12月から全国4都市で上演される劇団・ハイバイの現代家族劇『て』のチラシビジュアルと作家・岩井秀人のコメントが解禁された。
同作品は、劇団の主宰であり、作 / 演出を務める岩井秀人の実の家族をモデルにしており、祖母の認知症をきっかけに再集合した家族が過去の関係を清算しきれず、お互いの分かり合えなさに沈んでいく様を描いた厚みある悲喜劇。2008年の初演から多くの再演が重ねられ、劇団の20周年にあたる今回は「完全版」としてキャストを一新し上演されることとなった。
解禁されたチラシには、いくつもの「手」と、それぞれの手から出た吹き出しの中の「て」の文字が、複数の色の線により描かれている。指の長さ、伸びる方向、指先に描かれた顔の表情、文字のフォントまでもが異なるデザインとなっている。
また、岩井からのコメントは、初演から15年を経た所感や「僕自身が演出し、僕自身が出演するのはこれで最後」という「完全版」に臨む心境が綴られている。
2008年に初演し、ハイバイとわたくし岩井のその先の方向を決定づけた作品『て』の再演となります。
岩井秀人
ご覧いただいた方からは、「我が家の風景、なんで知ってんだあ!涙」と、ありがたい悲鳴をいただけるこの作品も、誕生から15年経ち、さすがに家族って進化したのかなと思いきや、全然世の中の家族問題、なくならないっすね。
「家族だから許せ」的な考え方をやめたらいいのに、と思いながらも、それでも最終的にこの作品が「願い」や「許し」について扱ってることに救いを感じつつ、またイチから作り直したいと思います。
「なんか面白いらしいけどどうなんだ」と思ってる方は、身近な人で見たことがある人に聞いてみてください。面白いぞと、説得されてください。
見たことない方は、とにかく見に来てください。後悔はさせません。させたらすみません。
僕自身が演出し、僕自身が出演するのはこれで最後にするので、見納めとしてもお勧めです。
お待ちしております!
同公演のチケットは、9月12日(木)18時までに劇団のメールマガジンを登録している会員限定で先行抽選販売を実施。一般発売などの日程は後日発表される。
ハイバイ20周年『て』
作・演出:岩井秀人
出演:大倉孝二 伊勢佳世 田村健太郎 後藤剛範 川上友里 藤谷理子 板垣雄亮
岡本昌也 梅里アーツ 乙木瓜広 / 岩井秀人 小松和重
[公演日程]
東京公演:2024年12月19日(木)〜29日(日) 本多劇場
富山公演:2025年1月8日(水)・9日(木) 富山オーバード・ホール 中ホール
高知公演:2025年1月18日(土) 高知県立県民文化ホール グリーンホール
兵庫公演:2025年2月1日(土)・2日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
企画・製作:株式会社WARE
公式HP https://hi-bye.net/
あらすじ
山田家の4人兄妹は、かつて自分たちに手を上げていた横暴な父の元を離れ暮らしていたが、母方の祖母の認知症をきっかけに、実家に再集合した。
父の過去の暴力について騒ぐ次男。それについて一向に触れようとしない長男。
「あれから時間も経ってるから、家族をやりなおそう」と希望を見せる長女。
そして兄妹たちが祖母の家に集まる。
酒に酔った父の発言を元に、山田家に再び、暗く熱を持った活気が蘇ってくる。