ビョーク(Björk)とロザリア(Rosalía)のコラボレーション楽曲”Oral”がリリースされた。
2人が初のコラボレーションを行った同楽曲は、共同プロデュースにセガ・ボデガ(Sega Bodega)を迎えて制作。ビョークの母国・アイスランドで行われているサケのオープン・ペン養殖の問題点や、環境と生態系への影響を訴えることを目的としている。
同楽曲はビョークが約25年前に制作したが、今までアルバムにふさわしくないと感じていたためにリリースなどは行われていなかった。楽曲のことを思い出したツアー中の2023年3月に、ノルウェーを資本とする商業サーモン養殖事業がアイスランド固有の生態系に壊滅的な影響を与えているという報告書が発表。今回のリリースへのきっかけとなった。
楽曲収益は全て、アイスランド東部のセイジスフィヨルズルの住民によって提起された漁業に対する訴訟の支援に充てられる。また、ビョーク公式サイトから直接寄付をすることも可能。
オープン・ペン養殖
自然の水路に固定されたオープン・ウォーター・ネットに魚を入れ、集中的に養殖するというもので、魚は市場に出せる大きさになるまで囲われて飼育される。これは魚の発育を早め、多くの場合、サケのDNAに遺伝的変異を生じさせ、しかも、寄生虫や病気の温床となる。アイスランドのサーモン産業は2014年以来10倍に成長。4,000トン未満だった生産量は、2021年には45,000トンとなり、現在では106,500トンに達すると推定されているが、オープン・ペン養殖に伴う廃棄物や汚染は、その海洋生態系全体に恒久的なダメージを与える恐れがある。しかも、規制が存在せず、養殖業はほとんど監視されていないため、遺伝子組み換えが行なわれ、病気にかかったサケが何千匹も定期的に逃げ出し、アイスランドの高地まで遡上している。そこでは壊滅的な遺伝子の混合が起こり、アイスランドの野生のサケの将来を危険にさらしている。
(BIG NOTHING公式サイトより引用)