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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

アーティストのKashewは、「自分が楽しいと思えることをやる」をモットーに彫刻を作る

2025.6.23

#ART

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

4月24日は、アーティストのJOETAROさんからの紹介で、アーティストのKashewさんが登場。自身の作品の制作方法についてや、好きな映画作品などについて伺いました。

3Dプリンターを使って彫刻作品を制作する

Celeina(MC):Kashewさんは、現在武蔵野美術大学に通いながら、アーティスト活動を行っています。スタジオに作品をいくつかお持ちいただいたんですが、これはどういった作品ですか?

Kashew:3Dプリントを使って作った彫刻作品です。

タカノ(MC):25cmくらいあって、結構大きいですね。男性らしき方の像ですが、ロボットアームみたいなものが生えていますね。

Kashew:「アッサンブラージュ」という種類の彫刻で、2つの既存の彫刻をデータ上で組み合わせて、1つにする方法をとっています。1つの顔は自分が造形した顔で、もう1つの顔は3Dスキャニングでスキャンしたおもちゃの顔なんです。

Celeina:面白いですね。つまり音楽でいうサンプリングみたいなものでしょうか?

Kashew:そんな感じです。おもちゃのサンプリングですね。

タカノ:部屋に飾りたくなりますね。

Celeina:すごくかっこいいです。そしてその隣にある作品はどんなものでしょうか?

Kashew:こっちは最近作り始めたんですが、粘土で型を取ってラバーを流し込んで作ったマスクです。

Celeina:マスクには市松模様の柄が施されていますね。

タカノ:これはどういうイメージで作っていったんですか?

Kashew:最近「破壊と再生」をテーマにものづくりをしているんです。それで白と黒が順番になっているパターンに惹かれて、この柄にしました。

Celeina:このマスクは目と口に穴が開いているんですが、実際に被れるんですか?

Kashew:被れます。ただ、すごく苦しいです(笑)。

Celeina:なるほど(笑)。今後は実際に被れるようなマスクも作っていきたいという感じでしょうか。

Kashew:そうですね。

作品を作る上で大切にしているのは「自分が楽しいと思えることをやること」

タカノ:Kashewさんは様々な作品を作っていますが、作品を作る時に大切にしていることを聞きたいです。

Kashew:大切にしていることは1つしかなくて、「自分が楽しいと思えることをやること」。それだけですね。

タカノ:Kashewさんが自分基準でのめり込めることを大切にしていらっしゃるんですね。

Celeina:そもそもアートに興味を持ったのはいつごろだったんですか?

Kashew:小さい時からアートは好きなんですけど、しっかりやろうと思ったのは高校の時です。

Celeina:それは何かきっかけがあったんですか?

Kashew:映画が大好きなので、最初は特殊メイクみたいなものをやりたいなと思って、彫刻を始めました。そのまま大学に入って、今も作品作りをしています。

タカノ:大学では彫刻を学ばれているんですよね?

Kashew:彫刻学科です。

タカノ:作品を拝見すると、彫刻というイメージとまたちょっと違うような印象も受けました。

Kashew:今日は小さめの作品しか持ってこられなかったんですが、いつもは3mくらいの大きい作品を作ったりしています。

Celeina:そうなんですね。すごく素人目線の質問で申し訳ないんですが、3mの彫刻ってどこに保管するんですか……? 美大って私にとっては謎に包まれていて。

Kashew:どこに保管するかはすごく大変な問題なんですが、今は勝手に大学に置かせてもらっています。「撤去しろ」と言われることもあるんですけどね。

タカノ:3mほどの大きさの作品って、どうやって作るんですか? 僕は彫刻というと、やっぱり「彫る」というイメージがあるのですが。

Kashew:よく言われるんですが、手が汚れるのがあまり好きじゃなくて、実際に彫ることは多くないです。すごく大きい3Dプリンターがあって、それを使えば1m大くらいの大きい作品が作れるんですよね。なので分割して3Dプリンターで制作して、3mくらいの大きさの作品に仕上げます。あと、大きい作品はFRPというプラスチックの素材を使うことが多いです。

Celeina:その3mの作品はどんな造形物なんですか?

Kashew:大体、今日持ってきたような人型のアッサンブラージュの彫刻を作っています。

Celeina:今日持ってきていただいたものが3m大になったら、だいぶ迫力がありますね。

Kashew:大きい作品を作れるのが楽しいんですよね。

好きな映画は『ドニー・ダーコ』

Celeina:映画がお好きということですが、最近見て面白かったりとか、自分にとってのバイブル的な存在だったりする作品はありますか?

Kashew:最近見て面白かったのは『ドニー・ダーコ』(原題:Donnie Darko)という映画です。

Celeina:私まだ見られていないんですよ。

タカノ:僕は多分20年以上前に見ましたね。すごい作品でした。

Celeina:作品の内容は、7歳のドニーの家に飛行機のエンジンが落下し、彼の前に現れた銀色のウサギが「あと28日で世界が終末を迎える」と予言するというような不可解なオープニングで始まる、青春SFミステリーです。脚本に惚れこんだドリュー・バリモア(Drew Blythe Barrymore)が製作し、自らも教師役で出演しています。

タカノ:Kashewさんはこの映画のどのあたりに惹かれましたか?

Kashew:作品自体がすごく難しいじゃないですか。 でも変な魅力を感じて、何回も見ていたんです。そうしたら大きなテーマみたいなものがだんだん見えてきて、これやばいなと思って好きになりました。

タカノ:銀色のウサギが登場するんですよね。着ぐるみに骸骨っぽい怖いウサギのお面がついているような。これは主人公にしか見えていないんでしたっけ?

Kashew:そうですね。主人公にしか見えていない設定でした。

タカノ:このウサギとかは、Kashewさんの作品っぽいなと思いましたね。ストリート感があると言ったら変ですけど、フィギュアにしても欲しくなるようなデザインで。

Kashew:この映画が大好きなので、寄っていってしまっているかもしれません。

タカノ:Celeinaさんもぜひ『ドニー・ダーコ』見てみてください。

Celeina:Kashewさんは何度も見てよさがどんどんわかってきたとおっしゃっていたので、たくさん見ないといけないですね。

タカノ:俺も1回しか見てないから、難しくて内容を理解できていない気がするんですよね。多分また見ると思います。

Celeina:みんなで集まって『ドニー・ダーコ』ナイトを開くのもいいですね。

タカノ:今日の『GRAND MARQUEE』は「世界とつながる日本の音楽!」というテーマでお届けしているんですが、Kashewさんが日本でかっこいいと思うクリエイターやアーティストはいますか?

Kashew:僕の先輩なんですが、今日僕が持参したバッグも作っていらっしゃる「TOKYO SINK」という名前で活動しているグラフィックアーティストです。この人もデザインにサンプリングを取り入れる方で、すごくかっこいいですね。尊敬しています。

タカノ:大学の先輩ですか?

Kashew:いや、作品繋がりでお会いした方です。

Celeina:先輩とか身近な人で自分が尊敬できる存在がいるのは大事なことですよね。というわけで、「FIST BUMP」、本日はアーティストのKashewさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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