メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

Emerald×YONA YONA WEEKENDERS対談 ワーキングクラスのシティポップを語る

2023.5.31

#MUSIC

EmeraldがゲストにYONA YONA WEEKENDERSを迎えての2マンライブ『Re:Start』を6月10日に渋谷WWWで開催する。初めての対バンですぐに意気投合したというこの2組は、どちらも「シティポップ」というジャンルにくくられることが多いが、むしろそこからはみ出す歪さこそが魅力的。その「歪さ」の背景にあるのは、パンク、メロコア、ハードコアなどで培われた精神性だ。

Emeraldはインディペンデント、YONA YONA WEEKENDERSはメジャーレーベルと、現在の立ち位置こそ異なるが、どちらのバンドもメンバーは音楽以外の仕事もし、家族を持っていて、そのバランスと日々格闘しながら活動を続けている。Emeraldの中野陽介と藤井智之、YONA YONA WEEKENDERSの磯野くんとキイチを迎え、この2組だからこそ話せるリアルで人間臭いエピソードが数多く飛び交った対談から、彼らが大切にしている価値観がきっと伝わるはずだ。

珍しく出会ってすぐに意気投合。両者が感じたシンパシー

―2組は最初の対バンですぐに意気投合したんですよね。

藤井:最初は(中野)陽介さんが『exPoP!!!!!』で磯野くんに初めて会って自己紹介したら、「“東京”めっちゃ聴いてます」みたいなことを言ってくれたっていう話を聞いて。

中野:その後2020年3月に渋谷WALL & WALLで対バンして、意気投合したんですよね。

中野陽介(Emeraldのボーカル&ギター)

磯野くん:Emeraldはいい意味でどこか泥臭いというか、「ただのオシャレじゃないな」っていうのは感じていたんですけど、初めて対バンをして話をしたときに、「こういうことか」ってシンパシーを感じたんです。これまで前身バンドも含めていろんな経験をされて、泥臭い活動も経てここにたどり着いたんだなっていうのが、ステージからビンビンに伝わってきて。

中野:たしかに、いろんな経験をしてきた(笑)。YONA YONAも、都会でサバイバルしてるかっこいいバンドだなと思ってて。いい大人たちと出会って、レーベルの他のアーティストも好きなアーティストが多いし、純粋に羨ましいなと思って見てました。

YONA YONA WEEKENDERS(ヨナヨナウィークエンダーズ)
“ツマミになるグッドミュージック”を奏でるメロコア・パンクシーン発の4人組バンド。バンド名は、メンバー全員が平日は会社員として働き、夜な夜な週末にバンド活動をおこなっていることに由来し、毎晩を週末のように楽しみたいという思いが込められている。磯野くんの表現力豊かな歌声と骨のあるバンドサウンド、長きにわたってアンダーグラウンドなシーンの最前線で活躍した彼らが作り出すステージは必見。2021年4月7日(ヨナの日)にスピードスターレコーズからメジャーデビュー。2023年はFUJI ROCK FESTIVAL, GREENROOM FESTIVALへの出演が決まるなどライブシーンでも注目を集めている。

藤井:僕のなかの「いい音楽」の定義として、「その音楽を聴いたときにシチュエーションが思い浮かぶ」っていうのがあって、YONA YONAはめっちゃいろんなシチュエーションに合うんですよ。夜でも昼でもいいし、海でも山でもいいし、「それって最強じゃん!」と思っていて。

藤井智之(Emeraldのベース)

磯野くん:うれしいです! 実際、「この曲はこういうシチュエーションで流れる」みたいな想像をしながら曲をつくっていて、例えば“君とdrive”は「車のCMでかかったらいいな」と思ってつくって、本当にHonda carsのCMに使っていただいたんですよね。ちゃんと自分のイメージが伝わったのはうれしかったです。

君とdrive

中野:作家としてめちゃめちゃ優秀ってことですよね。

磯野くん:いやいや、ありがとうございます。

キイチ:でもほんと、僕らはいろんなイベントに出ましたけど、すぐに仲良くなれたのはEmeraldくらいで。だから絶対今後も一緒にやっていきたいと思ったんですけど、その直後にコロナが始まって、一緒にできなくなっちゃって。

