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大ヒットインド映画『ドゥランダル作戦』プロデューサーが明かす、音楽とアクション演出の裏側

2026.7.27

#MOVIE

2025年にインドで公開されるやいなや、インド映画史を塗り替える爆発的ヒットとなった超大作『ドゥランダル作戦』が、ついに日本でも7月10日(金)から公開され、反響を呼んでいる。

同作をはじめ、『花嫁はどこへ?』や、『フォレスト・ガンプ/一期一会』のヒンディー語リメイク『Laal Singh Chaddha』など1000本以上の作品を手がけ、ジオ・スタジオズ創設当初から同社を支えてきたプロデューサー、ジョーティ・デーシュパンデーへのインタビューが実現。

インドのメディアでもほとんど語られてこなかった、『ドゥランダル作戦』における音楽やアクション演出へのこだわり、日本との関わり、そして今後の展望とは?

「あくまでエンタメとして作る」。結果として繋がる女性のエンパワーメント

ー キラン・ラオ監督や『相撲ディーディー』の制作スタッフなどにインタビューを行ってきたなかで、何度かジョーティさんのお名前が挙がりました。女性にスポットを当てた作品を積極的にプロデュースされていると伺ったのですが、それは意識されてのことでしょうか?

ジョーティ:『マダム・イン・ニューヨーク』は、確かに女性のエンパワーメントを描いた映画と言えますね。

ただ、私自身がそれを強く意識したり、「女性観客のための映画を作ろう」と考えたりしたことは、あまりありません。あくまでエンタメとして映画を作ることを大切にしています。その結果として、女性のエンパワーメントにつながる作品になることは、同作の他にも『花嫁はどこへ?』のように、これまでも度々ありました。

ジョーティ・デーシュパンデー(Jyoti Deshpande)
インドの映画プロデューサー、メディアエグゼクティブ。リライアンス・インダストリーズのメディア&コンテンツ部門プレジデント兼Jio Studios CEOを務める。Viacom18のCEOなどを歴任。プロデューサーとして『Laapataa Ladies(ロスト・レディース)』(2023)、『Article 370』(2024)、『Shaitaan』(2024)、『Stree 2』(2024)、『Singham Again』(2024)、などを手掛ける。『Laapataa Ladies』はアカデミー賞国際長編映画賞のインド代表作品にも選出された。
あらすじ:ビジネスマンの夫、2人の子供のために日々家事をこなす専業主婦シャシ(シュリデヴィ)は、家族の中で唯一英語ができないことが悩みだった。ある日親戚の結婚式の手伝いを頼まれ単身渡米するも、英語が話せないためつらい思いをする。そんな時「4週間で英語が話せる」という英会話学校の広告を見つけた彼女は、身内に黙って学校に通い始めるが……。

インド初の女性力士の実話に基づいている映画『相撲ディーディー』は日本企業と共同制作をしました。今後も日本とはアクション映画やアニメーション映画などを一緒に作ってみたいと思っていますが、日本に限らず、様々な国と協力しながら、世界へ向けたコンテンツを発信していきたいですね。

独自のフュージョンがもたらす没入感。音楽を「入り口」にして過激なアクションの壁を越える

ー若い観客の映画館離れが進むなか、同作において、パンジャブ音楽やヒップホップのトレンドを捉えた音楽の存在は非常に重要だったのではないかと思います。

ジョーティ:そうですね。『ドゥランダル作戦』において、音楽は非常に重要な役割を果たしていて。この作品は、音楽によって映画のストーリーテリングそのものを書き換えたと自負しています。

あらすじ:1999年の航空機ハイジャック事件、そして2001年のインド国会議事堂襲撃事件―
相次ぐテロに揺れるインド政府は極秘裏に「ドゥランダル作戦」を発動させる。パキスタンの都市カラチで最も危険な都市リヤリに巣食う最凶ギャング組織から、事前にテロの情報を掴むこと。潜入という最高難度の任務に選ばれたのは、死刑囚ハムザ(ランヴィール・シン)。身分を偽り組織に入り込んだ彼は、血塗られた抗争と裏切りの連鎖に巻き込まれながら、徐々に組織の中枢へと迫っていく。だがその先で待っていたのは、国家を揺るがす巨大な陰謀だった。任務か、信念か―逃げ場なき極限の中、彼が下す決断とは。

力強くバウンシーなビートを持つパンジャブ音楽やヒップホップ、さらにインド古典音楽の要素を織り交ぜることで、従来の映画音楽とは異なる没入感を生み出しました。なかでも、私の好きな曲のひとつが“Move – Yeh Ishq Ishq”です。

この曲は、ドージャ・キャットの“AAAHH MEN!”をサンプリングしています。スチュー・フィリップス作曲の『ナイトライダー』のテーマ曲でも用いられたことで知られるこのトラックを、Sony Musicから正式にライセンス取得しました。そこに、イスラム神秘主義の伝統的な宗教歌謡である「カッワーリ」の要素をさらに掛け合わせることで、これまでにないフュージョンソングへと昇華させていて。この楽曲の存在が、アクションシーンをより強烈に印象付けてくれました。

インドのアクション映画では、アクションシーンそのものに音楽を強く重ねない傾向があります。しかし同作では、あえて音楽を前面に押し出すことで、アクション映画の構造そのものを変えようとしました。

また、アクション描写が過激で、女性の観客に届きにくいのではないかという懸念もありました。しかし、音楽が作品への入り口となったことで、その課題も乗り越えることができたと考えています。

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