柿本ケンサクによる写真展『As is』が11月24日(金)の東京・品川のキヤノンギャラリーSを皮切りに、キヤノンギャラリー銀座、キヤノンギャラリー大阪で順次開催される。
柿本ケンサクは、ショートフィルム『TAIYO』、映画『恋する寄生虫』の監督、NHK大河ドラマ『青天を衝け』のタイトルバック制作など、数々のコマーシャルフィルムやMVを手がけている映像作家。
同展は、柿本がプライベートワークとして撮影した作品を中心に展開。キヤノンギャラリーSでは、作品画像や映像を学習させたAIにより、過去の作品を変化させた『Time Tunnel』シリーズや、抽象的なランドスケープの作品など、新作を含む計29点が展示される。
またAIを使用した作品群に、音楽家の小林武史による音楽とクリエイティブディレクターの大木秀晃によるテキストを組み合わせた映像作品『en』も上映。12月2日(土)には、柿本に加えて小林と大木を迎えたイベントも開催予定となっており、小林を中心とするクリエイター集団・Butterfly Studioとして制作された『en』についてのトークが行われる。
キヤノンギャラリー銀座では、ランドスケープ作品21点を展示。キヤノンギャラリー大阪では、社会に何気なく存在する物体などに着目し、被写体を独自の視点で切り取ることで新しいデザインとして再生させる『Trimming』シリーズの作品を中心に18点が展示される。
展示タイトルには、何気ない音や物体など無数の「点」を、「ありのまま」の姿で撮影することをライフワークとしていることから、「As is」(ありのまま、あるがまま)という言葉が冠された。
名もなき一滴の記憶を写真に閉じ込める。人生は例えると、名もなき雨粒の一滴のようなものだ。一滴 の極小の点でしかない僕の体でさえも、毎日、無数の情報に打たれている。当然、その生活の時間の中には朝、目を覚まし聞こえる鳥の囀り、沸かした湯の湧き上がる湯気、通学する子ども達の笑い声、メー ルの着信音、風に揺れる植物、バスルームの床に跳ね返る水滴、エレベーターの到着音、砂利道を踏みつける足元、ビルの向こうに流れる川、線路上を揺れる車体。雨粒が傘に当たるドラム音。それら無数の点が存在し、飛び跳ねながら、社会は日々移動している。そんな生活の中で、僕がライフワークとして撮影する写真は、今この瞬間の記憶の視点(点)の提案なのだ。面前に広がる大自然と対照的な異なる情報が自分の体を通って写真という形になって内側から外側へ放出されるんだ。生活に使った水が雨になって大地に降り注ぎ、この世界を循環しているように。名もなき小さな一滴は僕という体の程をなし、その役割を終えると、また世界という集合体に置き換えられ、循環していく。その小さな一滴を「ありのまま」の記憶に込められた「思い」を写真の中に閉じ込めて、今、受け継がれていく時間の旅に「ありのままの一滴」を送り出す。
柿本ケンサク アーティストステートメント
柿本ケンサク 写真展『As is』
開催場所・会期:
■キヤノンギャラリーS (品川区港南2-16-6 キヤノン S タワー1F)
2023年11月24日(金)~2024年1月15日(月)
10:00-17:30 日・祝・年末年始休
https://canon.jp/personal/experience/gallery/archive/kakimoto-50th-sinagawa
■キヤノンギャラリー銀座(中央区銀座3-9-7)
2023年12月12日(火)~12月27日(水)
10:30~18:30 日・月・祝休
https://canon.jp/personal/experience/gallery/archive/kakimoto-50th-ginza
■キヤノンギャラリー大阪 (大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウェスト1
2023年12月12日(火)~12月27日(水)
10:00~18:00 日・月・祝休
https://canon.jp/personal/experience/gallery/archive/kakimoto-50th-osaka
入場料:無料
※品川では、写真作品以外にも、音楽を小林武史、テキストを大木秀晃が手がける映像作品「en」(Butterfly Studio製作)の上映有り。
また12月2日(土)には、柿本ケンサクに加え、上記音楽家の小林武史と、クリエイティブディレクター大木秀晃をゲストに迎えたトークイベントを開催予定
お問合せ: キヤノンギャラリーS Tel 03-6719-9021