VOL. 3
人間椅子の世界的ブレイクは必然だった。『イカ天』時代からブレない個性を紐解く
2025.3.18
アーティストたちとお届けする連載
1989年から1990年に放映された『平成名物TV 三宅裕司のいかすバンド天国』は、『イカ天』と呼ばれたアマチュアバンドのコンテスト番組。出演するバンドは、イロモノやキワモノから実力派、前衛系まで玉石混交だったが、結果的に『NHK紅白歌合戦』に出場した「たま」のような隠れた才能を、いくつもフックアップした。その狂騒は、衝動や情熱をガソリンに突っ走ったお祭り騒ぎだったとも言える。そして、何かをやりたいけど、何をやっていいのか分からない、そう鬱屈した若者が『イカ天』を見てバンドをやり始めた。
かくして、家にひきもって深夜番組の『イカ天』を見ていた(当時の言葉で言うなら)ネクラな少年少女たちの逆襲が始まる。受動から能動、いや、行動へ。のちの『けいおん!』や『ぼっち・ざ・ろっく!』が誘発したのと同質の現象、そう、バンドブームの到来である。バンドブームはバンドを聴くブームじゃない。「バンドをやる」ブームだったのだ。
※本連載に大幅加筆を加えた『イカ天とバンドブーム論(仮)』(DU BOOKS)より2025年2月に刊行予定。
ダンスミュージックやクラブシーン、パーティーカルチャーについてのトピックやニュースなどをフォローしながら東京のシーンの再生もしくは若い世代による新しいパーティーの現場の誕生を追いかけていく連載。音楽は誰にも止められないし楽しみ方は自由。音楽ファンがまた、パーティーの楽しみを取り戻すことを祈りながら。
ハチミツ芸人8組がお笑い界のトップになるべく、話題になりそうなことに全力でチャレンジしていく芸人総合バラエティ『深夜のハチミツ!! Bee The TOP』通称「深夜のハチミツ」。数々の人気番組を輩出してきたフジテレビ深夜のお笑い番組の最新形だ。
2024年夏、「メジャーデビュー争奪戦!ハチフェス」と題した企画が始動。ハチミツ芸人と新進気鋭のアーティストがそれぞれタッグを組み、「タオルをブンブンしたくなる曲」というテーマで楽曲を制作。TikTokの再生数と『お台場冒険王2024』の特設ステージで行われるライブパフォーマンスへの観客投票で、ソニーミュージックから正式にCDデビューする1組が選ばれる。
ポケットビスケッツ、ブラックビスケッツ、野猿、羞恥心、時給800円などなど、バラエティ番組から生まれたヒット曲は数知れず。先達に続くためにしのぎを削る8組による、「音楽×お笑い」の化学変化を記録するために対談を実施した。
多方面で活躍し、カルチャーに精通しているOdd(オッド:風変わりな)ユースたちに13の質問でインタビューを行う。次世代のクリエイターやインディーズバンド、ネクストカミングのアーティストたちをいち早くキャッチ。未来を担う若者たちにスポットライトをあて、スティグマからの解放を目指す。
「何かを始めるよりも、終わらせるよりも、続けることが一番難しい」。20代後半で理化学研究所の研究員を辞め、音楽活動を本格的にスタートさせたTAMIWのボーカルtamiは、お寺の一角でスタジオを経営し、自身の会社でメンバーと働きながらバンド活動を続けるというユニークな経歴の持ち主。バンドサウンドの可能性を拡張し、圧巻の歌とサウンドで音楽好きを唸らせる彼女が、音楽と仕事を両立させながら音楽活動を続けるミュージシャンと語り合う。音楽についてはもちろん、日々の暮らし、お金、家族、メンバーのことーー自分はどうありたいのか考えることが、未来へ繋がっていく。
シンガーソングライター「みらん」と作家「小原晩」による交換日記がスタート。始まりは2023年2月中旬。季節はだんだん春めいてきたけれど、みらんには「なんとしてでも乗り越えたい冬」が、そして小原には「未だ乗り越えられていないもの……」があるのだった。
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