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Emerald×YONA YONA WEEKENDERS対談 ワーキングクラスのシティポップを語る

2023.5.31

#MUSIC

音楽だけでは生活できない難しさと、続けていくために守らなければならないもの

―それぞれから「泥臭い」「サバイバル」という言葉が出たように、メンタリティの部分で共感し合えている部分も多そうですよね。Emeraldはインディペンデント、YONA YONAはメジャーレーベルという違いはありますが、YONA YONAはもともとパンク~メロコアシーン出身のメンバーで構成されているので、DIY精神は強いと思うし。それと、音楽以外の仕事や家族も大切にしながら活動しているというのも共通点ですよね。

中野:僕らはホントにライブを一生懸命やって、稼いだお金をバンド費用としてプールして、それを使って音源をつくって、それを売って次の活動資金をつくって、っていうのをずっと回してる感じです。そこに大人が入ってブーストするっていう機会を一度も得ないまま……別に大人が嫌いとかそういうわけではないんですけど。

藤井:いい出会いがありそうだったけど、なくなっちゃったりね。

中野:ちょうどコロナの前に話が来てたんですよ。インディペンデントのくせに結構フェスにも出てて、「調子いいな」と思ってたらコロナが来ちゃって……そう言ってる間に、「DIYバンド」という名前を欲しいがままにしました(笑)。

Emerald(エメラルド)
2011年結成。ジャズ、ネオソウル、AORなどのサウンドにジャパニーズポップスの文脈が加わった、新時代のシティポップミュージックを提示する日本のバンド。1stミニアルバム『On Your Mind』ではリードトラック「ムーンライト」がラジオ各局でパワープレイに選出。2021年はバンド結成10周年を記念したシングル4作連続リリース企画がスタート、9月リリースの「Sunrise Love」を始め、楽曲がラジオ各局でプレイされている。2022年1月には10周年記念ワンマンライブを渋谷WWWXにて開催し成功を収める。

磯野くん:たしかに僕らは、たまたまいまの事務所に声をかけていただいて、軌道に乗らせてもらったのは大きかったですね。もともとYONA YONAは、僕以外はみんなそれぞれ別のバンドもやってたし、そこまで力を入れるつもりじゃなかったんです。僕は営業の仕事をやってて、正直あんまり時間がなかったというのもあって。でも、「こういうやり方があるよ」「こういうライブに出たらいいよ」っていろいろ教えてもらって、事務所が支えてくれたのはすごく助かりました。

ただパンク出身っていうのもあって、「メジャーってなんか嫌だな」っていうか、「こういう曲を書け」「こういう服を着ろ」みたいなことを言われたら嫌だなと思ってたんです。でも結果的に人に恵まれたというか、言いなりになるんじゃなくて、ちゃんと対等に話せるチームと巡り合えて、運がよかったなと思います。

―磯野くんは去年一度転職をされているそうですが、それはよりバンドに力を入れるため?

磯野くん:そうですね。キイチはもっと動けるように、正社員からアルバイトに戻る選択をしたり。

キイチ:妻の地元が大阪なので、大阪にまとめて帰るときに有給を使っていたんですけど、バンドが軌道にのって平日稼働が多くなったから、社員なのに平日の仕事を休むことも増えてしまって。そんなこともあって社内でいびられちゃって、「それならもうバイトに戻しちゃってください」って、自分から言いました。メジャーデビューしたばかりの頃だったんですけど。

中野:メジャーに行って、環境が大きく変わったのも大きかったの?

キイチ:ですね。計画的に「いつまでに何曲つくる」って決まっていって、でも、そういうことをやったこともなかったから、「いつまでにレコーディング、いつまでに配信、その前にMV撮影」って感じで走り続けているうちに、気づいたら2年経ってたって感じなんです。

だから、周りから見てる印象と、僕らが実際に感じてることって、結構差があるんだろうなって。友人のバンドマンから「メジャーデビューおめでとう」「リキッドルーム、ソールドアウトやばいね」「仕事もうやめた?」とか言われるんですけど、まだゴリゴリバイトしてて。なので、「もうちょっと力を入れてほしいです」みたいなことを、レーベル側に直に言ったりもして。

中野:ちゃんと話をしたんですね。

キイチ:そうですね、マネージャー呼んで飲んだりもして。チームなので、やりたいことが違ったり、向いてる方向が違ったら、「違うんじゃないですか?」って言う必要があるなと思っていて。それで結果的に、一人マネージャーが辞めたんです。

中野:YONA YONAのチーム感みたいなのはずっと感じてます。

キイチ:いまはホントにすごく一体感があって、チームが支えてくれてるなってめちゃめちゃ感じてます。

磯野くん:家族がいたり仕事があったり、年齢的にも環境的にも音楽に全振りすることはどうしてもできないので、そこのバランスはずっと「どうなんだろう?」って探りながらで。だからいまも安泰とは全然思ってなくて、まだまだですね。

YONA YONA WEEKENDERSの新曲“into the wind” Lyric Video

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