千葉県佐倉市のDIC川村記念美術館の一時休館開始が、2025年1月下旬から3月下旬に延期されることが発表された。
1990年に開館し、印刷インキなどで知られるDIC株式会社が関連企業とともに20世紀美術に主眼を置いたコレクションを収集 / 公開する同美術館。モネ『睡蓮』やシャガール『赤い太陽』など754点にのぼるコレクション、作品にふさわしい空間づくりを目指した建築、四季折々の変化が楽しめる自然環境の三要素が調和した施設であることが特徴となっている。
しかし、2024年6月末時点の簿価ベースで総額112億円となる保有資産の観点から見た場合、資本効率という側面から必ずしも有効活用されていないとして、社外取締役のみで構成された「価値共創委員会」での審議を開催。その内容を受け、8月27日(火)に移転や運営中止も含めた経営の再検討と、2025年1月下旬から美術館を一時休館とする中間報告が発表されていた。
発表を受け、佐倉市長・西田三十五が声明を発表、千葉県知事・熊谷俊人、千葉出身の起業家・前澤友作がSNS上で反応。また、9月30日(月)まで受け付けていた佐倉市魅力推進部文化課を事務局とする「DIC川村記念美術館の佐倉市での存続を求める会」が募集した署名が合計5万筆を超えるなど、大きな反響が起こっていた。
休館延長について、美術館は「美術館への来館状況等を踏まえ、休館前に、より多くのお客様に美術館にお越しいただくことを理由」に決定したと説明。具体的な休館日程については、決まり次第DIC株式会社と美術館のウェブサイトで告知される。また、2025年1月26日(日)まで開催の企画展『西川勝人 静寂の響き』閉幕以降は、来館者への感謝の気持ちを込めたコレクション展示を行うことも発表された。
なお、企画展開催中の12月13日(金)には、閉館後の展示室で『コンサート「西川勝人 静寂の響き」展』を実施。静寂に包まれた閉館後の展示室で江崎文武によるピアノ演奏を鑑賞できる内容となっている。
『西川勝人 静寂の響き』
2024年9月14日(土) - 2025年1月26日(日)
時間:
9:30-17:00(入館は16:30まで)
休館日:
月曜(ただし祝日の場合は開館)、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)、12月24日(火)-1月1日(水)、1月14日(火)
主催:
DIC株式会社
後援:
千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会
会期中のコレクション展示
コレクションViewpoint
「追悼 桑山忠明 1932–2023」
「追悼 フランク・ステラ 1936–2024」
会期:2024年7月6日(土) - 2025年1月26日(日)
会場:201室
『コンサート「西川勝人 静寂の響き」展』
日時 12/13(金)18:00開演(20:00終演予定)
会場 203展示室(17:45開場)
料金 会員・一般ともに10,000円
※入館料込み
販売開始日 サポーターズ:10/19(土)10:00
一般:10/26(土)10:00