星野源が、12月31日(火)放送の『第75回NHK紅白歌合戦』で披露する曲を、”地獄でなぜ悪い”から”ばらばら”に変更することを発表した。
”地獄でなぜ悪い”は、星野が2012年にくも膜下出血で倒れた闘病期に病院で作詞された、個人的な経験や想いをもとに制作された楽曲。今回の歌唱楽曲は、「アーティストの闘病経験を経て生まれた楽曲で、いま苦しい時代を生きる方々を勇気づけてほしい」という紅白歌合戦制作チームからのオファーを受けて決まったものだった。
しかし、同曲がのちに性加害疑惑を報道された人物が監督した映画の主題歌であること、映画タイトルにある「地獄」というワードにヒントを得たことから、紅白歌合戦で歌唱することが、二次加害にあたる可能性があるという一部の指摘を完全に否定することはできないとして、演奏楽曲の変更に至ったと、星野はスタッフとの連名で声明を発表。「そのオファーの意図から離れ、真逆の影響を与えうるのであれば、それはオファーを受けた私たちの想いに反してしまいます。そのため、今回同曲を歌唱することを取りやめることにいたしました。私たちは、あらゆる性加害行為を容認しません」と続けている。
先日発表された「第75回NHK紅白歌合戦」の、星野源の歌唱楽曲についてご報告させていただきます。
楽曲「地獄でなぜ悪い」は星野源の曲です。
星野は2012年にくも膜下出血で倒れ、その闘病期に病院でこの楽曲の作詞をしました。詞の内容は、星野の個人的な経験・想いをもとに執筆されたものです。後述する映画のストーリーを音楽として表現したものではありません。星野源の中から生まれた、星野源の歌です。
一方で、すでにSNS等で指摘されているように、のちに性加害疑惑を報道された人物が監督した映画の主題歌であること、映画タイトルにある「地獄」というワードにヒントを得たこと、映画タイトルと同名の楽曲であることもまた事実です。この曲を紅白歌合戦の舞台で歌唱することが、二次加害にあたる可能性があるという一部の指摘について、私たちはその可能性を完全に否定することはできません。
今回の歌唱楽曲は「アーティストの闘病経験を経て生まれた楽曲で、いま苦しい時代を生きる方々を勇気づけてほしい」という、紅白制作チームからの熱意あるオファーを受けて選定された経緯があります。しかし、そのオファーの意図から離れ、真逆の影響を与えうるのであれば、それはオファーを受けた私たちの想いに反してしまいます。そのため、今回同曲を歌唱することを取りやめることにいたしました。私たちは、あらゆる性加害行為を容認しません。
この曲が多くのファンの皆様に愛していただいている楽曲であることを、私たちはよく理解しています。また、星野自身もとても大切にしている楽曲であることはこれからも変わりません。
紅白制作チームと協議の結果、今回は曲目を変更し、「ばらばら」を弾き語りします。
ご期待いただけますと幸いです。
星野源&スタッフ一同
弾き語りで披露されることが決まった”ばらばら”は、星野が2010年に発表した1stアルバム『ばかのうた』の1曲目に収録された楽曲。冒頭の<世界はひとつじゃない>という歌詞には、考えの異なる者同士が無理にひとつになるのではなく、ばらばらのままでもひとつのものを生み出せる、ばらばらだからこそ手と手をつなげるという想いが込められている。