INDEX
「人間の生き方ってどうあるべきなのか考えたら、誰しもが自分の意思を表示できる場所が必要だと思って」(角舘)
ー粕谷くんの脱退についてはどのように受け止めましたか? 初期からいたメンバーだったし、脱退時には「バンドの精神的支柱を担っていた」というコメントも出ていて、彼が抜けたことがバンドにとって大きな出来事だったのは間違いないはずで。
角舘:やっぱりでかかったですね。自立的な考え方をしてると思ってたけど、全然バンドという集団に依存してたんだなってことに気づかされたっていうか。だからコラボレーション的に音楽が作れてなかったんだなって、今は思いますけどね。それを経て、じゃあどうしたらもっと人間と人間が協力的に音楽を作っていけるのかを考えると、それぞれが自立する必要がある。俺もボンちゃんもバンドに依存しないで、自立した状態で共存の道を選んだときに、もっといいものが生まれるんじゃないかなっていうのは素直に思ったことの一つかな。
ーこれまでは角舘くんの中での理想とするバンド像があって、そのためにはメンバーを強引に巻き込み、ある意味生活もないがしろにしてやってきたけど、メンバーの脱退があり、30歳という年齢になって、やり方を変える必要を感じた?
角舘:本能的にそう思いましたね。根底にあることとして、俺は家父長制とか、男の人が稼いで家を支えてくださいっていうのは、資本主義を円滑に回していくただのシステムみたいなところがあると思ってたんだけど、そもそも人間の生き方ってどうあるべきなのか考えたら、誰しもが自分の意思をちゃんと表示できる場所が必要だと思って。そう考えると、自分が家父長的にバンドを引っ張ってること自体がくだらなく思えたんです。自分が「おら行くぞ! あっちだ!」ってやってるのって、みんなの人生がもったいねえじゃんって思ったんですよ。そうやってできた曲がこれからも残るのかなと思うと、俺的にはノーだったんですよね。
ー若い頃はそういうエネルギーが必要だったりもすると思うし、実際そのパワーで生まれたものもあったと思うけど、でも長く続けることを考えると、それでは難しいかもしれない。竹村くんは角舘くんの変化をどう感じていますか?
竹村:めちゃめちゃ変わったと思いますよ。やっぱり変化の原因は家族ができたことが大きいと思う。もともとフーテンの江戸っ子みたいな空気感があって、所属意識も少なめだったと思うけど、人の親になると人間変わるもんだなと思います。「責任感」みたいな言葉だとちょっと簡単なんだけど、ものづくりにおいても、ライブで関わってくれる人たちへの目の向け方とかも、変わった感じがしますね。もともと優しさを持ってる人間だとは思うんですけど、それを上手く表現できるようになったなって。
