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Emerald×YONA YONA WEEKENDERS対談 ワーキングクラスのシティポップを語る

2023.5.31

#MUSIC

シティポップより、ロックとかパンクに共感性がある

―Emeraldがリリースしたひさびさの新曲“i.e.”についてもお伺いしたいです。

藤井:うちらはみんな曲をつくるんですけど、この曲はキーボードの中村龍人のデモからつくった曲で、去年showmoreと2マンをしたときにお披露目した曲です。その日は中村龍人が一回バンドをお休みするタイミングで、どうしても中村龍人の曲がやりたかったんですけど、今回また中村龍人の新曲からリスタートするっていう。最初は「THE歌もの」って感じだったんですけど、自分たちがもともと持っていたルーツの部分というか、ブラック感を意識しつつも、ちょっと尖った感じの音像にしたいっていうのがあって、それで今回の仕上がりになったんです。

―ビートが打ち込みなのは珍しいですよね。

中野:“Re:ふれたい光”ぶりかな。

藤井:あの曲はコロナ禍だったから普通のレコーディングができなくて打ち込みになったんですけど、そういう理由もなく打ち込みにしたのは今回が初めてです。ニュージャックスウィング感を出したくて。磯野はギタリストだけどビート担当でもあって、逆にドラマーの高木がギターリフを考えることもあったり。うちのバンドはそういうところも変なんですよ。

中野:気づけば周りにそういうバンドがほとんどいなくなったよね。バンドはみんなで一緒くたになって、ああでもないこうでもないってつんのめってやるイメージだったけど、いまは効率化と最適化が進んで、ボーカル一人とスタジオミュージシャンとか、そういうかたちが多いなかで……。

藤井:だからYONA YONAはいいんだよ! すげえ「バンド」だもん!

中野:そう。YONA YONAとの共通点がすごく見えてくる。そういうバンドの人間臭さってイコール豊かなことだと思っていて、破綻してるとか言いながらも、なんだかんだいい人生だなと思える瞬間が3か月に一回くらいあるんです。僕らくらいの年齢になるとみんなバンドをやめちゃったり、裏方になったりするけど、未だに新しいものをつくりたいし、感動させたい気持ちがあるのはそういう瞬間のおかげで、それはありがたいなと思いますね。

キイチ:僕らの同世代のバンドマンもやっぱり解散して就職したりする人が増えたけど、そんななかでジャンルは違っても頑張ってるバンドがKen Yokoyamaさんのツアーに呼ばれてるのを見たりすると、シーンは違ってもいずれ交わることができるように頑張ろうってモチベーションになったりして。あと、ついこの間ASPARAGUSと一緒にやれたのはうれしかった!

―ここに来てYONA YONAが、パンクシーンの大先輩であるASPARAGUSと2マンをやったっていうのはいい話ですよね。

中野:夢があるなあ。僕もCAPTAIN HEDGEHOG(ASPARAGUS結成前に渡邊忍がやっていたバンド)大好きでした。

―やっぱりシティポップからは遠い名前が出てきますね(笑)。

中野:もともとシティポップとかAORみたいな名前がついてる人たちって、文化教養の高い、いい家の育ちの子っていう印象が俺にはあって。でも自分がずっと好きなのはキウイロールとかで、何もないところから産声を上げるような音楽が始まりだから、シティポップっていう単語にはずっと共感性がないんです。ロックとかパンクのほうが全然共感性がある。まあ、みんなが気持ちよく聴いてくれれば名前はなんでもよくて、ラベリングすることで入口ができるなら、「それでお願いします」って言えるくらいには大人になりました。

磯野くん:いま全ての気持ちを代弁してくれました(笑)。

全員:あははははは(笑)。

藤井:僕ももともと学生時代はパンクやメロコアを聴いてて、ドラムの高木もゴリゴリのパンク出身で、うちの兄貴と磯野もそう。唯一違うのが鍵盤の中村龍人(笑)。

中野:この前、20歳くらいの自分を知ってる人に、「中野くん、あのころ放ちまくってた殺気をどうやって押し殺して生きてるの?」って言われて(笑)。そのとき「僕はマーヴィン・ゲイを聴いて、怒りとかネガティブな感情をセクシーな歌声に昇華することにすべてを注ぐことで一応の解決を見たんです」って話をしたら、「なるほど!」ってなってて。見てくれはセクシーじゃないけど、歌声はそっちに行くことで、内側にある強い衝動と向き合おうと決めて、そこがメロコアとかハードコアからEmeraldへの入口だった。音楽やっててしんどいと思うこともあるけど、でも「ないと死んじゃう」っていうのがずっとあって、だから続けられてるんだろうなって。

―もう「シティポップ」じゃない新しい言葉をつくったほうがよさそうですね。

中野:ワーキングクラスシティポップとかね(笑)。普通に仕事をして、それなりにお金をもらって生活してても得られない豊かさを僕らはちゃんと知っていて、それは音楽のおかげだと思っていて。それをちゃんと表現して、ライブに来てくれる人や関わってくれる人に伝えられる人間になりたい気持ちが強くあります。YONA YONAを見てるとそれを感じるし、そこが伝播してるからいい仲間が集まってきてるんだろうなって。お客さんの雰囲気もめちゃめちゃいいし、そういうところでのシンパシーも感じますね。

―では最後に、6月の2マンに向けて一言ずついただけますか?

磯野くん:3年間思い続けた相手ですし(笑)、音楽はもちろん、生き方もかっこいいと思える人たちなので、大事な2マンに誘っていただいたからには期待に応えたいです。絶対いい一日になるだろうし、美味しい酒が飲めるだろうなと思います。

中野:今回のタイトルは『Re:Start』で、中村龍人が戻ってくるのもあるんですけど、一旦コロナ禍で止まっちゃったところから、もう一回ちっちゃなイカダで漕ぎ出すようなイメージなんですよね。だから、マジでみんなにはまたついてきてほしいし、しばらくライブハウスに来てなかった人たちにも戻ってきてもらいたい。そこにYONA YONA WEEKENDERSっていう最高のバンドがお供してくれるのであれば、こんな心強いことはないですね。

■INFORMATION

Emerald Pre.Premium 2 Man Show『Re:Start』
日程:2023年6月10日(土)
会場:渋谷WWW
時間:OPEN 16:45 START 17:30
出演:Emerald、YONA YONA WEEKENDERS
チケット:前売り ¥4,500 (+1D)一般
イープラス4/15(土)10:00〜
ローチケ(Lコード:75606)4/15(土)10:00〜
ぴあ(Pコード:239-625)4/10(土)10:00〜
主催 HOT STUFF PROMOTION
企画/制作 Emerald/Maypril Records
Organized by 渋都市株式会社

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