広がり続けるマーベル・シネマティック・ユニバースの世界に、久々のデカいお祭りがやって来る。デッドプールとウルヴァリン、マーベルコミックスを代表する2大ヒーローが遂にマーベル・シネマティック・ユニバースに合流するのだ。なぜいま、そしてこの2人なのか? アメコミトークライブ『しゃべんじゃーず』主催、アメコミ侍・柳生玄十郎が解説する。
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マルチバース vs デッドプール
全世界が待ちに待った『デッドプール』の新作映画が2018年以来6年振りにスクリーンで観られる日が来た。 2019年3月20日に20世紀FOXがディズニーに買収され、X-MENの世界へ繋がる門は完全に閉ざされてしまったが、また新たな扉を開くことになる。これも全てマーベル・シネマティック・ユニバース(略称=MCU)の現在進めている作品テーマである「マルチバース・サーガ」の一計である。
マルチバースとは多元宇宙、即ちパラレルワールドの事であり、数多の世界に同じ存在、または性質は異なるが同一個体が存在しているという概念だ。この概念を用いれば、一つの世界で命を失った登場人物が他の世界から移動してきて蘇る事も可能となり、「なんでもあり」になってしまうんじゃないかという危惧はファンの間で盛んに議論されてきた。
しかし、この「なんでもあり」を最大限に活かせるキャラクターがマーベル・ユニバースには存在する。それこそが、今作の主人公、本名:ウェイド・ウィルソン、コードネーム:デッドプールである。彼がなぜ「なんでもあり」を活かせるのか。その理由は彼の逸脱した能力にある。