磯野くん:そう、それで2~3年空いちゃって。今回Emeraldのイベントに声をかけていただいて、もちろん「ぜひ!」って返事をして、そのあと2バンドで一回飲みに行ったんですよ。その日が3年ぶりくらいだったんですけど、全然ひさしぶりな感じがしなくて(笑)。

磯野くん(YONA YONA WEEKENDERSのボーカル&ギター)
キイチ(YONA YONA WEEKENDERSのギター)

中野:すげえ寒い雪の日だったよね。

磯野くん:みんなで雪バシバシかぶりながら煙草吸って。

中野:僕ら年に一回は絶対2マンをやりたいと思ってて、その一回をめちゃくちゃ大事にしているんです。これまでbonobosを呼んだり、モノンクルを呼んだりしてきて。今回YONA YONAに声をかけたらすぐに返事をくれて、それはすごくうれしかったですね。

Emerald / Nostalgical Parade @ShibuyaWWWX “TEN”【Official Live MV】

音楽だけでは生活できない難しさと、続けていくために守らなければならないもの

―それぞれから「泥臭い」「サバイバル」という言葉が出たように、メンタリティの部分で共感し合えている部分も多そうですよね。Emeraldはインディペンデント、YONA YONAはメジャーレーベルという違いはありますが、YONA YONAはもともとパンク~メロコアシーン出身のメンバーで構成されているので、DIY精神は強いと思うし。それと、音楽以外の仕事や家族も大切にしながら活動しているというのも共通点ですよね。

中野:僕らはホントにライブを一生懸命やって、稼いだお金をバンド費用としてプールして、それを使って音源をつくって、それを売って次の活動資金をつくって、っていうのをずっと回してる感じです。そこに大人が入ってブーストするっていう機会を一度も得ないまま……別に大人が嫌いとかそういうわけではないんですけど。

藤井:いい出会いがありそうだったけど、なくなっちゃったりね。

中野:ちょうどコロナの前に話が来てたんですよ。インディペンデントのくせに結構フェスにも出てて、「調子いいな」と思ってたらコロナが来ちゃって……そう言ってる間に、「DIYバンド」という名前を欲しいがままにしました(笑)。

Emerald(エメラルド)
2011年結成。ジャズ、ネオソウル、AORなどのサウンドにジャパニーズポップスの文脈が加わった、新時代のシティポップミュージックを提示する日本のバンド。1stミニアルバム『On Your Mind』ではリードトラック「ムーンライト」がラジオ各局でパワープレイに選出。2021年はバンド結成10周年を記念したシングル4作連続リリース企画がスタート、9月リリースの「Sunrise Love」を始め、楽曲がラジオ各局でプレイされている。2022年1月には10周年記念ワンマンライブを渋谷WWWXにて開催し成功を収める。

磯野くん:たしかに僕らは、たまたまいまの事務所に声をかけていただいて、軌道に乗らせてもらったのは大きかったですね。もともとYONA YONAは、僕以外はみんなそれぞれ別のバンドもやってたし、そこまで力を入れるつもりじゃなかったんです。僕は営業の仕事をやってて、正直あんまり時間がなかったというのもあって。でも、「こういうやり方があるよ」「こういうライブに出たらいいよ」っていろいろ教えてもらって、事務所が支えてくれたのはすごく助かりました。

ただパンク出身っていうのもあって、「メジャーってなんか嫌だな」っていうか、「こういう曲を書け」「こういう服を着ろ」みたいなことを言われたら嫌だなと思ってたんです。でも結果的に人に恵まれたというか、言いなりになるんじゃなくて、ちゃんと対等に話せるチームと巡り合えて、運がよかったなと思います。

―磯野くんは去年一度転職をされているそうですが、それはよりバンドに力を入れるため?

磯野くん:そうですね。キイチはもっと動けるように、正社員からアルバイトに戻る選択をしたり。

キイチ:妻の地元が大阪なので、大阪にまとめて帰るときに有給を使っていたんですけど、バンドが軌道にのって平日稼働が多くなったから、社員なのに平日の仕事を休むことも増えてしまって。そんなこともあって社内でいびられちゃって、「それならもうバイトに戻しちゃってください」って、自分から言いました。メジャーデビューしたばかりの頃だったんですけど。

中野:メジャーに行って、環境が大きく変わったのも大きかったの?

