漫画家オカヤイヅミさんが、ゲストを自宅に招いて飲み語らう連載「うちで飲みませんか?」。第6回はライターの玉置標本さんにお越しいただきました。
『デイリーポータルZ』での記事や、同人誌『趣味の製麺』シリーズなど、主に食分野に関するニッチでディープな執筆活動で知られる玉置さんですが、オカヤさんとは実に20年以上の親交があるんだそう。
お二人の意外な出会いの話題から、最近のニッチなお仕事、鉢植え、米不足、柔軟剤(?)の話題まで、ゆかいな雑談が展開された今回のサシ飲み。連載史上最もとりとめのない会話を、とりとめのないままお届けします。
当日振る舞われた「タコのヨーグルトサラダ」のレシピもお見逃しなく!(レシピは記事の最後にあります)
INDEX
玉置さんは「謎の有識者」
オカヤ:ちょっと秋っぽいメニューにしようと思ってたのに、夏を名残惜しむみたいになっちゃった。
玉置:今日すごい暑かったですもんね。この鶏肉に乗ってるのは、とんぶり……じゃないですよね。
オカヤ:パクチーをベランダで育ててたんですけど、ものすごく茂っちゃって。実がすごくとれたから、それをナンプラーとかお酢とかで漬けたものです。だから、レシピを紹介しても誰も再現できない(笑)。
玉置:いいじゃないですか、「まずパクチーを育てます」から書いてあるレシピ。僕の記事はそんなのばっかりですよ。
玉置:パクチーを育てると、売ってるのとは違うものになるよね。(鉢植えを見て)これは紫蘇? これも野生化してますね。原種みたいになってる。
オカヤ:そうなんですよ。紫蘇とバジルがあって、本当はそのふたつを近くに植えると交雑しちゃうから、よくないらしいんですけど。
玉置:来年、ウナギイヌみたいのが生えてくるかもしれないですね。
オカヤ:玉置さんはいろいろな業界に関わってますよね。謎の有識者。
玉置:裾野の狭い、2年に1回くらい仕事が来るか来ないかなジャンルに詳しいっていう感じですね。
オカヤ:生き物を捕まえて食べる人で、南インド料理に詳しくて、製麺機に詳しい。最近はどういう仕事が多いんですか?
玉置:製麺とか、捕まえて食べるのとかは、わりとやり尽くした感じがあって。いまは特に集中するものがないから、来た仕事をやるんですけど、この前は、アニサキスってわかります? あれを発見するためのライトがあるので、そのレビュー記事を書いてください、とか。
オカヤ:ニッチ! それは誰向けの商品なんですか? 釣り人?
玉置:釣り人とか、魚料理を出すお店とか。もともと魚の血抜きとか神経締めをする機械を売っている、水産業界の有名な方がいて。その方が今度はアニサキス専用ライトを出したぞ! って、ちょっと話題になったんですよ。それで、アニサキスがいないと記事にならないから、いそうな魚を魚屋で探して(笑)。無事に1匹見つけて「やったー!」って(笑)。
オカヤ:アニサキスがいて喜ぶ人、あんまりいないですよね(笑)。
玉置:難しいですよ、不安を煽るような記事になっちゃいそうで。そういうことがしたいわけでもないじゃないですか。居酒屋に行って、おさしみをそのライトで照らしてたら感じ悪いな、とか。