今年7月に『FUJI ROCK FESTIVAL』初出演を果たし、国内外からの注目を集める二足の草鞋を履くNTsKi。天真爛漫にメロディを奏でる傍ら、アートワークやMVのスタイリング・ディレクション・編集を自らが担う。真夏のゲリラ豪雨に見舞われながら沈黙を絢爛に破り、インタビューをスタートさせる。
エヌ・ティー・エス・ケー・アイの生みの親
京都の海の近くで育ち、高校を卒業してすぐに上京して東京の写真専門学校に通い、卒業後に渡英しました。イギリスと東京、京都を行ったりきたりする生活を送っていたけど、曲作りは基本的に京都で行うことが多かったです。
写真学生のとき、写真のコンペティションで賞を受賞し、パリ4区にあるポンピドゥー・センターで展示をすることになり初めてパリに行きました。ポンピドゥー・センター近くのレストラン2階で展示のオープニングパーティーが催され、下の階には黒の衣装に包まれた人たちがたくさんいて。Yohji Yamamoto (ヨウジヤマモト)のパリコレクションのアフターパーティーが行われていたみたいで、よくみると山本耀司さんがいました。そのとき、私が初めて買ったYohji Yamamotoのドレスを偶然着ていたこともあり、直接話しかけに行かなければと彼を目掛けて向かいました。チャンスが来て彼と喋ることができ、私の名前を伝えてサインを貰うと、なぜか大文字のNとT、小文字のs、大文字のKと小文字のiで「NTsKi(エヌ・ティー・エス・ケー・アイ)」だったんです。なんかイケてるよね? と思い、そのときから山本耀司さんが書いてくれた名前をアーティストネームとして使ってます。
全ての原動力は好奇心から
マンチェスターに住んでいたときのルームメイトがLogicっていう音楽制作ソフトウェアを使っていて、私も使ってみたい! という好奇心で音楽の制作をし始めました。マンチェスターでは周りに音楽をやっている人が多くいたんですけど、音楽に対して仕事仕事しているというよりも、もっと生活の中に音楽が溶け込んでいる感じがあって、それが自分に合っていたんだと思います。私の夢はミュージシャンです! って意気込まなくても、生活の延長でやればいいよね、みたいな。渡英した理由も、フランスで展示をしていたときに仲のよかった友達がイギリスにいて、ふらっと遊びに行ったときに覚えた、バーやクラブのハシゴだったりハウスパーティーが楽しかったのがきっかけです。
音楽はずっと身近な存在
自分が小学生のときにMTVを見て聴いてたAaliyah(アリーヤ)から影響を受けてると思う。物心ついたときには彼女の音楽が身近にあって、自分で音楽を作るようになって改めて聴いてみたら、ビートとかボーカルの入り方がドープだったことに気がつきました。