キイチ:ですね。計画的に「いつまでに何曲つくる」って決まっていって、でも、そういうことをやったこともなかったから、「いつまでにレコーディング、いつまでに配信、その前にMV撮影」って感じで走り続けているうちに、気づいたら2年経ってたって感じなんです。

だから、周りから見てる印象と、僕らが実際に感じてることって、結構差があるんだろうなって。友人のバンドマンから「メジャーデビューおめでとう」「リキッドルーム、ソールドアウトやばいね」「仕事もうやめた?」とか言われるんですけど、まだゴリゴリバイトしてて。なので、「もうちょっと力を入れてほしいです」みたいなことを、レーベル側に直に言ったりもして。

中野:ちゃんと話をしたんですね。

キイチ:そうですね、マネージャー呼んで飲んだりもして。チームなので、やりたいことが違ったり、向いてる方向が違ったら、「違うんじゃないですか?」って言う必要があるなと思っていて。それで結果的に、一人マネージャーが辞めたんです。

中野:YONA YONAのチーム感みたいなのはずっと感じてます。

キイチ:いまはホントにすごく一体感があって、チームが支えてくれてるなってめちゃめちゃ感じてます。

磯野くん:家族がいたり仕事があったり、年齢的にも環境的にも音楽に全振りすることはどうしてもできないので、そこのバランスはずっと「どうなんだろう?」って探りながらで。だからいまも安泰とは全然思ってなくて、まだまだですね。

YONA YONA WEEKENDERSの新曲“into the wind” Lyric Video

活動や環境の変化が、バンドや作品に及ぼした影響

―インディペンデントとメジャーレーベルと、やはりそれぞれの難しさがありますね。

中野:Emeraldみたいに、自分たちで自分たちのケツを叩き続けるのもそれはそれでしんどくて。僕らはなにか問題が起きたら、リカバーできずにすぐ沈没してしまうと思うんです。すごく小さなイカダに乗って、風が吹いてない日も自分たちで漕いで……それを10年くらいやってるので。

でも意外と聴いてくれる人がいるんだなっていうのも実感としてあって、「その人たちにいつか会える、ライブに来てくれるんじゃないか」っていう期待があるから、頑張れる。仕事、子育て、音楽、やってることはめちゃめちゃシンプルなんですけどね。

―その3つのバランスをどう取っていますか?

中野:バランスが取れてるかって言われたら、取れてないかもしれなくて、もう破綻してるのかもしれない。もしかしたら、上手くバランスを取ってると思われてるかもしれないですけど、10年音楽やってて……。

藤井:バランスなんてなかなか取れないよね。メンバーみんなダメになっちゃう瞬間があって、俺も麻痺っておかしくなるときは音楽も聴けなくなっちゃうんですよ。ストレスを感じるとどんどんそうなって、なにが正解なのかわからなくなる。DIYでやってる以上、自分たちが動かなければそのままバンドが死んでいくってこととイコールなので、自分たちでやっていくのは面白さと難しさがあるし、メジャーレーベルにいてもやっぱり面白さと難しさがあると思うから、それぞれ違ったストレスの感じ方をしてるんじゃないかな。

―そういう活動や環境の変化が、歌詞に影響を与えたりもしましたか?

中野:僕は歌詞には裏側の苦労を出さないと決めていて、ネガティブなところから始まったとしても、絶対ポジティブにしたり、聴いた人によっていろんな受け取り方ができる歌詞に変換したいんですよね。何度もこねくり回してつくるんですけど、そういうときは人と関わるのも嫌だし、ずっと酒だけ飲んでたい気持ちになったり……やっぱり破綻してるんですよ。Emeraldが始まって5年目くらいからはそういう感じで、変な人生だなって思います。

藤井:Emeraldのメンバー6人みんな変な人生になってると思う(笑)。でもそのなかですごく恵まれたことも経験していて、だからこそ変なんだよね。良くも悪くも変な人生だなって。

中野:磯野くんは言葉に変化はあった?

