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雅楽の面白さを石田多朗と三船雅也が解説。認知を変えれば見える「霧」の音楽

2026.5.7

#MUSIC

「人類が誰もやったことないことをやろうとしてますからね(笑)」(三船)

―その『開門音楽祭』のコラボレーションなんですが、どのようなステージになりそうでしょうか。

石田:今まさに何ができるか考えているところなんですが、想像の200倍ぐらい聴いたことのないアイデアの連発で、すごいコンサートになりそうです。

三船:人類がまだ体験したことのないコンサートになると思います(笑)。僕らは雅楽に対して神聖なイメージがあるから、「本当にこんなことをやってもいいんですか?」と石田さんによく聞くんですけど、「雅楽って自由なんです。何でもいいんです」と言うんですよね。

今回のコラボレーション打ち合わせ風景

―雅楽は自由なんでしょうか?

石田:もちろんそのなかには宮中で演奏される御神楽(※)のように神聖なものもあるんですけど、それ以外はみなさんが考えているよりも自由なんですよ。今回参加してくださる演奏家の方々も新しいことをやりたいという人たちです。

※御神楽:宮中(皇居)で天皇の拝礼により行われる、神聖な歌舞や雅楽のこと。

石田:雅楽の演奏者が一番気にしているのは「自分たちが大事にしてきたものを、あなたも大事にしてますか?」ということで、大事にしているならぜひ一緒にやりましょうという人たちなんです。三船さんたちからは雅楽の演奏者に対するリスペクトを感じるので、すごくいいものができると思います。

―『開門音楽祭』へのコメントで、三船さんが「なかいま(中今)」という言葉について書いていらっしゃいますよね。今回のコラボレーションのキーワードのひとつじゃないかと思うんですが、「なかいま」とは?

石田:昔の人たちは常に、とてつもない遠い過去から、まだ見ぬ遠い未来へと続く時間の流れを感じながら「今」を生きていたと言われるんですよ。そうした時間感覚のことを「なかいま」という言葉で表現されるんです。

三船:われわれは近代的な思想のもとに生きているから、「今を大事にしましょう」「この瞬間が大事です」ということがよく言われますよね。でも、「なかいま」というのはそうした発想ではなく、永遠というものが先にあって、「自分はその一部にちょっとだけ参加してます」という概念で。現代って、みんな「永遠」を信じなくなっちゃったじゃないですか。

―そうですね。すべての物事はいずれ終わるという諦念のようなものがあります。

三船:かつての日本人は西洋の人たちのように生きたらなんとかなるんじゃないかと思ってたのに、その西洋はうまくいってないし、世界中目標を見失っていると思うんですよね。だからこそ、永遠を感じながら今を同時に感じるライブになったら素晴らしいんじゃないか。そういう発想があるんですよね。

石田:確かに今の人はあまりそういうタイム感では生きていないですよね。御神楽という古代歌謡の中に“千歳”っていう曲があるんですけど、<千歳 千歳>とずっと歌ってるんですね。要するに<永遠よ 永遠よ>と歌っているわけです。それぐらい古代の人たちは永遠というものを意識していたわけですよね。

「今しかない」っていう人と、「永遠の中の今に生きてます」っていう人は、確実に出す音が変わると思います。西洋の音楽の場合、「ここから始まり、ここで終わる」という時間の流れがはっきりしていますけど、日本の場合は、始まりも終わりもはっきりしていなくて、どこを切っても常に流れ続ける川の流れのような時間感覚が根本にあると思うんですね。雅楽の演奏も、どこから始まったかもわからないし、どこでも終わることができるんです。

―『開門音楽祭』でのライブも、永遠に続く時間のあくまでも一部であると。「やってみないとどういうものになるかわからない」という部分を含め、お2人ともワクワクしているような感覚があるんですね。

石田:まさにそうですね。完成形は誰も見えないという。

三船:人類が誰もやったことないことをやろうとしてますからね(笑)。でも、最初からコンセプトが決まっていて、「すべて計算通りです」みたいなものよりも、自分たちもお客さんも、どんなものになるかわからないもののほうがワクワクしますからね。

石田:結論が出たものを提示するんじゃなくて、本当に実験している最中のものをそのまま観てもらうというのは、むしろ一番おもしろいんじゃないですかね。いい曲もあれば失敗した曲もあって、それはライブじゃないと観れないものですから。

『開門音楽祭|KAIMoN Music Festival –Open the MoN–』

日程:2026年5月19日(火)〜 5月22日(金)
時間:各日19:00開演(18:00開場)
会場:MoN Takanawa: The Museum of Narratives Box1000(JR山手線 高輪ゲートウェイ駅 直結)
チケット料金:1階スタンディング:7,500円/2階指定席:8,000円/22日のみ全席指定:7,500円(ドリンク代別)※すべて税込
主催・企画制作:MoN Takanawa: The Museum of Narratives
企画制作協力:J-WAVE
出演:羊文学(5月19日)UA(5月20日)STUTS(5月21日)ROTH BART BARON × 石田多朗(5月22日)
イベントサイト:https://montakanawa.jp/programs/kaimon_music/

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