2024年に公開された濱口竜介監督の映画最新作『悪は存在しない』。各所で絶賛された作品だが、在京のモデル事務所が国からの補助金目当てに、縁もゆかりもない土地にグランピング施設の建設を目論むというストーリーは鮮烈だった。現実社会でも絵空事ではないだろう。できることならいつだって、脈絡のない「片手間な」ビジネスが見え隠れするものではなく、文脈のあるモノや商品に囲まれていたいと思う。
ダイソンが新たに発表したヘッドホン「Dyson OnTrac™ヘッドホン(ダイソン オントラック ヘッドホン)」は、まさにそんな「文脈」溢れる製品で、掃除機、ドライヤー、扇風機と数々の製品を発表してきた同社がオーディオ製品をリリースしたことは必然とも言えるだろう。すぐに指摘できる人は多くはないかもしれないヘッドホンと掃除機の因果関係、そのキーワードは「ノイズキャンセリング」だ。
全世界に先駆けてDyson OnTrac™ヘッドホンが日本でリリースされた。9月19日に行われたプレミアムローンチパーティではLicaxxxがDyson OnTrac™を使用してプレイ。YaffleやPORIN(Awesome City Club)、さらさ、MANAとKANA(ex.CHAI)らも参加したパーティの様子をレポートする。
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Dyson OnTrac™ヘッドホンのアーティストからも評判の機能
2023年に初号機となる空気清浄機付きヘッドホンDyson Zone™を発表したダイソンにとって、Dyson OnTrac™ヘッドホンは2号機となる。耳当てから伸びたサイボーグ風のアームが口まわりを覆うSFチックなフォルムのヘッドホンを覚えている人もいるのではないだろうか。
はじめに、そんなDyson OnTrac™ヘッドホンの機能について触れておきたい。業界最高クラスを誇るノイズキャンセリングは、アクティブノイズキャンセリング(ANC)システムを搭載。さらに可聴域を超えた6Hzから21kHzの周波数までも再生。深いサブベースから高音まで忠実に再現できるほか、よりダイレクトに音を届けるため、スピーカーは耳の方向へ13度傾けた設計になっている。実際に筆者も会場で試聴してみたが、驚くほどにクリーンな音質で驚いた。オーディオメーカー以外が手がけるヘッドホンにありがちなドンシャリ感もなく、心地いい音質で音楽を楽しむことができる。
また、バッテリー寿命は最長55時間で、アクティブノイズキャンセリングを有効にした状態で最大2週間の再生が可能。充電するデバイスが増えた生活を送るユーザーにとって嬉しいバッテリー事情となっている。さらに、ヘッドホンの操作や音のカスタマイズは全て、所有するダイソン製品を一括管理できるスマートフォンアプリのMyDyson™アプリで調節可能。イコライザー、ノイズキャンセリングなどの操作や音のカスタマイズはもちろん、耳元と周囲の音量をリアルタイムでモニタリングし、耳に負荷がかかる音量を検知した際にはお知らせもしてくれる。
音楽家の水野蒼生は「ノイズキャンセリングももちろんですが、アプリの使い心地がすごくよさそうだなと思いました。イコライザーかけないときに、かなりナチュラルに音を再現してくれる感じが好きです。外音の取り込みも自然なので、ぜひ日常的に使いたいなって思いました」とコメント。
アーティストのmaco maretsは、「普段イヤホンを使っているので、ヘッドホンは重たい印象がありましたが、Dyson OnTrac™は軽いうえに付け心地もよく、フラットに原曲の良さを伝える素直なサウンドがめちゃくちゃフィットしました。見た目がヘビーなので低音がどっしりくる感じかなとも思いましたが、そんなこともなく、品のある音像が好きです」と話していた。