磯野くん:最初は、音楽で伝えたいことなんて特になかったんです。でも、サラリーマンをやりながらバンドやってることを公に言い続けているうちに、その境遇を知って、自分と重ねて聴いてくれる人が増えていって。こういう伝え方もあるんだなって。

振り返れば自分自身も、中高生のころに銀杏BOYZの峯田さんが好きになって、ブログとか読んで人となりを知ると、音楽の聴こえ方や受け取り方がどんどん変わっていったんですよね。だからメジャーにいって、顔も知らないような人とか、海外の人まで聴いてるかもしれなくなったことで、ちゃんと言葉を届ける人を想像して書くことが増えていきました。

中野:たしかにそれは、大きな変化ですね。

磯野くん:でも最近は、「寄り添ってくれる」「サラリーマンの味方」みたいなことを言われ過ぎて、それもちょっと嫌だなって(笑)。「優しいだけの男にはなりたくねえ」と思って、それはパンクというか中二病だと思うけど、どこかでひねくれていたいんですよね。だから僕らは意図的に変な曲をつくりたがる時期があって、去年出た『嗜好性』はわりとそういう作品で。

https://open.spotify.com/album/0CiS34PalHOIuiR8f9Y1NE?si=cINmtOSPROykkfJhAjRFyw
『嗜好性』

藤井:それすげえ思ってた! なんか変なんだよなって。

キイチ:“考え中”はもともとほぼ同じテンションのままサビまでいってたんですけど、そういう変な感じを残したままアレンジしたくて、あの曲を練るだけで丸一日かけました。そうやって全員で考えることが増えたのも『嗜好性』からです。ベースのシンゴとかも、もともとメロディックパンクのベースボーカルだから、最初は休符の概念もなかったけど(笑)、自分なりにいろんなことを試すようになって、ライブの見せ方も変わったと思います。

磯野くん:そのくらいのときに一回ケンカをしたというか、「このままでいいのか?」っていうのがあったんです。さっきの話に出た、マネージャーが一人辞めたのも『嗜好性』をつくる前でした。もともとYONA YONA WEEKENDERSは僕のストレス発散で始まったバンドで、曲も歌詞も基本は僕が書いてるんですけど、『嗜好性』の前に一回みんなでワーッとなったときから、それぞれに責任感が芽生えたというか、「もっとこうしたい」みたいな意見が出るようになって。いまも僕がベースをつくってはいるんですけど、最近は僕が想像してなかった変化をするような楽曲も増えてきましたね。

シティポップより、ロックとかパンクに共感性がある

―Emeraldがリリースしたひさびさの新曲“i.e.”についてもお伺いしたいです。

https://www.youtube.com/watch?v=Z0rHgx8XlDI

藤井:うちらはみんな曲をつくるんですけど、この曲はキーボードの中村龍人のデモからつくった曲で、去年showmoreと2マンをしたときにお披露目した曲です。その日は中村龍人が一回バンドをお休みするタイミングで、どうしても中村龍人の曲がやりたかったんですけど、今回また中村龍人の新曲からリスタートするっていう。最初は「THE歌もの」って感じだったんですけど、自分たちがもともと持っていたルーツの部分というか、ブラック感を意識しつつも、ちょっと尖った感じの音像にしたいっていうのがあって、それで今回の仕上がりになったんです。

―ビートが打ち込みなのは珍しいですよね。

中野:“Re:ふれたい光”ぶりかな。

https://www.youtube.com/watch?v=DMRlIJhYvuQ

藤井:あの曲はコロナ禍だったから普通のレコーディングができなくて打ち込みになったんですけど、そういう理由もなく打ち込みにしたのは今回が初めてです。ニュージャックスウィング感を出したくて。磯野はギタリストだけどビート担当でもあって、逆にドラマーの高木がギターリフを考えることもあったり。うちのバンドはそういうところも変なんですよ。

中野:気づけば周りにそういうバンドがほとんどいなくなったよね。バンドはみんなで一緒くたになって、ああでもないこうでもないってつんのめってやるイメージだったけど、いまは効率化と最適化が進んで、ボーカル一人とスタジオミュージシャンとか、そういうかたちが多いなかで……。

藤井:だからYONA YONAはいいんだよ! すげえ「バンド」だもん!

中野:そう。YONA YONAとの共通点がすごく見えてくる。そういうバンドの人間臭さってイコール豊かなことだと思っていて、破綻してるとか言いながらも、なんだかんだいい人生だなと思える瞬間が3か月に一回くらいあるんです。僕らくらいの年齢になるとみんなバンドをやめちゃったり、裏方になったりするけど、未だに新しいものをつくりたいし、感動させたい気持ちがあるのはそういう瞬間のおかげで、それはありがたいなと思いますね。

キイチ:僕らの同世代のバンドマンもやっぱり解散して就職したりする人が増えたけど、そんななかでジャンルは違っても頑張ってるバンドがKen Yokoyamaさんのツアーに呼ばれてるのを見たりすると、シーンは違ってもいずれ交わることができるように頑張ろうってモチベーションになったりして。あと、ついこの間ASPARAGUSと一緒にやれたのはうれしかった!

