナーの皆さん行ってみましょう。
タカノ:そうしましょう。ちなみに、今日はどのようなメニューでしょうか?
大前:今日は市場がお休みなので、店もお休みです。休市日に合わせています。
Celeina:鮮度を第一に考えていらっしゃるところは、お客さんにとっては嬉しいですよね。
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近い距離感で話ができることがやりがいであり生きがい
Celeina:大前さんはカウンターに立たれていらっしゃるということですけれども、お寿司屋さんならではのコミュニケーションの喜びなどはありますか。
大前:やっぱりお客さんとの会話が一番の楽しみですし、やりがいであって、生きがいですね。お客さんとの距離が近いので、自ずと深く話が進んで色んな話が聞けるんです。穴蔵のようなところにずっといるのですが、色んな職業の話とか世界の話を聞いています。
タカノ:スナックとかバーみたいですね。
大前:こういう距離感で話せるのが好きなので、それができるのであれば寿司屋じゃなくても良かったんです。
Celeina:もしかしたら、お喋りしたいというのはラジオがお好きというところからきているのかもしれないですね。ここで、1曲お送りしたいと思うのですけれども、大前さんにこの時間にみんなで聴きたい曲を選んでいただきました。選んだ理由と曲紹介をお願いします。
大前:自分が大好きな曲を選びました。奇妙礼太郎トラベルスイング楽団で”オンリーユー”です。
Celeina:奇妙礼太郎トラベルスイング楽団で”オンリーユー”を聴いていただきました。
大前:グッときます。
Celeina:大前さんがカフを上げ下げして喜んでいらっしゃっています(笑)。
大前:聖地巡礼です。
Celeina:そのように言ってもらえて嬉しいです。
タカノ:普段、ゲストさんが来た時は、カフの上げ下げをオフにしているんですよ。
大前:こんなスペシャルなことをさせてもらっていいんですか。ありがとうございます。
Celeina:大前さんはラジオがお好きということですが、ラジオ好きが転じて、Podcastを配信されていたと伺っています。
大前:Podcastというものが世の中に出る前でしたね。
Celeina:インターネットラジオをされていたんですね。我々よりラジオの先輩ですね。
大前:いや、勝手に作ってネットの海に流していただけなので、本当に遊びです。
タカノ:しかも、相方があの山中タイキさんなのですね。
大前:そうなんです。当時は、まだ何者でもなかったんですよ。ラジオ好きということで一緒にラジオを作っていたんですが、「僕はラジオパーソナリティーになりたいんだ」と言っていました。そのタイミングでJ-WAVEさんのオーディションがあって、本物のラジオパーソナリティーになっちゃったね、と。
タカノ:GRAND MARQUEEにもゆかりがあって、僕はすごくお世話になっています。
Celeina:タカノさんの代演で出演していただいたりしましたね。
タカノ:色々と繋がっていて嬉しいですね。
大前:ご縁を感じますね。
Celeina:またPodcastをやりたいなとか思うことはありますか?
大前:月曜日に「FIST BUMP」のゲストとして出ていた藤田哲平くんは個人的にやっていて、ゲスト出演をさせていただいたりもしましたが、やっぱり喋るのも面白いと思いますね。うちのお客さんで20代前半の会社員の女の子がいるのですが、食べることが好きでPodcastの番組を自分で作っている子がいたりするので興味ありますね。
タカノ:ぜひやってください。そして、その時は呼んでください!
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「鮨大前」はカルチャーが集まるコミュニティーへ
Celeina:そして、昨日の岡本さんが仰っていましたが、大前さんは色んなカルチャーに精通しているお寿司屋さんの息子さんでいらっしゃいます。
大前:お寿司屋さんの息子ってなんか面白いですね。
Celeina:お店にアート作品を飾られていると伺っています。
大前:お客さんからいただいたものですね。絵から写真、書まで色々と飾っております。
タカノ:以前、GRAND MARQUEEに出演していただいた小菅くみさんの作品も飾っていると伺っています。
大前:元々、小菅さんはお客さんでした。同い年だったので、意気投合して友達になって、それから作っていただきました。
タカノ: いい繋がりができていますね。
Celeina:コミュニティーとしてすごくいいですね。
タカノ:バーみたいな感じですね。
大前:そうなんです。本当にエンターテイメントだと思って、来店していただけたら嬉しいです。
Celeina:「FIST BUMP」グータッチでつなぐ友達の輪、ということで、お友達を紹介してもらっていますが、大前さんがご紹介してくださるのはどんな方でしょうか?
大前:スタッフさんに用意していただいた文章をそのまま読みますね。「アルゼンチンのプロサッカー選手から始まり、今は、漫画家と美容マーケッター? という、文化人の小島健太さんです。」文化人というのが言い得て妙なんですよ。
Celeina:まずは個人的な繋がりからお聞きしましょうか。
大前:僕が出会った時、彼は弁護士事務所に勤めていました。その前はアルゼンチンのサッカー選手だったらしいです。その後は、美容師免許を取ってネイリストになって、ネイルサロン経営していました。美容業界でマーケティングの仕事を始めたと思ったら、DJもやったりしていて、それでミュージックステーションに出たりしていて。他には地方の祭りを運営していたり、何をやっている人かよく分からないんです(笑)。
Celeina:リアル文化人ですね。
タカノ:明日、時間が足りるのかな。
大前:正体を突き止めてほしいんですよね。そういう意味を持って選びました。一言で表すと、変な人です。
タカノ:シンプルですね。
大前:先ほど、タイキくんとラジオをやっていたと言ったのですが、実際は3人でやっていました。そのもう1人なんです。
Celeina:なるほど。
大前:このバトンは僕らの思いが詰まったバトンなので、本当にアツいです。
Celeina:ありがとうございます。明日は文化人の小島健太さんに繋ぎたいと思います。今日お迎えしたのは有楽町にある「鮨大前」の寿司職人の大前欽尉さんでした。
大前:ありがとうございました。

いちラジオリスナーとして一生の思い出になりました😆
J-WAVEのスタッフの皆さま、タカノさんセレイナさん、貴重な機会なありがとうございました◎ https://t.co/yBBdaY6T1x— 鮨大前 (@sushi_daizen) October 25, 2023
GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann