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本が拠点となるBAR「走馬灯」の大槻将之は、孤独と戦う武器になると思う本を並べる

2025.4.29

#BOOK

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

4月6日は佐伯ポインティさんからの紹介で、本が拠点となるお店「走馬灯」を神泉で営まれている大槻将之さんが登場。お店をする上で自分に課しているルールのほか、本の貸し出しサービスや、月に1度の読書限定イベントなどについても伺いました。

会話の拠点に本がある空間「走馬灯」をオープン

Celeina(MC):「走馬灯」は「本が拠点となるお店」ということですが、これはどういうことなんですか?

大槻:「走馬灯」は普通に飲み屋なんですけれど、会話の拠点に本があると良い空間になるなと思いまして。そのためのルールをいくつか自分に課して運営しているお店なんです。

Celeina:「飲み×本」ですね。ご自身にルールを課してらっしゃるというのは、どのようなことですか?

大槻:いくつかあるんですが、例えばご予約されたお客様のために机の上に本を置いておいたり、本を1冊1,000円でお貸しして、お返しいただいたときに飲み物を1杯無料にしたり、あとは本棚を定期的に入れ替えて飽きないようにする、といったものです。

Celeina:一つひとつ詳しく伺っていきたいですね。まず、そもそも「走馬灯」の本のラインナップはどんな感じなんですか?

大槻:僕が結構雑食なので、エッセイやファンタジー的な小説からビジネス本まで、本当にいろいろ置いてありますね。『地球の歩き方』とかも置いています。

Celeina:読書初心者の方から、読書が大好きで毎日本を読んでいるという方々まで満足していただけるようなラインナップですね。

大槻:はい。それに、本を読まなくても全然大丈夫なお店ではあります。

Celeina:実際、お店にいらっしゃる方は本を読まれる方が多いですか? それとも飲みに来るだけの方も多いんですか?

大槻:7割ぐらいの方は飲みに来るだけなんですけど、その会話の拠点に本が入ってくる、という感じですね。読まなきゃいけないお店、という感じではないです。

タカノ(MC):今、「走馬灯」のInstagramを拝見しているんですが、本がたくさん並んでいて、純文学のラインナップもすごく良いですね。ハン・ガンさんの『すべての、白いものたちの』とか、今村夏子さんの『むらさきのスカートの女』も最高ですよね。すごく本を読んでいる方のラインナップという感じがします。

大槻:ありがとうございます。

タカノ:これはちょっと行きたいですね。

Celeina:そして、定期的に本を入れ替えてらっしゃるということですけれども、これは大槻さんが読まれた本を並べていくという感じですか?

大槻:そうですね。言い方があれなんですが、「武器商人」みたいな感覚でやっていて。

タカノ:武器商人ですか?

大槻:はい(笑)。誰しもが、それなりに孤独と戦っていると思っているんです。その孤独と戦うための武器として、お金を選ぶ人もいれば、地位とか名誉を選ぶ人もいれば、結婚とか子供を選ぶ人もいる中で、僕は本を武器に戦ってきたんです。こういう戦い方だったら、こういう考え方があるよとか、こういう人もいるよ、みたいなことを押し付けることなく、本を通して紹介するということをやりたいんです。なので、それに適した本を選書して、定期的に入れ替えているという感じですね。

予約した人の「今」に刺さりそうな本を置いておく

タカノ:予約した方のために本を置いておくというお話がありましたが、それはどういうシステムなんですか?

大槻:以前いらっしゃった方が、今はこういう状況にあるんじゃないかとか、SNSで繋がっていたら、それを見てこういう近況なんだろうなとか、お客様の今の状態には何となくこれが刺さるんじゃないかという本を僕が選んで、予約のお席に置いておくという感じです。

Celeina:選書を越えた、ブックセラピストですね! 処方箋みたいな感じもあって、嬉しいですね。

大槻:肩書きをいただいてありがとうございます。それを名乗っていきます(笑)。

タカノ:大槻さんは、基本は店頭にいらっしゃるんですか?

大槻:基本はおります。

タカノ:大槻さんにお話ししながら、「何かおすすめの本ありませんか?」とか伺うのもありですか?

大槻:もちろん、会話は自由です。

Celeina:先程、1,000円で本の貸し出しをされているというお話がありましたが、それはどんな形でされているんですか?

大槻:本1冊につきチャージを1,000円プラスして、次に来店されたときに、ドリンク1杯を無料で提供しています。うちは1杯が1,000円ぐらいなので、基本的に貸し代は無料みたいなことなんですけれど、その本が次に来るときの約束になるといいなと思いまして。本を介して、「次も来てくださいね」ということをやっているんですよね。次にいらしたときに、その本の感想とかをおっしゃっていただければ嬉しいなと。

Celeina:いいですね。ただ「持っていっていいよ」というよりも、1,000円という決まりがある方が借りる側もなんとなく気持ちがいいというか、やりやすさがありますよね。

読書のための環境を提供する月1イベント『接心』

Celeina:あとは、飲みではなく、読書のための日があると伺ったのですが。

大槻:そうですね。月に1回『接心』というイベントをやっていて、その日はもう店内は私語厳禁、スマホ禁止で本を読み続けよう、という環境を用意しています。

タカノ:それぞれが一人ひとりで、という感じですか?

大槻:そうです。それぞれ読みたい本を1冊なり2冊なり持ってきて、それを自由に読んでいただいています。店内にある本も自由に読んでいいので、僕からもおすすめの本を置いています。

タカノ:今、情報化社会じゃないですか。ついSNSを見ちゃうとか、クセでスマホをいじっちゃうとか、いろいろありますよね。この日、すごく参加してみたいです。

Celeina:このイベントは、月に1回の開催ですか?

大槻:月に1回ですね。この日だけ来店されるような方も結構いらっしゃいます。

Celeina:いいですね。『接心』の日の張り紙というのが大槻さんのnoteに載っているんですけれども、予定表があるんですね。6時から6時50分まで読書、6時50分から7時まで休憩、そしてまた50分読書、10分休憩、50分読書、10分休憩という時間割になっています。

タカノ:部活の合宿みたいですね(笑)。

大槻:1時間のルーティンを繰り返しています。さすがに集中力が続かないと思うので、休憩の時間は一応会話もOKにしていて、いらっしゃった方同士で本のお話をするとかは大丈夫、というルールです。

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