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ロザリアをスペインで。『LUX』のバルセロナ凱旋公演を現地からレポート

2026.6.4

#MUSIC

フラメンコを取り入れたアルバム『MOTOMAMI』を発表したアーティストとして、ロザリアの存在はもちろん知っていた。しかし、『LUX』というアルバムがなければ、わざわざスペインまで彼女のライブを観に行くことはなかっただろう。それくらい、自分にとって、2025年11月に発表された最新作『LUX』は衝撃的なものだった。それはきっと、パンデミック以降、誰に打ち明けることもなく、自分でも不確かだった心の片隅の渇望に、光が射すような体験だったのだと思う。

デジタルな利便性に慣れ親しんだ現代で、彼女はなぜこれほどまでに身体性と歴史への回帰を求めたのか。バルセロナで開催された凱旋公演は、アリーナを掌握する彼女の圧倒的なパフォーマンスと、それに呼応する約2万人の合唱によって、パンデミック以降の音楽の一つの到達点を証明していた。

ここでは、現地時間4月13日(月)に行われたバルセロナ公演の模様をレポートする。

パンデミック明けに観た小袋成彬と2025年ロザリア『LUX』の共通項

2022年の夏、コロナ明けの『フジロック』で観た小袋成彬のステージを、今でも思い出す。

巨大なLEDスクリーンも、派手なVJもなかった。蝋燭のような暖色の間接照明が置かれたステージに、ただ数人のコーラス隊が立ち、声を重ねるような演出だったと記憶している。それだけのこと。けれど、人と人が集まり、物理的に振動をぶつけ合うという、2019年以前に当たり前だったはずの光景が、その時の自分には何よりも尊くて贅沢な「儀式」のように映った。

それから3年。2025年11月にリリースされたばかりのロザリアの最新アルバム『LUX』を聴いたとき、あの時経験した純粋に人が集まることで生まれる美しい瞬間を呼び起こされたような感覚になった。

アルバムが取り入れた13の言語とポップミュージックの関係性は他の記事に譲るが、オーケストラやオペラを取り入れた「現代の古典」とでも表すべき作品は、リリースされた瞬間に名盤としての風格を漂わせていたように思う。このアルバムにも参加しているビョークもかつて歩んだシンフォニックな道筋を、2020年代後半のポップアイコンが再び示したことは、単なるジャンルの回帰以上の意味を持って聴こえてきた。

ロザリア新作『LUX』が示す未来。英語圏中心から多言語・多文化ポップスの時代へ を読む

「絶対になにがなんでも、現地でその熱狂に立ち会いたい」

アルバムを聴き終えた矢先の直感で、彼女の出身地であるカタルーニャ地方で開催されるバルセロナ公演に行くことを心に決めた。

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