―ここに来てYONA YONAが、パンクシーンの大先輩であるASPARAGUSと2マンをやったっていうのはいい話ですよね。

中野:夢があるなあ。僕もCAPTAIN HEDGEHOG(ASPARAGUS結成前に渡邊忍がやっていたバンド)大好きでした。

―やっぱりシティポップからは遠い名前が出てきますね(笑)。

中野:もともとシティポップとかAORみたいな名前がついてる人たちって、文化教養の高い、いい家の育ちの子っていう印象が俺にはあって。でも自分がずっと好きなのはキウイロールとかで、何もないところから産声を上げるような音楽が始まりだから、シティポップっていう単語にはずっと共感性がないんです。ロックとかパンクのほうが全然共感性がある。まあ、みんなが気持ちよく聴いてくれれば名前はなんでもよくて、ラベリングすることで入口ができるなら、「それでお願いします」って言えるくらいには大人になりました。

磯野くん:いま全ての気持ちを代弁してくれました(笑)。

全員:あははははは(笑)。

藤井:僕ももともと学生時代はパンクやメロコアを聴いてて、ドラムの高木もゴリゴリのパンク出身で、うちの兄貴と磯野もそう。唯一違うのが鍵盤の中村龍人(笑)。

中野:この前、20歳くらいの自分を知ってる人に、「中野くん、あのころ放ちまくってた殺気をどうやって押し殺して生きてるの?」って言われて(笑)。そのとき「僕はマーヴィン・ゲイを聴いて、怒りとかネガティブな感情をセクシーな歌声に昇華することにすべてを注ぐことで一応の解決を見たんです」って話をしたら、「なるほど!」ってなってて。見てくれはセクシーじゃないけど、歌声はそっちに行くことで、内側にある強い衝動と向き合おうと決めて、そこがメロコアとかハードコアからEmeraldへの入口だった。音楽やっててしんどいと思うこともあるけど、でも「ないと死んじゃう」っていうのがずっとあって、だから続けられてるんだろうなって。

―もう「シティポップ」じゃない新しい言葉をつくったほうがよさそうですね。

中野:ワーキングクラスシティポップとかね(笑)。普通に仕事をして、それなりにお金をもらって生活してても得られない豊かさを僕らはちゃんと知っていて、それは音楽のおかげだと思っていて。それをちゃんと表現して、ライブに来てくれる人や関わってくれる人に伝えられる人間になりたい気持ちが強くあります。YONA YONAを見てるとそれを感じるし、そこが伝播してるからいい仲間が集まってきてるんだろうなって。お客さんの雰囲気もめちゃめちゃいいし、そういうところでのシンパシーも感じますね。

―では最後に、6月の2マンに向けて一言ずついただけますか?

磯野くん:3年間思い続けた相手ですし(笑)、音楽はもちろん、生き方もかっこいいと思える人たちなので、大事な2マンに誘っていただいたからには期待に応えたいです。絶対いい一日になるだろうし、美味しい酒が飲めるだろうなと思います。

中野:今回のタイトルは『Re:Start』で、中村龍人が戻ってくるのもあるんですけど、一旦コロナ禍で止まっちゃったところから、もう一回ちっちゃなイカダで漕ぎ出すようなイメージなんですよね。だから、マジでみんなにはまたついてきてほしいし、しばらくライブハウスに来てなかった人たちにも戻ってきてもらいたい。そこにYONA YONA WEEKENDERSっていう最高のバンドがお供してくれるのであれば、こんな心強いことはないですね。

■INFORMATION

Emerald Pre.Premium 2 Man Show『Re:Start』
日程:2023年6月10日(土)
会場:渋谷WWW
時間:OPEN 16:45 START 17:30
出演:Emerald、YONA YONA WEEKENDERS
チケット:前売り ¥4,500 (+1D)一般
イープラス4/15(土)10:00〜
ローチケ(Lコード:75606)4/15(土)10:00〜
ぴあ(Pコード:239-625)4/10(土)10:00〜
主催 HOT STUFF PROMOTION
企画/制作 Emerald/Maypril Records
Organized by 渋都市株式会社

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS